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神出鬼没の移動オービスにも対応できる!? レーダー探知機はどう進化?

くるまのニュース / 2020年7月14日 11時10分

検挙数としては、ここ数年の減少傾向にある速度違反ですが、移動式オービスの登場で、2019年は時速15km未満の検挙数だけが約8倍も増加しています。一方、そうした速度取り締まり装置を検知する「レーダー探知機」も常に進化しています。

■移動式オービスの普及で速度15km未満の速度違反検挙が急増

 警察庁が公開した「道路交通法違反の取締り状況」によると、2019年の「最高速度違反」の検挙数は、前年より約10万件減少の113万7255件でした。違反件数全体の約2割と高い割合を占めていますが、件数では約3万5000件増加した「一時不停止」がトップになっています。

 ここ数年、最高速度違反は減少していますが、その一方で2019年に、件数としては前年の約8倍に増加したのが、「速度15km未満」の違反件数です。2018年はわずか43件だったのに対し、2019年は340件と激増しています。

 なぜ速度15km未満の違反が増加したのでしょうか。

 最高速度違反の検挙の方法は、「ネズミ捕り」と呼ばれる定置式速度取締りや、パトカーや白バイによる追尾式、そして速度違反自動取締装置いわゆるオービスの、3パターンがあります。

 検挙数では3番目となるオービスですが、これまでの常識を覆す新兵器が登場ました。それが、可搬式速度違反自動取締装置で、レーザー光を使用した「移動式オービス」と呼ばれる機種です。

 装置一式は20kg程度で、三脚でどこでも簡単に設置でき、違反車をその場で撮影。後日ナンバーから、登録されたドライバーを呼び出す方式をとっているため、ネズミ捕りのように、通称「サイン会場」に呼び込んで違反切符を切るためのスペースも不要です。

 しかもこの機種は、これまでのレーダー光ではなく、レーザー光で計測するため、従来のレーダー探知機では検知できず、ドライバーにとっては脅威のオービスとなったのです。

 2017年から試験的に導入され、いまでは全国で稼働。市街地の生活道路や通学路における重大事故の発生抑止が目的で、最高速度を30km/hに規制した「ゾーン30」区間などでも設置しています。

 そのため、これまでオービスの取り締まりの対象だった一般道の速度超過30km/h以上、高速道路での同40km/h以上という赤切符だけでなく、比較的軽い違反の青切符も対象になったため、同15km/h未満の検挙数が急増したのです。

 オービスは1970年代後半に肖像権の侵害などが問題視され、1980年の東京簡裁の判決から一般道では超過30km/h以上、高速道路等では40km/h以上が検挙の対象となり、さらにはおとり捜査に類似するとの批判から、「自動速度取締器設置路線」などの警告看板を設けることになりました。

 しかし、今回の移動式オービスでは警察官が立ち会うなどの理由と、もともと警告看板の設置に法的な定めがないことから、愛知県警察のように「予告標識を設置せずに取り締まりを実施する」と公言する県もあるのです。

■新型オービスに対応する探知機が続々登場

 移動式オービスは、従来のレーダー探知機では探知できないレーザー光で計測し、告知看板もないことから、事前に設置場所を知るためには、GPS付きのレーダー探知機に登録されている取り締まり情報を確認するしかありませんでした。

 しかも最近では、移動式オービスによる取り締まりは市街地だけでなく、バイパスや高速道路でも目撃されています。

レーダー探知機レーダー探知機

 神出鬼没の移動式オービスですが、じつはカー用品店では、最新のレーザー方式対応の探知機が、すでに多数並んでいます。カー用品店スタッフに聞いてみました。

「最近まで探知機を付ける人は減っていました。これまでのオービスはほとんど固定式だったので、場所を覚えてしまうとレーダー探知機も必要なかったからです。

 ところがレーザー式移動オービス対応の機種が出たことで、すでに付けている人はグレードアップで買い替えたりしています。

 昔の探知機は電波を拾うだけでした。いまも電波を探知するのは同じですが、レーダー波を使わない取り締まり機もあります。そうした取り締まり機に対応するのが、GPSで自車の位置を確認し、探知機に登録されているデータを画面で知らせるモデルです」

 最近の探知機は、まるでカーナビのようなスタイルです。GPS機能付きでカーナビにもなったり、ドライブレコーダーと連動できるモデルもあり、昔のような音とランプの点滅で警告するだけのレーダー探知機からは想像もできないほど進化しています。

 電波を使わず道路に埋め込んだコイルを使った取り締まり機に、ループコイル式と呼ばれる「LHシステム」があります。どちらも固定型で高速道路や幹線道路に設置されていますが、探知機では感知できません。

 各メーカーの上位モデルの探知機には、オービスのデータが16万件から19万件、取り締まりや検問のデータも5万件以上内蔵され、データは更新することもできます。

「レーダー探知機もパソコンやスマホと同じように、定期的に新しいものに変える必要があります。古い探知機では反応しない取り締まり機器が多くなっているからです」と前出のカー用品店スタッフはいいます。

 人気のモデルは、各メーカーのレーザー対応型最新モデルで価格は2万5000円から3万円程度。ダッシュボードの上に固定するスタンダードタイプや、ルームミラーにかぶせるワイドミラーと一体になったミラータイプなどがあります。

 工賃は普通車で5000円程度、作業は1時間から2時間で済むそうです。音声とランプで警告する昔のタイプでは、太陽光が電源となるソーラータイプが主流でしたが、現在はシガーソケットタイプが一般的です。

 シガーソケットタイプだとシガライターに差し込むだけで作動しますが、ショップでは裏取りと呼ばれるバッテリーにつなぐ処理をおこなっています。効率よく、そしてきれいに仕上げるなら、取り付けはショップなどにお願いしたほうがよさそうです。

 スタッフにレーダー探知機の役割をうかがいました。

「本来はスピードを出さなければ必要のない商品です。しかし、うっかりスピードが出てしまうことがあります。たとえば30km/h制限の標識を見落としていても、探知機には親切な設定があって30kmkm/h制限の道路に入ったことを音声で教えてくれたり、画面でも確認することができます。未然に違反を防ぐ保険のようなものでしょうか」

※ ※ ※

 レーダー探知機が出始めた頃、1980年代は街中の自動ドアのレーダー波に探知機が反応してしまい、常にピロピロと警報を鳴らしていましたが、現在は多様なレーダー波や最新のレーザー光を探知します。

 最近は、カラフルなディスプレイが採用され、GPS受信機能付きが主流となっているほか、エンジンの状態や燃費などをチェックできる機能が搭載されるなど、レーダー探知機も進化し続けています。

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