七夕にマツダ「RX-7」が大集合! 歴史的ロータリー車が自然発生的に集まったワケ
くるまのニュース / 2020年7月14日 7時10分
7が連なる毎年7月7日には、マツダのスポーツカー「RX-7」のオーナーが、申し合わせたわけでもなく大黒PAやアクアラインの海ほたるに何十台も集まるといいます。この自然発生的なムーブメントは、インターネットが普及する前から起きていたというのですが、いったいどのような経緯で集まり始めたのでしょうか。
■集会でもオフ会でもない。どこからともなく“セブン”が集まる日
7が連なり“セブンの日”と呼ばれる毎年7月7日、そしてその前後の週末には、7にちなみ全国各地でマツダ「RX-7」やロータリー車が集まるイベントが開催されています。
そしてクルマ好きの聖地として、いまや世界にその名を知られるようになった大黒PAやアクアラインの海ほたるPAでは、7月7日に自然発生的に“セブン乗り”(RX-7オーナー)が集まることがもう20年以上も続いています。始まった経緯とはどのようなものでしょうか。
RX-7とは、マツダが1978年から2003年まで製造していた純国産ピュアスポーツカーで、世界中のクルマのなかでも極めて珍しい、ロータリーエンジンを搭載していたモデルです。
RX-7の名前が付くのは1878年から2003年に販売されていた3つのモデル(SA型→FC型→FD型)で、発売時期および歴史は次のとおりとなります。
・1978年3月 サバンナRX-7発売(SA22C)
・1985年9月 サバンナRX-7フルモデルチェンジ(FC3S)
・1987年8月 サバンナRX-7カブリオレ追加(FC3C)
・1991年12月 アンフィニRX-7発売(FD3S)
・2002年8月 生産終了
RX-7の販売が終了したあとは、同じくロータリーエンジン搭載の「RX-8」が2003年3月に発売となり、2012年6月まで生産されていました。
※ ※ ※
セブンの日当日、17時頃に大黒PAに行ってみましたが、すでに50台から60台ほどのRX-7が停まっていました。
車種はいろいろで、初代RX-7(SA型)から、2代目となるRX-7(FC型)。FC型のカブリオレモデルもあります。しかしRX-7の名前が付く最後のモデルとなったRX-7(FD型)が、台数としては圧倒的に多い印象です。
この集まりはいつからどのようにして始まったのでしょうか。10年前から毎年訪れているRX-7オーナーに聞きました。
「参加というよりは、フラッと立ち寄る感じですね。主催者がいるわけでもないので集会やオフ会といえる集まりでもないし。
長時間駐車でほかに停めたい一般のクルマに迷惑を掛けないように、混雑しているようであれば、大黒に行くのは自粛しようというクルマも増えています。
過去3年、金・土・日と7月7日が週末だったので集まるクルマも多かったようですが、2020年は火曜日で駐車スペースも全体の半分くらいは空いていましたね」
オーナーの方々に話を聞くと、「今年初めて来てみました」という人もいれば、「今年で3回目です」という人や「10年前から」という常連も。
さらに探してみると、なんと25年近く前から来ているというオーナーも何人かいました。
千葉県在住のショウさんもそのひとりです。ショウさんはこれまで歴代のRX-7(SA型の初代、SA型のターボ、FC型の2代目、FD型の3代目)をすべて所有してきた、筋金入りのセブンオーナーです。
そして、現在は「RX-3」(日本名:サバンナGT)と、映画「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」で世界的に有名になったヴェイルサイドRX-7 フォーチューンの2台を所有しています。
ちなみにRX-3は、子どもの頃にお父様に連れられて出かけたサーキットで走りを見て「いかにも速そうなスタイルではないのに、240(フェアレディZ)よりも速くてびっくり!」というロータリー原体験があって、大人になって中古車雑誌で見つけたRX-3を当時(1990年)格安で購入したそうです。
ロータリーにハマるきっかけとなったクルマでもありました。
■ 横浜ベイブリッジ開通後間もない頃から集まっていた?
ショウさんいわく、「1995年頃、RX-7のチューニングショップの人から、『大黒PAで毎年7月7日にセブンが集まってるんだよ』という話を聞きました。その時点で、少なくとも2年から3年ほど前から集まっていたのでしょう。
最初はRX-7やロータリー車の専門店が中心となって呼び掛けていたようですね。当時はまだスマホはもちろん、インターネットすら一般にはほとんど普及していませんでしたから」
1989年に横浜ベイブリッジが開通し、同時に大黒PAがオープンして2年から3年経った頃から、すでに「セブンの日」はあったのかもしれません。
7月7日の“セブンの日”に集まったクルマたち
もうひとり、1990年代終わりの頃から何度か訪れている3代目RX-7(FD)を所有する静岡県在住のKさんは、近年のセブンの日の傾向を以下のように話してくれました。
「昔は直管マフラーを付けたクルマなども多かったですけど、最近は改造車もずいぶんと穏やかになりました。セブンオーナーは、ホントにクルマが好きでロータリーが大好きな人ばかりですから、世代に関係なくいろいろな話ができて楽しいですよ。
若い人も礼儀正しい方が多くて、マナーを守っていますね。
派手な改造車のように見えても、ほとんどは公認(構造変更)車検を取っていますから、違法改造ではありませんし」
セブンの日はセブンオーナー以外にも国産スポーツカーファンの間でも人気で、この日は日産のR32型・R33型・R34型「スカイラインGT-R」やトヨタのAE86型「トレノ」/「レビン」、ホンダ「シビックタイプR」など、1980年代から1990年代の人気車も多く見かけることができました。
セブン以外の歴代ロータリー車も多数訪れており、マツダ「ルーチェ」やユーノス「コスモ」、新しいところではマツダ「RX-8」など、皆さん仲良く、和気あいあいとロータリー談義、スポーツカー談義に花を咲かせていました。
また、アメリカでも大人気のRX-7。横須賀米軍基地の軍人さん所有のYナンバーを付けたRX-7も数台見られました。
ところで、セブンの日に集まったRX-7たち。7にちなんだ希望ナンバーはどれくらいあったでしょうか。
大黒PAと海ほたるに停まっていた約70台のナンバーを調べてみたところ、およそ6割が「7」に関連するナンバーでした。やはり、ひとケタの「7」が圧倒的に多く、「77」が2台から3台ほど、といったところでした。
ナンバーといえば、少なくとも20年以上は大切に乗られてきたであろう、横浜35や所沢34など、2ケタナンバーを付けたセブンも10台以上停まっていました。
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