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時代を先取った名車の数々! 100年企業スズキの軽自動車5選

くるまのニュース / 2020年7月16日 6時10分

スズキは2020年3月15日に創立100年を迎えました。4輪自動車の販売を始めてからは65年が経ちますが、その間に数々の名車を世に送り出しています。そこで、スズキがこれまでに販売した軽自動車のなかから、エポックメイキングな名車を5車種ピックアップして紹介します。

■スズキが販売した軽自動車の名車を振り返る

 2020年3月15日に、スズキは創立100年という大きな節目を迎えました。同じくマツダも2020年1月30日に創立100年を迎えており、100周年特別仕様車やグッズ販売などをおこなっていますが、スズキはシンプルに特設ホームページの公開にとどまっています。

 スズキは1920年に自動織り機の製造から始まり、1952年からオートバイ製造、そして1955年には初の4輪自動車「スズライト」を発売しました。スズライトは日本初の本格的な軽自動車として誕生し、現在まで続く軽自動車の基礎となったモデルです。

 その後、スズキは軽自動車と小型車を主軸に自動車製造を続け、現在に至りますが、これまで数多くの名車といわれるモデルを世に送り出してきました。

 そこで、スズキがこれまでに販売した軽自動車のなかから、エポックメイキングな名車を5車種ピックアップして紹介します。

●ジムニー

軽自動車で唯一無二の存在として誕生した初代「ジムニー」軽自動車で唯一無二の存在として誕生した初代「ジムニー」

 国産の本格的な量産クロスカントリー4WD車の源流は三菱「ジープ」ですが、軽自動車の4WD車といえば世界に誇れる名車「ジムニー」があります。

 初代ジムニーは、1970年に誕生。ジムニーの前身にはホープ自動車の「ホープスター」がありましたが、基本的なメカのレイアウト以外はスズキが独自に開発しています。

 ボディは別体のラダーフレームに架装されるかたちで、同社の軽トラック「キャリイ」の空冷2サイクル360cc2気筒エンジンを搭載。

 最高出力はわずか25馬力でしたが車重600kgと軽量な車体だったことと、2サイクルエンジンならではの低回転域から粘りのあるトルクが出る出力特性により、街中や山道では十分なパワーでした。

 サスペンションは頑丈なリーフスプリング(板バネ)を前後に採用したリジッドアクスルで、乗り心地よりも信頼性を重視しています。

 トランスミッションは4速MTのみで、2WDと4WDの切り替えは手動でおこなうパートタイム式とし、16インチの大径タイヤにより高い悪路走破性を実現。

 この高い悪路走破性から土木現場や林業、山間地の荷物運搬など、さまざまな状況下でプロの道具として高い評価を得るとともに、手軽にアウトドアを楽しめる4輪駆動車として、一般ユーザーにも好評を博しました。

 現行モデルは2018年に発売された4代目で、日本のみならず欧州や南米、アジア圏などでも販売されるなど、軽自動車ながら(海外仕様は「ジムニーシエラ」がベース)本格的なグローバルカーとなっています。

●フロンテクーペ

他に類を見ないほど洗練されたデザインの「フロンテクーペ」他に類を見ないほど洗練されたデザインの「フロンテクーペ」

 スズライトから始まったスズキの軽自動車の系譜ですが、1962年に乗用車モデルが「スズライトフロンテ」に枝分かれし、1967年に「フロンテ」として独立した車名になりました。

 1970年発売の3代目フロンテは、シャープでスタイリッシュな2ドアファストバックセダンに生まれ変わり、そして1971年には、高出力なエンジンを搭載した軽自動車初のRRスポーツカー「フロンテクーペ」が登場。

 フロンテクーペのデザインは、それまでにも交流があった巨匠ジウジアーロの原案がベースで、低いフロントノーズと傾斜したフロントガラスからリアまで流れるように続くルーフラインが特徴です。

 それまでの軽自動車にはないスポーティなフォルムに加え、デビュー時は2シーターのみとされ、内装もタイトなコクピットにローバックタイプのバケットシート、インパネには6連メーターが設置されるなど、スポーツカーらしさを強調。

 最高出力37馬力を絞り出す3キャブレターの360cc2サイクル直列3気筒エンジンは、刺激的な音とフィーリングで、見た目だけでなく走りも間違いなくスポーツカーといえました。

●アルト

47万円という衝撃的な価格を引っさげてデビューした初代「アルト」47万円という衝撃的な価格を引っさげてデビューした初代「アルト」

 1976年に軽自動車規格が大きく変更されました。それまで360ccだった排気量は550ccへ拡大し、ボディサイズも全長3200mm×全幅1400mm×全高2000mmが上限となり、居住性と安全性が向上。

 この新規格に対応したモデルの発売が一段落した1979年に、初代アルトが登場しました。

 当時の税制では軽商用車には物品税が課せられなかったことと、4人フルに乗る機会が少ないという調査により、アルトはリアシートがミニマムの商用車として販売。

 さらに、装備もとにかくシンプルにすることで徹底したコスト削減をおこない、価格は47万円からという驚異的な低価格を実現。

 当時のライバルであった三菱「ミニカ」が54万5000円からでしたから、アルトの価格は相当なインパクトがありました。

 また、排出ガスの規制値が緩い商用車としたことで、従来から製造していた550cc直列3気筒2サイクルエンジンを搭載したことも、大きなコスト削減のひとつです。

 ほかにもコストダウンの手法として、質素なグレー塗装が施されたスチール製バンパーの採用や、助手席にはドアキーシリンダー(鍵穴)を装備せず、ウインドウ・ウォッシャーは手動式ポンプという徹底ぶりでした。

 1981年に軽商用車にも2%の物品税が課せられるようになると、非課税の2シーターモデルを廉価グレードとして投入し、47万円の車両価格を維持するなども驚くべき点です。

 FFを採用したことで室内空間を広くし、低価格でありながら移動手段としては必要にして十分なアルトは、大ヒットしました

■究極の性能や、現在の軽自動車のスタイルを確立した先駆者とは!?

●アルトワークス

550ccながらも64馬力を誇った高性能モデルの先駆者、初代「アルトワークス」550ccながらも64馬力を誇った高性能モデルの先駆者、初代「アルトワークス」

 1979年に日産が国産初のターボエンジンを搭載した「セドリック/グロリア」を発売すると、1980年代には空前のターボブームが起こります。

 当初は大型車、中型車にターボエンジンが搭載され、1リッタークラスの小型車にも普及が始まり、そして1983年に三菱「ミニカアミ55」が軽自動車初のターボエンジンを搭載。

 その後、スズキも追従するように1985年に「アルトターボ」を発売し、軽自動車のパワー競争が始まります。

 軽自動車が日常の足としてではなく高性能化が進むと、1987年に軽自動車初となるDOHCターボエンジンを搭載した「アルトワークス」シリーズを発売。

 エンジンは550cc直列3気筒DOHCターボで、最高出力は64馬力を発揮。これがきっかけで軽自動車の出力自主規制の上限となります。

 バリエーションはビスカスカップリング式センターデフを採用したフルタイム4WDの「RS-R」と、2WDの「RS-S」、「RS-X」の3種類で、まだ装備が簡素な時代なため2WD車は610kgほどと超軽量でした。

 アルトワークスの登場によって他社も刺激され、三菱は国産4輪車初の5バルブエンジンを搭載した「ミニカ ダンガンZZ」、ダイハツは「ミラTR-XX EFI」と、次々に64馬力を達成した軽自動車を発売。

 その後もモータースポーツを舞台に、高性能化が加速していきました。

●ワゴンR

現在に続く軽自動車の主流となるスタイルを確立した初代「ワゴンR」現在に続く軽自動車の主流となるスタイルを確立した初代「ワゴンR」

 軽自動車は日本独自の規格として進化していきましたが、限られたサイズのなかで安全性と居住性を両立させなければならないという歴史でもありました。

 そこで、全高を高くするのが居住性向上のひとつの手として、ワンボックスバンをベースにした乗用タイプのモデルが登場すると、リアにスライドドアを装備して室内も広く、使い勝手が良いモデルとしてヒットします。

 しかし、ボディ形状は商用バンのイメージが色濃く残っており、軽自動車の主流にはなりえませんでした。

 そうしたなか、1993年に「ワゴンR」が発売されると、軽トールワゴンという新たなジャンルが確立され、革新的なモデルとして大ヒットします。

 外観は当時高い人気を誇っていたミニバンをコンパクトにしたようなスタイルで、左側が2ドア、右側が1ドアと左右非対称なヒンジドアのつくりがワゴンRならではの特徴でした。

 当時、軽自動車は女性ユーザーが多いというイメージが定着していましたが、初代ワゴンRは男女問わず人気を博し、各社が追従して同様なモデルを発売。

 現在はトールワゴン、ハイトワゴンが軽自動車の主流であり、日本でもっとも売れるクルマとなりました。

※ ※ ※

 前述のとおり、軽自動車は日本独自の規格です。しかし、これまで海外でも販売されてきた実績があります。

 また、現行モデルの8代目アルトは、パキスタンで日本仕様と変わらないサイズ、エンジンで生産・販売がおこなわれています。

 新興国向けのエントリーモデルとしてならば、軽自動車も海外で活躍するシーンがもっとあるかもしれません。

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