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環境対策に効果あり? アイドリングストップ機能のメリット・デメリットとは

くるまのニュース / 2020年7月28日 11時10分

燃料消費と排出ガスを減らすためのアイドリングストップ機能ですが、実はデメリットも存在し、「アイドリングストップキャンセラー」を装備するユーザーも増えています。そもそもアイドリングストップには、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

■アイドリングストップのメリット・デメリットは?

 アイドリングストップ機能は、赤信号や渋滞などで停車した際に、自動でエンジンが停止される機能で、ブレーキを緩めたりハンドルを動かすことでエンジンが再始動し、再発進することが可能となります。

 メリットは、停車時には自動でエンジンが停止されるため、無駄な燃料を消費せずに燃費が良くなる点です。

 燃料費や補給の手間を削減できることは、ドライバーにとって大きな利点といえるでしょう。

 また、停止中はエンジン音がしないため、騒音が軽減されて近隣住民などに迷惑をかけることもありません。

 さらに、排出ガスの削減にも効果があります。

 クルマの排出ガスには二酸化炭素をはじめとするさまざまな化学物質が含まれており、地球温暖化などの環境破壊を生み出す一因とされています。

 環境省によれば、仮に東京都に登録されている約400万台のクルマが毎日10分ずつアイドリング時間を短縮すると、年間でドラム缶約100万本分と同等の約20万キロリットルの燃料と、5万人の人間が1年間に排出する量と同じ、約13万トンもの二酸化炭素排出量が削減できるそうです。

 近年は環境への配慮からハイブリッド車やEV車が続々と登場していますが、アイドリングストップはガソリン車でありながら環境への影響を配慮できる優れた機能といえるでしょう。

 これらのことから、アイドリングストップ機能は、燃費や環境に及ぼすメリットが大きく、多くのクルマに採用されているのです。

 しかし、そんなアイドリングストップにもデメリットが存在します。

 まず、一般的にアイドリングストップはバッテリーの消耗が激しいため、アイドリングストップ搭載車には専用のバッテリーが備えられているのですが、このバッテリーは通常のものと比べて1.5倍から2倍という価格から、交換にかかる費用も通常のバッテリー交換より高額になる可能性が高いため、万が一交換となった際には多額の費用がかかってしまいます。

 また、停止したエンジンの再始動に時間を要することや、その際に振動が生じる点も渋滞時などに事故の原因となるため 、デメリットといえます。

 ある警察署の交通課職員は、以下のように話します。

「近年はだいぶ減ってきてはいますが、アイドリングストップが原因による事故は、コンスタントに発生しています。

 具体的には、停車しているドライバーが発進時に慌ててアクセルを踏みすぎてしまうケースや、発進のタイミングがズレたことで後方のクルマが追突してしまうケースなどが代表的です。

 また、これらの事故は初心者ドライバーに限った話ではなく、アイドリングストップ機能に慣れているドライバーも実際に起こしています。

 速度が出ていないため、大きな事故には発展しにくいものの、むち打ちなどのケガのリスクがあるほか、複数台を巻き込む玉突き事故を誘発することもあるので、慣れているからといって注意を怠るのは大変危険です」

 以上のことから、意図的にアイドリングストップ機能をオフにするユーザーもいるようです。

 通常、機能をオフにするには、エンジンを始動する度にキャンセルスイッチによる操作をおこなわなければなりません。

 しかし、「アイドリングストップキャンセラー」と呼ばれる装置を搭載すれば、毎回キャンセル操作をする必要がなくなるのです。

■アイドリングストップキャンセラーは車検に対応?思わぬデメリットとは

 アイドリングストップキャンセラーは、カー用品店やネット通販で2000円から8000円程度で購入でき、それぞれ対応したモデルにのみ装着可能です。

 しかし、後付け装備で不安になるのは車検に通るかどうかでしょう。アイドリングストップキャンセラーは、法律的に問題はないのでしょうか。

渋滞中にアイドリングストップをするイメージ渋滞中にアイドリングストップをするイメージ

 首都圏にあるトヨタ販売店スタッフは、以下のように話します。

「確実とはいい切れませんが、おおむね問題ないでしょう。

 しかし、都道府県が定めるアイドリングストップ条例に違反してしまう可能性があることや、配線を切断していれば買い取り時の査定額に影響を及ぼすことから、推奨はできません」

 アイドリングストップ条例とは、大気汚染や騒音、悪臭、地球温暖化を防止する観点から、自動車やバイクなどのアイドリングを禁止するという内容で、多くの都道府県で定められています。

 例えば東京都では、コンビニなどで買い物をしているあいだや駅前などで人を待つあいだ、荷物の積卸しや荷待ち、工事待ちなどをしているあいだや休憩をしているあいだ、冷暖房のため、といった状況下でのアイドリングは禁止されており、違反した場合は必要な措置をとるように勧告されるほか、従わない場合は違反者の氏名などを公表すると定められています。

 また、一部の製品では配線を切断する必要があるため、買い取り時の査定額にも影響を及ぼすというデメリットがあるようです。

 では、その影響はどの程度なのでしょうか。ある中古車販売店スタッフは、以下のように話します。

「車種にもよりますが、アイドリングストップキャンセラーが装備されていたからといって、数十万円も査定額に差が出ることはないでしょう。

 しかし、高級車であれば数万円、場合によっては十万円以上の差が出る可能性はあるかもしれません」

※ ※ ※

 アイドリングストップ機能とアイドリングストップキャンセラー、どちらにもデメリットは存在します。

 そのため、燃費や騒音対策、条例や査定額など、さまざまな内容を考慮しながら、アイドリングストップ機能の必要性を考えることが重要です。

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