因縁の対決に終止符!! 「カウンタック」vs「BB」、オークションで決着をつける!

くるまのニュース / 2020年7月28日 19時10分

スーパーカーブーム時代のあこがれの2台といえば、フェラーリ「512BB」とランボルギーニ「カウンタック」であった。いまこの2台は、オークションでどれくらいの価格で落札されているのだろうか。

■スーパーカーブーム時代から続くライバルをオークションで対決

 1970年代中盤に日本を熱狂させたスーパーカー・ブームといえば、その時の主役はフェラーリ「512BB」と、あえて当時のままの表記とするならばランボルギーニ「カウンタック」の両車であったように思う。

 そのいずれもがアピールしていたのは、当時の日本では想像することすらできない最高速とそれを可能にする高性能なエンジン、そして前衛的な美しさにほかならなかった。

 スーパーカー・ファンがBB派とカウンタック派に分かれ、いつ尽きるとも分からぬ話に熱狂していた時代は、今も懐かしい。

カウンタックはアップデートを重ねる度にエアロパーツなどが装着されていき、派手になっていく傾向にあった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sカウンタックはアップデートを重ねる度にエアロパーツなどが装着されていき、派手になっていく傾向にあった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 その時代の再来のようなオークションが、RMサザビーズ社の「ザ・ヨーロピアン・セール・フューチャリング・ザ・プティジャン・コレクション」で実現した。

 ちなみにこのオークションに出品されたBBは、1974年式の「365GT4BB」と1977年式の「512BB」、そして1984年式の「512BBi」のBBの全世代を網羅する3台。

 一方のカウンタックは、1979年式の「LP400S」と1984年式の「LP500S」に加えて、レプリカながら、あたかも芸術品の如きスペースフレームまでが出品されている。

 同年代にフェラーリとランボルギーニを支えたフラッグシップモデル。現在の市場での評価や人気は、このオークションである程度、その傾向はつかめそうだ。

 最初にステージに姿を現したのは、ロット・ナンバー177のカウンタックLP400S。カウンタックとはイタリアのピエモンテ地方の方言で、驚きを意味する言葉であるとはよく知られるところだが、RMサザビーズはそれを、ピエモンテの男性が美しい女性に視線を送るために使用されるフレーズなのだと説明。

 確かに、かのマルチェロ・ガンディーニによる流麗なエクステリアデザインを見れば、そのような粋な解釈も間違いではないと思える。

 走行距離はわずかに1万3800km。33年間をドイツの元F1ドライバー、マルセル・プチジャンが所有するプチジャン・コレクションで過ごしたLP400Sのコンディションは素晴らしく、それがLP400Sの中でも50台のみが生産されたファーストモデルであるという価値を考えても落札価格が相当な高値になることは十分予想された。

 実際の落札価格は45万1000ユーロ(約5500万円)。ただしメカニカルなパートは、これまでほとんど走行していなかったためメンテナンスが必要。あくまでもコンディションの素晴らしいレストアのベース車と考えるのが妥当なところだろうか。

 もう一方の1984年式LP500Sは、ロット・ナンバー375で登場した。搭載エンジンをそれまでの4リッターから5リッターにまで拡大したことが、もっとも大きなトピックスだ。

 このモデルは新車でのデリバリーから、わずかに1万4814kmの走行距離が刻まれたもの。ファイバーグラスのホイールフレアーは15インチ径のタイヤを収め、さらにカウンタックらしい精悍な外観を演出する。生産台数は323台と記録されている。

 落札価格は29万7000ユーロ(約3600万円)。落札者としてもまずは満足できる価格だったに違いない。ちなみにスペースフレームのレプリカは1万500ユーロ(約126万円)。熱狂的なランボルギーニのファンならば、十分に触手が動く値段での落札といえた。

■フェラーリ「BB」のどうして人気がいまひとつなのか?

 カウンタックの人気とは対照的に、今回のオークションでなかなか理想的な結果が出なかったのが、積年のライバル、フェラーリのBBシリーズだ。

スーパーカー然とした外観とは裏腹に、グランドツアラーとしての性格が強かったBBシリーズ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sスーパーカー然とした外観とは裏腹に、グランドツアラーとしての性格が強かったBBシリーズ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 オークション・マーケットでのフェラーリは、一時驚くほどの高騰を見せたが、その傾向も落ち着きを見せ、現在では特に歴史的なバリューのあるモデルが、年に数回大きな話題を提供してくれる程度だ。

 今回もその傾向は変わらなかった。BBシリーズは、フェラーリのファンにはお馴染みのとおり、「365GTB/4(デイトナ)」と、「テスタロッサ」の両世代の中間を受け持ったモデル。BB(ベルリネッタ・ボクサー)という愛称は、搭載される180度V型12気筒エンジンを意味する(実際にはボクサー・エンジンではないが)。

 それが誕生した時代もまたBBにとっては不運だった。年々厳しくなる排出ガス規制によって、リアミッドのV型12気筒エンジンはモデルチェンジのたびにパワーを失い、ファーストモデルの365GTB4BBで380psあったパワーは、続く512BBでは360psに、最終モデルの512BBiでは340psにまで抑えられてしまったのだ。

 それでは今回のオークションのリザルトはどうだっただろうか。まず登場した1984年式の512BBiは、1万8780マイル(約3万km)の走行距離で19万8000ユーロ(約2400万円)で落札。オンライン・オークションということで、コンディションは画像で判断するほかはないが、画像を見る限り十分に良好なクオリティを保っている。

 続く1977年式の512BBは、RMサザビーズによる予想落札価格が22万から26万ユーロと提示されていたが、入札価格はそれには届かなかった。

 1974年式の365GTB4BBは、フェラーリが23番目に製作したモデルだ。最初のオーナーはF1ドライバーのジャン・ピエール・ジャブイユ。ジャブイユはそれから30年近くこのBBを保管していたが、2005年に売却。新オーナーは実に14万5000ユーロ(約1740万円)以上をかけて、さまざまなスペシャリストにレストアを依頼したという。それから現在までの走行距離は3000kmだ。

 これぞまさに、1970年代スーパーカーの象徴的存在だろう。この365GTB4BBを見た者は、誰もがそう感じるに違いない。

 ピニンファリーナのレオナルド・フィオラバンティのチームによってデザインされたボディは、あたかも空気の壁を切り裂くかの如く鋭利なシルエットを持ち、カウンタックとの対比においても、その魅力は一切劣ることはないだろう。BBは必ずやまた、スーパーカーのマーケットで注目を集める存在になると確信した。

 参考までに今回の365GTB4BBの落札価格は、27万5000ユーロ(約3300万円)。2020年のいま、オークションではカウンタックの方がバリューある値がついているが、あるいはこの先、BBシリーズには大きな値上がりのチャンスが待っているのかもしれない。

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