韓国SUVがガチでカッコイイ!? 東南アジアで日本車より人気なワケとは
くるまのニュース / 2020年7月27日 10時10分
東南アジアには日本をはじめとした多くの国のブランドが進出していますが、最近では韓国車の人気が高くなっています。なぜ、韓国車に人気が集まっているのでしょうか。
■「品質が高いから日本車を選ぶ」は過去の話?
東南アジアでは各国のさまざまなメーカーのクルマが販売されていますが、近年はコストパフォーマンスの高さから、ヒュンダイ「ツーソン」やキア「セルトス」といった韓国のSUVが人気を集め、価格や装備ではライバル車種よりも充実した内容となっています。
もともと東南アジアの国々では未舗装路や不整地が多く、雨季には大量の雨によって道路が冠水するなどの影響もあることから、車高の高いクルマにニーズがありました。
こうしたクルマのなかには、いわゆる「クロスカントリービークル」と呼ばれる本格的なオフロード性能を持つクルマがありますが、こうしたクルマはラダーフレームという特殊な構造からコスト面で不利であり、また、燃費よりも走行性能が優先されることから、日常的に使うには不便な場合が少なくありません。
一方で、SUVは一般的な乗用車と同じモノコックフレームという構造を持ち、エンジンも乗用車と同じものを搭載することから、コスト面や居住性、燃費性能に優れています。
近年は東南アジアにおいても舗装路が増え、道路交通網が整備されつつあり、クロスカントリービークルでなければ通れない道は少なくなりつつあるようです。
一方で大雨による冠水などの影響から依然として車高の高いクルマが求められていることから、居住性や燃費性能に優れるクロスオーバーSUVは東南アジアの道路事情にマッチした車種といえ、そのなかでも韓国車は価格面と装備面で充実しているため、人気を集めているのです。
※ ※ ※
ヒュンダイは韓国最大の自動車メーカーとして現在は世界193か国に展開し、傘下には同国2位の「キア」などのブランドを展開。
グループ全体の販売台数ではアメリカ「ゼネラル・モーターズ」を抜き世界第5位となる規模で、東南アジア以外でも販売台数を伸ばしています。
ジェトロ(日本貿易振興機構)によれば、2017年にオーストラリアでトヨタ、マツダに次ぐ3位の販売台数を誇り、2018年にはインドでスズキに次ぐ2位のシェアを握るまでに成長しています。
自動車メーカーが多く存在する日本では、輸入車は嗜好品としての性格が強く「高品質な高級車」として扱われることが多くありますが、世界を見ると自国で自動車メーカーを持たない国のほうが多く、現地生産車も含めて、とくに東南アジアではほとんどのクルマが「輸入車ブランドのクルマ」です。
そうした国々において、韓国車は「輸入車」でありながらも、まるで現地メーカーのクルマのように現地の人々のニーズに合わせたクルマを展開しています。
日本では馴染みの薄い韓国車ですが、欧米はもちろん東南アジアでも日本車と競合するライバルとなっています。
■日本車との価格差は現地価格で約100万円
日本車と比較すると、その価格差がはっきりとあらわれます。フィリピンでは、トヨタが現地で販売するSUV「フォーチュナー」の最上級グレードが230万1000ペソ(約496万円)に対して、韓国のSUVであるヒュンダイ「ツーソン」は最上級グレードが188万5000ペソ(約400万円)と、約100万円もの開きがあります。
同じく韓国車ブランドの「キア」から販売されているSUV「セルトス」は、最上級グレードでも150万5000ペソ(約325万円)、エントリーグレードは109万8000ペソ(約236万円)からと、ツーソンよりもさらに低い価格設定となっています。
セルトスに近いボディサイズのクルマとしてマツダ「CX-30」がありますが、フィリピンでの価格はエントリーグレードでも149万ペソ(約320万円)となり、やはり約100万円もの差があります。
東南アジアや欧米で人気が高まっているヒュンダイ「ツーソン」
また、マレーシアではトヨタ「C-HR」が販売されていますが、価格が14万4336リンギット(約363万円)からであるのに対して、ツーソンは12万3888リンギット(約312万円)からなど、そのほかの国でも大きな価格差が存在。
装備面で比較すると、フォーチュナーの下位グレードではヘッドライトが昔のクルマのようなハロゲンランプであるのに対し、ツーソンは全グレードにプロジェクターヘッドライトを採用しています。
さらに、リアバンパーには駐車用のパーキングセンサーも標準装備され、オートワイパー、坂道発進用ブレーキ、車速に対応した自動ドアロック、自動調光ルームミラー、ワイヤレス携帯充電器など、非常に充実しています。
価格面や装備面、そして現地ニーズに合わせた車種展開によってシェアを伸ばしている韓国車は、今後も日本車にとって無視できないライバルであるといえるでしょう。
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