燃費なんて関係ない!? レクサス最強SUV「LX」 気になる実燃費はどれほどか?

くるまのニュース / 2020年7月24日 16時10分

国産車のなかで、もっとも燃費が悪いとされるのがレクサスの最上級SUV「LX」です。5.7リッターの大排気量に2.6トンの車重という大きなボディが影響しているものと思われますが、実際の燃費はどれくらいなのでしょうか。高速道路やワインディング、一般道を走って、燃費を測定してみました。

■国産車でもっとも燃費が悪い…レクサス「LX」

 数ある国産車のなかでも、レクサスの最上級SUV「LX」の燃費性能はとくに気になるところです。なぜなら、カタログに記載されている燃費の値が6.5km/Lと、国産車でもっとも優れていないからです。

 この記載値はJC08モードによるものですが、JC08よりも数値が悪くなる傾向にある新しい燃費計測方法「WLTCモード燃費」をカタログに記載している車種においても、数値が6.5km/Lを下回る国産車は見あたりません。

 カタログでは分からないLXの実燃費はどれほどのものなのでしょうか。実際に計測してみました。

 試乗ルートは市街地、高速道路(平たん+登り)、峠道、そして高速道路(平たん)と4パターンにわけてそれぞれの燃費を計測。それぞれの区間燃費とともに、状況を報告します。

 LXは、レクサスの最高峰となるラグジュアリーSUVです。全長5mを超える堂々としたボディは、トヨタ「ランドクルーザー」と共用しつつ、スピンドルグリルの採用など、レクサス独自の味付けを施しました。

 エンジンは日本仕様のランドクルーザーよりも大きな5.7リッターV型8気筒を搭載。377馬力を誇るこの大きなエンジンが、燃費を悪化させている理由のひとつです。

 また、車両重量が、今回テストした2列シート車で2680kg、3列シート車では2730kgとかなり重量級なのも燃費への影響が大きいと思われます。

 燃費を計測した当日の天気は晴れ、山岳区間の一部では雨が降っていました。気温は車両の温度計で17度から33度とやや高めで、エアコンはオートで25℃に設定。

 走行モードはコンフォートとし、高速道路は制限速度を守り、一般道は周囲の流れに従って走るように心がけました。

 それではセクションごとの状況を見ていきましょう。

●市街地

走行距離:13.2km
実燃費:4.9km/L

 まずは市街地区間として、東京都世田谷区を東西に貫く世田谷通りを中心に13.2km走りました。片側1車線の一般的な「街中」といえる道です。

 通勤や帰宅のラッシュではない時間帯だったので流れはスムーズでしたが、市街地だけあって信号によるストップ&ゴーはかなりの頻度でした。

 4.9km/Lという燃費は、いまどきの基準としてはかなり優れない燃費といえるでしょう。

 赤信号で停車してからの発進加速を繰り返したので、大排気量エンジンによる基礎的な燃費の悪さに加え、国産車のなかでもワーストにカウントされる車両重量の重さによる発進加速時の燃料消費量の多さが強く影響していると考えられます。

 モニターで確認できる1分ごとの燃費履歴を見ても、5km/Lを超えたタイミングはほとんどありませんでした。

 基本的なことですが、燃費を伸ばすには、前方の信号が赤になるタイミングを見て、早めにアクセルオフをするのがいいでしょう。

●高速道路(往路)

走行距離:82.6km
実燃費:8.1km/L

 最初の高速道路セクションは、東名高速道路下り。同道路の起点である東京インターから入り、御殿場インターまでの82.6kmを、流れに乗りながらクルーズコントロールを使って巡行しました。

 しばらくは平たんな路面で制限速度は100km/hの区間が続きます。出発時にリセットした燃費はグングン伸び、しばらく走ると7km/L、そして8km/Lを超えるなど、カタログ燃費を考えると高速道路での達成率は良好。一時は燃費計が8.4km/Lまで伸びました。

 途中からは山岳区間に入り、制限速度が80km/hと低くなります。そこからは急こう配の上り坂となるため燃費も悪化しましたが、それでも8.1km/Lを達成。大排気量の重量級SUVであるLXでも、高速巡行では無理なくこのレベルの燃費は実現できます。

 ちなみに高速巡行中の車内は快適そのもの。乗り心地が良く、静粛性もハイレベルでまったく疲れを感じませんでした。

■条件次第ではカタログ値以上の燃費も期待できる

●ワインディング

走行距離:47.3km
実燃費:7.0km/L

 峠道でのトータル燃費は、予想を超えるほど良好でした。その理由のひとつは、トルクフルなエンジンのおかげで、峠道の登り坂でもアクセルを踏み込むような状況がなかったからと思われます。

レクサス「LX」レクサス「LX」

 この区間のスタート地点とした東名高速道路の御殿場インターは標高454m。まずはそこから、ルートの最高標高地点となる標高1015mの箱根・大観山までの約34kmの峠道を登っていきます。

 その最高地点に到達した際の燃費は5.4km/Lとさすがに伸び悩みましたが、覚悟していたほどまでは悪くないという印象を持ちました。

 その地点からの残り約13kmは、ずっと下り坂で、箱根ターンパイクという道をひたすら下ります。下り坂が続くので、エンジンの負担が少なく燃費数値はどんどん上昇し、最終的なワインディング区間の燃費は7.0km/Lとなりました。

●高速道路(復路)

走行距離:67.1km
実燃費:9.4km/L

 帰路となる高速道路区間は、小田原西インターから小田原厚木道路を39kmほど走り、厚木からは東名高速道路へ合流。東京インターまでの合計67.1kmを走りました。

 その区間の燃費はなんと9.4km/L。今回の燃費計測で最高数値となり、それはカタログ燃費を大きくしのぐものです。

 世間一般的には良好とはいえない数値ですが、大排気量エンジンを積んだ超重量級のSUVと考えれば予想外の伸びになりました。

 制限速度にできるだけ近づけて走りましたが、とくに低燃費を意識した運転としたり、特殊なテクニックなどを使ったりはしていません。

 それでこの数値ですから、平たんな高速道路で速度を上げずに巡行すれば、国産車でもっとも燃費が悪いと思われるクルマでもここまでは燃費が伸ばせることがわかります。

 往路の高速燃費と数値が異なる理由はふたつあります。ひとつは高低差です。

 往路は後半が勾配の強い上り坂だったのに対し、復路は全区間がほぼフラット。これは燃費にとって有利に働きます。

 もうひとつの要因は制限速度。復路の前半区間として走った小田原厚木道路は自動車専用道路で制限速度が70km/L。その速度制限を守って走りましたが、走行速度が高くなると空気抵抗が増え、燃費悪化の大きな原因となります。

 走行速度が低い巡行をおこなったことで、燃費を伸ばせたのです。なお、後半の東名高速道路の制限速度は100km/hです。

●トータル

走行距離:210.2km
実燃費:7.8km/L

 今回、210.2km走って計測したトータル燃費は約7.8km/Lでした。燃費に有利な高速道路区間が長かったことでこの数値となりましたが、カタログ燃費を2割も超える実燃費となったのは驚きです。

 世の中の水準から考えると誇れる燃費ではありませんが、カタログスペックの割には、恐れていたほどは悪くなかったといっていいでしょう。

 LXは高速巡行時の快適性が極めて高く、またアダプティブクルーズコントロールなども備わっているので、高速道路を使った移動は長く走っても驚くほど疲れが少ないのが印象的でした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング