豪雨災害でクルマが水没!? 浸水被害の症状は? 修理か買い替えの判断基準とは

くるまのニュース / 2020年7月26日 11時10分

近年、異常ともいえる降水量を記録する豪雨被害が多発しています。自分のクルマが水没してしまった場合、どこまでなら修理できるのでしょうか。また、直すときの費用はどれくらい必要なのでしょうか。

■増え続ける豪雨災害でクルマが水没してしまうことも…

 近年、記録的な大雨や災害により、各地で甚大な被害が発生しています。ここ数年の豪雨被害は尋常ではなく、家屋だけでなくクルマが水没するケースも多発しています。

 2011年に三陸沖を震源とする地震で大被害をもたらした東日本大震災では、津波によって約7万台が、2019年に上陸した台風19号による令和元年東日本台風では約10万台ものクルマが自走不能または使用不能となっています。

 なんとか走行できるレベルの浸水被害と合わせると、相当数のクルマが被害にあっていることになります。

 クルマが水没すると、一般的には、エンジン内部に水が入ったら走行不能といわれています。

 実際にはエンジンだけでなく、クルマは電気系統も水に弱く、水没までいかなくても、ある程度の浸水でも乗り続けるのが困難になる場合があります。

 では、どこまで浸水したら、そのクルマに乗り続けることが難しくなるのでしょうか。

 水没したクルマを直せるときと直せないときのボーダーラインについて、新車・中古車を販売するカーショップの代表を務めるN氏に聞いてみました。

「一般的にはクルマのフロアまで浸水、または水没してしまうと、乗り続けるのは厳しいかもしれません。たいていのクルマはフロアの位置辺りにマフラーがあり、フロアに浸水したということは、マフラーからエンジン内部にも浸水したと判断できるからです」

 豪雨による水没では、土砂やゴミなどを飲み込んだ濁流に浸ってしまうので、水に混ざったゴミや汚れがクルマの精密部分や手の届かないところまで入り込み、電気系のショート、カビやサビの発生、オイルの乳化などを引き起こすのだそうです。

「しかし1番の問題は臭いです。たとえ水が引いて乾いても、フロアマットやカーペット、ラゲッジルーム、シートにまで濁流の臭いが染み付いてしまい、完全に除去するのは難しいといわれています。クリーニングやパーツ交換などをしても、乗るたびに臭いで悩まされるのは非常に辛いと思います」

■河川の氾濫による水没は車両保険の補償でカバーできる?

 大切にしてきた愛車でも、浸水被害に遭って走行できなくなった場合、心情的に乗り換えたいと思う人も多いでしょう。車両保険に加入していれば、乗り換えることができそうです。

泥水をかぶって大きなダメージを受けたクルマ泥水をかぶって大きなダメージを受けたクルマ

 車両保険にはいくつか種類があり、「一般タイプ」と「エコノミータイプ(クルマ対クルマ+限定された補償)」の2タイプが主流になっています。このどちらでも水没車に関しては補償対象内になっているのです(ただし地震や火山の噴火、津波の場合は、免責事項のため補償外になります)。

 また自動車保険を使った場合は、保険の等級がダウンしてしまいます。対物事故や交通事故などの場合は次回更新時に3等級下がりますが、洪水による水没での保険適用は1等級下がるだけで済みます。

 この場合、水没での修理費を算出した金額と、同程度(年式や走行距離、装備など)の中古車価格のどちらかが補償されます。

 ただし、洪水による家屋の損傷によってクルマが被害にあっても、火災保険は適用されません。火災保険の補償はあくまで建物までとなるためだといいます。

 ちなみにクルマの浸水レベルがフロアよりも下でおさまった場合は、程度やパーツ代によりますが、5万円から10万円程度の費用で修理できる場合が多いそうです。

 それ以上の浸水になってしまうと、エンジンや電気系にも水が入ってしまっている可能性が高く、フロアやダッシュボード、シートなどを分解清掃する必要もあることから、修理代は車種によっては100万円から200万円もの金額になってしまうケースもあります。

 その場合は、保険会社の担当者から買い替えを提案されることも多いでしょうから、思い出が詰まったクルマとはいえ、同程度のクルマに乗り換えるほうがいいと思われます。

 前出のカーショップの代表を務めるN氏も、買い替えを推奨するといいます。

「1度被害にあったクルマに乗ると、被害時の記憶がフラッシュバックすることもあるようです。弊社としてもお客さまの希望どおりの修理をさせていただきますが、車内が水浸しになってしまったようなクルマは、どんなに修理やクリーニングしても元には戻らないケースが多いので、買い替えをお勧めしています」

 またフロア下の浸水レベルで直ったクルマも、そのまま放置しているとサビやカビが発生しやすくなるのだそうです。

 被害にあったらディーラーや販売店、信頼できる整備工場などに相談し、下回りのチェックや清掃をお願いしたほうがいいかもしれません。

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