スーパーカー並の強心臓を移植!? 超ド級のエンジンを搭載したセダン5選
くるまのニュース / 2020年7月30日 6時10分
数百馬力を誇るエンジンを搭載するスーパーカーは、いかにも速そうな外観で、見る者を圧倒するオーラがあります。一方、まるでスーパーカーのようなスペックのエンジンを搭載したセダンも存在。そこで、超ド級のエンジンを搭載した高性能セダンを5車種ピックアップして紹介します。
■大排気量で高出力なエンジンを搭載したスーパーセダンを振り返る
スーパーカーに代表される超高性能なモデルは、大排気量かつ大出力のエンジンを搭載し、さらに見た目も性能を誇示するかのように、いかにも速そうなフォルムとなっています。
一方で、スーパーカーに匹敵するようなスペックのエンジンを搭載したセダンも存在。
そこで、超ド級のエンジンを搭載した、往年の高性能セダンを5車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス・ベンツ「AMG 300E 6.0」
AMGの真骨頂である大排気量エンジンを搭載したモデル「AMG 300E 6.0」
現在、メルセデス・ベンツのブランドのひとつとなったメルセデス・AMGは、高性能なモデルを数多く輩出していますが、かつてはメルセデス・ベンツの市販車を高性能化するチューナーでした。
AMGがチューナーとして名を馳せたのは、大型セダンの「300SEL 6.3」をベースにAMGが仕立てたレース車両「AMGメルセデス 300SEL 6.8」がきっかけで、1971年の「スパ・フランコルシャン24時間レース」でクラス優勝を飾り、総合でも2位となることで、一躍脚光を浴びました。
その後、AMGはメルセデス・ベンツに認められ、公認のチューニングメーカーとなり、コンプリートカーを次々と発表。
なかでも1985年に発売された「AMG 300E 6.0」は、AMGならではの大排気量エンジンを搭載したスーパーセダンです。
ベースは「W124型」のEクラスで、メルセデス・ベンツがポルシェと共同開発した5リッターエンジンの高性能モデル「500E」がありましたが、AMG 300E 6.0はそれを上まわる、文字どおり6リッターV型8気筒エンジンを搭載。
最高出力は385馬力を発揮し、最高速度は306km/hに到達したといわれています。
外観も手が加えられており、ワイドフェンダー化され、ブラックアウトしたフロントグリルと小ぶりなリアスポイラー、AMG製アルミホイールを装着することが、当時のAMGモデルの特徴となっていました。
SクラスやSLの大排気量エンジンを、EクラスやCクラスに搭載する手法はAMG 300E 6.0によって確立され、以降は次々と同様なモデルが誕生。なお、AMG 300E 6.0は通称「ハンマー」と呼ばれました。
●アウディ「RS4」
シリーズで唯一のセダンをラインナップする2代目「RS4」
アウディとポルシェがタッグを組んで、1994年に高性能なステーションワゴン「RS2アバント」を発売。
現在もアウディの高性能モデルとしてラインナップされているRSシリーズは、このRS2アバントから始まりました。
そして、ミドルクラスのモデル「A4」をベースにした高性能モデルが「RS4」です。
初代はRS2アバントの後継車として、1999年に誕生。RS2アバントと同じくステーションワゴンのみとされ、エンジンは385馬力を発揮する2.7リッターV型6気筒ツインターボを搭載。
初代RS4は2001年まで生産された後、後継車はありませんでしたが、2006年に2代目RS4が登場。ボディタイプはステーションワゴンに加え、セダンとカブリオレがラインナップされました。
搭載されたエンジンは4.2リッターV型8気筒自然吸気で、最高出力420馬力を発揮。これほどの大排気量ながらレッドゾーンが8000rpmに設定される高回転型エンジンでした。
トランスミッションは6速MTのみとされ、駆動方式は4WDの「クワトロ」を採用。最高速度は250km/hのリミッターによって抑えられていましが、0-100km/h加速は4.8秒の俊足ぶりです。
外装はワイドフェンダーと低められた車高、専用デザインフロントバンパー・スポイラーが装着され、高性能モデルのオーラを放っていました。
なお、次世代の3代目、現行モデルの4代目は、再びステーションワゴンのみとなり、セダンがラインナップされたのは2代目だけです。
●BMW「M5」
F1で培ったテクノロジーが投入されたV10エンジンを搭載する4代目「M5」
BMWの高性能モデルはBMW M社によって開発され、車名に「M」が付きます。そのなかでも「M2」や「M6」と、Mに続く数字が一桁のモデルは、「Mハイパフォーマンスモデル」と呼ばれる高性能車のシリーズです。
このMハイパフォーマンスモデルが日本でも知られるきっかけとなったのが、1985年に発売された初代「M3」で、レースで勝つことを目的に開発されました。
そして、ミドルクラスのMハイパフォーマンスモデルとして、5シリーズでは2代目のE28型から「M5」が登場し、なかでもシリーズで唯一となる超高性能な自然吸気エンジンだったのが、2004年に発売されたE60型の4代目M5です。
搭載されたエンジンは5リッターV型10気筒で、最高出力は507馬力を発揮。当時、F1にエンジンを供給していたBMWのテクノロジーが投入され、レッドゾーンは8500rpmに設定されていました。
組み合わされるトランスミッションは7速SMG(AMT)で、最高速度は250km/hでリミッターが作動。
外観は前後ワイドフェンダーとされ、フロントフェンダーにはスリット付きのエアアウトレットが開き、専用デザインの前後バンパー、そして高音質なエキゾーストノートを奏でる左右4本出しのマフラーが特徴です。
足まわりでは電子制御ダンパーが採用されており、サスペンションのモードは「コンフォート/ノーマル/スポーツ」が選択でき、ハイパフォーマンスでありながら快適性が損なわれておらず、普段使いもまったく問題なくこなせるスーパーセダンとなっていました。
■サーキット走行もこなす日米のハイパフォーマンスセダンとは
●レクサス「GS F」
サーキット走行も視野に入れて開発された「GS F」
1991年に発売されたトヨタ初代「アリスト」は、後に「スープラ」にも設定されたハイパワーな3リッター直列6気筒ツインターボエンジン搭載したハイパフォーマンスセダンとして人気となったモデルです。
アリストは北米でもレクサス「GS」として販売され、2005年に日本でレクサスブランドの展開が始まると、GSはLSとISと並んで、レクサスの中核を担いました。
そして、2012年に2代目GS(北米では4代目)が登場。2015年のマイナーチェンジで、ハイパフォーマンスモデルの「GS F」が追加されました。
GS Fに搭載されたエンジンは、現行モデルの「LC500」や「RC F」にも採用されている5リッターV型8気筒自然吸気で、最高出力は477馬力を発揮。
この大パワーを後輪だけで路面に伝えるため、シャシの剛性アップとサスペンションやブレーキも大幅に強化。
トランスミッションは、2速以上のほぼ全域をロックアップすることでダイレクトなフィーリングを実現する8速ATを搭載。ハンドルにパドルシフトを装備し、DCTに匹敵する最短0.1秒の変速速度を誇ります。
外装にはカーボンファイバー製のエアロパーツが装着され、軽量化と空力性能が高められており、見た目もベース車とは明らかに異なるオーラを発しています。
GS Fは他の「Fシリーズ」と同様に一般道でのジェントルな走りとサーキット走行にも対応できるハイパフォーマンスセダンとなっていました。
しかし、トヨタは2020年8月をもってGSシリーズの生産を終了すると発表。GS Fもすでに受注を終了しています。
●キャデラック「CTS-V」
往年の「マッスルカー」を彷彿されるエンジンを搭載した2代目「CTS-V」
アメリカを代表する高級車ブランドといえばキャデラックですが、2003年に発売された「CTS」は、それまでのラグジュアリー路線ではなく、ドイツのニュルブルクリンクで鍛えられた足まわりや、5速MTも設定されるなど、スポーティなミドルクラスセダンとして登場。
2004年には当時のシボレー「コルベット」から移植された最高出力400馬力の5.7リッターV型8気筒OHVエンジンを搭載する「CTS-V」が追加されます。
さらに、2008年には2代目CTSをベースに、6.2リッターV型8気筒OHVスーパーチャージャー付きエンジンを搭載したCTS-Vがデビュー。
最高出力は649馬力を発揮し、トランスミッションは8速ATに加え6速MTが設定され、0-60mph(約96.5km/h)加速は3.7秒(AT)と、2トン近い車重ながらとてつもない加速力を発揮しています。
また、ブレンボ製ブレーキシステム、電子制御式LSD、減衰力をアクティブ制御するショックアブソーバーなども採用され、日常からサーキット走行までこなす実力を持っています。
外観では「Vシリーズ」の特徴であるメッシュ状のフロントグリル、カーボンファイバー製ボンネット、リアスポイラーなどを装備することで、ハイパフォーマンスさをアピール。
残念ながらCTSは2019年に生産を終了し、後継車は「CT5」で、高性能な「CT5-V」がラインナップされていますが、エンジンは360馬力の3リッターV型6気筒ツインターボにダウンサイジングされました。
※ ※ ※
現在、欧州セダンの高性能化はさらに進んでおり、たとえば最新モデルのBMW「M5コンペティション」は625馬力を発揮し、メルセデスAMGの「E63 S 4MATIC+」は612馬力を誇ります。
これほどの性能を発揮できる道路が世界中にどれだけあるかは疑問で、もちろん日本の公道ではフルに発揮するのは不可能です。
しかし、加速感は麻薬のようなもので、もっと刺激的なフィーリングを求める層が存在するため、高性能化はさらに進むことでしょう。
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