無理やり感が逆に面白い!? ユニークなクーペ3選
くるまのニュース / 2020年7月30日 16時10分
近年、セダンやSUVでありながら、クーペをイメージさせる流麗なスタイルのモデルが増えています。一方で、本家の2ドアクーペは世界的にも減少している状況ですが、かつては変わった発想でつくられたクーペが存在していました。そこで、ユニークなクーペモデルを3車種ピックアップして紹介します。
■もともとはクーペではなかったクーペを振り返る
クルマのデザインは、その時代に合わせて流行りが変化していきますが、近年はセダンやSUVでも流麗なフォルムのクーペタイプが増えています。
とくに欧州メーカーにはクーペスタイルのモデルが多く、なかには居住性よりもデザインを優先したかのようなモデルも存在。
一方で、本来の2ドアクーペや3ドアクーペは世界的にも減少傾向にあり、市場から撤退してしまったメーカーもあるほどです。
そこで、かつてユニークな発想でつくられたクーペを、3車種ピックアップして紹介します。
●BMW「Mクーペ」
オープンカーをベースにクーペ化した高性能モデルの「Mクーペ」
1989年にマツダからユーノス「ロードスター」が発売されたことにより、コンパクトなオープン2シーター車の人気が再燃します。
そして、国内外のメーカーはマツダに追従するように、オープン2シーター車を次々と市場に投入しました。
そのなかの1台が1996年に発売されたBMW「Z3」です。初期のモデルは5ナンバー枠に収まるボディに1.9リッターエンジンを搭載したことで、日本でも人気を獲得。
外観はロングノーズ・ショートデッキという古典的なスポーツカーのフォルムで、コンパクトながらもグラマラスなボディです。
このZ3の大きな改良がおこなわれた1998年にクーペボディが追加され、車名が「Z3ロードスター/Z3クーペ」に改められました。
さらに「3シリーズ」の高性能モデルである「M3」に搭載された321馬力を発揮する3リッター直列6気筒エンジンを移植した、「Mロードスター/Mクーペ」が登場。
MクーペのボティはMロードスターをベースに、車体後半部分と屋根部分を新たに追加するかたちでクーペ化。ワイドボディになったことで、迫力あるフォルムを実現しています。
ボディ形状はクーペという名前ながらも、どちらかというとショートボディのステーションワゴンやシューティングブレークといったイメージで、2シーターのままということもあり、大容量の荷室を備えていました。
内装はZ3クーペに準じていましたが、センターコンソールに3つのメーターが設置され、随所にメッキの加飾をおこなうことでクラシカルな雰囲気を演出しています。
その後2002年に後継車の「Z4」にバトンタッチし、Z4にもクーペモデルがラインナップされましたが、こちらは正統派のクーペスタイルとなっていました。
●ミニ クーペ
3ドアモデルをベースに2シータークーペに仕立てられた「ミニ クーペ」
1959年に誕生したBMC「ミニ」は秀逸なパッケージングとデザインによって、世界中のFFコンパクトカーに影響を与えた偉大なモデルです。
しかし、ローバーグループの経営悪化によりBMWに買収され、ミニは2000年に生産を終了。そして2001年に、BMWグループのプレミアムスモールとして、新生ミニが発売されました。
新たなミニはオールドミニの面影を色濃く残したデザインと、ゴーカートのようにキビキビ走るドライブフィーリングによって、世界的に大ヒットを記録。
2006年に登場した第2世代では、レギュラーモデルである3ドアハッチバックと、全長が240mm長い「クラブマン」、オープンモデル「コンバーチブル」、初の4ドアモデルの「クロスオーバー」など、多彩なバリエーションが展開されました。
さらに2011年には5番目となるモデル「クーペ」を発売。3ドアハッチバックのリアシートを取り払うことでシリーズ初の2シーターとし、低いルーフに合わせてフロントウインドウの傾斜を大きくするなど、大幅に手が入れられています。
内装は基本的に3ドアハッチバックと同様の意匠ですが、後部はすべて荷室となっていたため、3ドアハッチバッよりも大容量でした。
グレードは「クーパー」、「クーパーS」、チューニングモデルの「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」が設定され、JCWには211馬力を誇る1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。
ミニクーペはクイックなハンドリングとハイパワーなエンジンの2シーター車という生粋のスポーツカーでしたが、異色なモデルとして人気となることはなく、この代をもって消滅しています。
■幻となった高級クーペSUVがあった!?
●ランドローバー「レンジローバーSVクーペ」
超豪華なクーペSUVとして発売されるはずだった「レンジローバーSVクーペ」
ランドローバーといえば、悪路走破性が高い高級車として「レンジローバー」を代表的な車種にラインナップしています。
なかでも1970年にデビューした初代は、質実剛健な4WD車として開発されましたが、後に高級路線へとシフト。日本でもバブル景気の頃は、高額なクルマながらヒットし、ランドローバーの名が一気に広まりました。
そして、現在もレンジローバーは、同社のフラッグシップとして君臨しています。
このレンジローバーの派生車が、2018年にスイスで開催されたジュネーブモーターショーで発表され、大いに話題となりました。
それが、世界初のフルサイズラグジュアリー2ドアSUVの「レンジローバーSVクーペ」です。
ボディはレンジローバーをベースにしていますが、ボディパネルのほとんどが新たに設計され、2ドア化されています。
外観デザインは、すべてのピラーをブラック塗装とする「フローティングルーフ」を採用。レンジローバーのイメージは残しつつも、リアに向かってなだらかに傾斜するルーフラインによって、クーペらしさが表現されました。
内装も特別に仕立てられており、前席と後席が異なる色でコーディネートされた4シーターで、明るい色と落ち着いた色で配色した4種類の2トーンカラーが用意されています。
また、コクピットはハンドルやインパネ、センターコンソールなどに本木目を採用したシンプルな造形ながら、高度なクラフトマンシップをアピール。
エンジンは最高出力565馬力を誇る5リッターV型8気筒スーパーチャージャーを搭載し、8速ATと組み合わされた4WDシステムを採用。0-100km/h加速5.3秒、最高速度266km/hを実現しています。
顧客のリクエストから特別な1台を生み出す同社の「スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)」部門によって、ハンドメイドで999台生産されることが決定していましたが、2019年に1台も販売されることなく発売中止を発表。具体的な理由については、明らかにされていません。
※ ※ ※
一般的にクーペはスポーツカーやスペシャリティカーとして、カッコよさが際立つスタイルです。しかし、使い勝手という点ではミニバンやSUVに劣るため、近年は人気が低迷してしまいました。
かつては国産メーカーも数多くのクーペをラインナップしていましたが、いまでは撤退したメーカーもあります。
現行モデルのクーペは高額なモデルが主流で、欧米市場ではパーソナルカーとして一定の需要があるため消えることはありませんが、比較的廉価なモデルがほとんどなくなってしまった点は寂しいところです。
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