下位グレードこそ楽しい!? トップグレードじゃなくても魅力ある車5選
くるまのニュース / 2020年7月31日 6時10分
多くのクルマはさまざまなグレードを展開していますが、トップグレードは装備が充実し、動力性能も高いのが一般的です。しかし、必ずしもトップグレードでなくとも、運転が楽しいクルマも存在。そんな魅力あるグレードが設定されたモデルを5車種ピックアップして紹介します。
■パワーや装備が劣っていても楽しいクルマとは!?
昭和の頃、新車を買う人の多くが「一番高いの持ってこい!」というように、とにかくトップグレードに人気が集中していたといいます。
実際、かつてはグレードによってエンジンの性能や装備だけでなく、外観も大きく変わるケースもあり、ひと目でトップグレードか下位グレードかの判別ができました。
近年はグレードによる外観の違いは昔ほど変わらなくなりましたが、それでも動力性能や装備は、当然のように異なります。
一方で、必ずしもトップグレードではなくても、ドライビングプレジャーが感じられるモデルも存在。そんな下位グレードでも運転が楽しいクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「カローラスポーツ G”X”」
若い人に乗って欲しいという想いで開発された「カローラスポーツ」
2018年に発売されたトヨタ「カローラスポーツ」は、現行モデルのカローラシリーズに先駆けてデビュー。2006年まで販売されていた「カローラランクス」以来となる5ドアハッチバックの復活が大いに話題となりました。
カローラスポーツは全長4375mm×全幅1790mm×全高1460mmのロー&ワイドなボディで、外観は洗練されたフロントフェイスに、曲面を巧みに組み合わせたグラマラスでカタマリ感のあるデザインが特徴です。
パワーユニットは116馬力を誇る1.2リッター直列4気筒ターボエンジンもしくは、システム出力122馬力の1.8リッター直列4気筒ハイブリッドを搭載。
トップグレードはもちろんハイブリッド車ですが、1.2リッターターボエンジン車にはCVTに加え、6速MTが設定されています。
サスペンションは全グレード共通でフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架を採用し、高いコーナリング性能を実現。同じく、全グレードとも4輪ディスクブレーキが装備されるなど、スポーツの名に恥じない仕様となっています。
ベーシックグレードの「G“X”」(6速MT)の価格は216万9200円(消費税込、以下同様)。先進安全技術などの装備も充実しており、かなりお買い得なグレードではないでしょうか。
●マツダ「マツダ2 15MB」
シンプル装備でカスタマイズにも最適な「マツダ2 15MB」
マツダのエントリーモデル「デミオ」は、1996年に初代が発売され、シンプルで飽きのこないデザインと十分な出力、安価な価格などの相乗効果で、ヒット作になりました。
現行モデルは2014年に登場した4代目にあたり、2019年9月のマイナーチェンジで、車名をグローバルで統一する「マツダ2」になりました。
搭載されるパワーユニットは1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンか、クラスで唯一の1.5リッター直列4気筒ディーゼルエンジンを設定。全グレードで2WDと4WDが選べるなど、さまざまなニーズに対応。
外観はマツダのデザインコンセプトである「魂動デザイン」により、精悍さと力強さを表現。内装も上級車とイメージを共通とすることで、上質でスポーティなコンパクトカーとして評価されています。
トップグレードはディーゼル車の「XD L Package」で、レザーシートを採用する豪華装備のモデルですが、6速ATと6速MTが設定されるなど、スポーティさも忘れていません。
さらに走りに特化したグレードとしてモータースポーツベース車の「マツダ2 15MB」をラインナップ。
15MBは装備を簡素化し、エンジンはスタンダードグレードと同じ1.5リッター直列4気筒ガソリンながら、プレミアムガソリン指定で最高出力116馬力と6馬力向上しています。
トランスミッションは6速MTのみで、ギア比のクロスレシオ化と最終減速比が変更され、コーナーでの立ち上がり加速を重視したセッティングです。
15MBはモータースポーツベース車とはいえ、エアコンやパワーステアリングなどの快適装備や、先進安全技術も搭載されており、普段使いもまったく問題ありません。
●スズキ「スイフトRS」
ベーシックカーながらスポーティさを忘れていない「スイフト」
スズキはコンパクトカーの「カルタス」の後継車として、2000年に初代「スイフト」を発売。新世代のベーシックカーとして、一時は新車価格が70万円台からとするなど、人気となりました。
現行モデルのスイフトは2016年に発売された4代目にあたり、欧州やアジア圏でも販売されるグローバルカーです。
エンジンは全グレードで共通の91馬力の1.2リッター直列4気筒を搭載。さらに13.6馬力のモーターを組み合わせたハイブリッドと、3.1馬力のモーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッド、エンジンのみで駆動する3種類に大別されています。
なかでも最廉価の「XG」グレードと、中間グレードの「RS」にはCVTと5速MTが設定されており、欧州仕様の足まわりがおごられたRSは870kg(MT)の軽量な車体と相まって、十分にスポーティな走りが可能です。
スイフトには高性能な1.4リッターターボエンジンを搭載する「スイフトスポーツ」がありますが、RSならばパワー使い切る楽しさが味わえます。
価格(消費税込)は「XG」が153万5600円から、「RS」は178万2000円からです。
■高性能モデルを有する2台のベーシックカーとは
●ホンダ「シビックハッチバック」
公道ではパワー的にもちょうど良い「シビック ハッチバック」
1972年に発売されたホンダ初代「シビック」は、低燃費とクリーンな排出ガス、優れたパッケージングによって、同社を一躍グローバル企業に押し上げた偉大なコンパクトカーです。
その後、シビックは代を重ねるとスポーティさを強調するようになり、なかでも1997年に発売された初代「シビック タイプR」によって、スポーツコンパクトとしてのイメージを不動のものとします。
現行モデルのシビックは10代目にあたり、2017年に発売。2020年1月に発表されたマイナーチェンジでは、装備と安全技術の充実と、若干のデザイン変更がおこなわれました。
バリエーションはセダンとハッチバックをラインナップし、超高性能なタイプRもあります。
性能的には320馬力を誇るタイプRが圧倒的ですが、日本の道路環境を考えると手に余る印象です。そこでクローズアップされているのが、ハッチバックで、最高出力182馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。
さらに、ハッチバックには6速MTとCVTが設定されており、ホンダによるとMT比率は約30%と、現在、国内のMT車のシェアは2%未満といわれていますから、かなり高いといえます。
また、これまでのシビックとは異なる開発手法としてタイプRとの同時開発が挙げられ、これによってスタンダードモデルでも優れたシャシによる走行性能の向上が図られました。
シビック ハッチバックは、広い室内と荷物の積載性の良さにより、ファミリーユースにも適したスポーティモデルではないでしょうか。
シビック ハッチバックの価格は294万8000円(6速MT、CVT)です。
なお、セダンは2020年8月をもって生産終了の予定で、タイプRは新型コロナウイルス感染拡大の影響で新型モデルの発売が遅れています。
●ルノー「ルーテシア ゼン MT」
もうすぐ新型のデビューが控えている「ルーテシア」
ルノーのコンパクトカーといえば、エントリーモデルの「トゥインゴ」とひとつ上のクラスに「ルーテシア」があります。
初代ルーテシアは1991年に日本で発売されました。欧州では「クリオ」として販売されていますが、商標の問題で日本ではルーテシアとされています。
現行モデルは5代目にあたり、まだ日本に上陸していませんが、やはり新型コロナウイルスの影響で発売時期は未定です。
現在、日本で販売中のモデルは4代目で、3グレードを展開。エントリーグレードは5速MTのみを設定する「ゼン MT」で、価格は207万8000円と、国産車と遜色ない設定となっています。
エンジンは0.9リッター直列3気筒ターボを搭載し、最高出力は90馬力を発揮。決してパワフルではありませんが、最大14.3kgmという1.6リッター自然吸気エンジン並のトルクによって、ストレスを感じることなく、スポーツドライビングも可能です。
なお、ルーテシアには高性能モデルである「ルーテシア R.S.」が設定され、最高出力220馬力(トロフィー)のパワフルな1.6リッターターボエンジンを搭載しています。
※ ※ ※
かつて、エントリーグレードはエアコンやパワーステアリング、パワーウインドウなどを装備しない時代もありましたが、現在はどのグレードでもひととおりの装備を搭載し、普段使いでは十分に快適です。
さらに、近年は先進安全技術の普及が加速し、全グレードで標準装備とするモデルも続々と登場しています。
見た目がトップグレードと変わらず、装備も充実し、ドライビングプレジャーも味わえる下位グレードという選択もアリではないでしょうか。
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