お馴染みの車だけどなんか違う!? 海外仕様の日本車5選
くるまのニュース / 2020年8月3日 6時10分
1960年代の終わりから1970年代初頭にかけて、日本車の本格的な輸出が始まって以降グローバル化が進み、現在は世界各国で日本車が販売されています。そのなかには日本では販売していない海外専用車と、日本でも売っている車種が混在。そこで、日本で馴染みのあるモデルでも、日本仕様と微妙に異なる海外モデルを5車種ピックアップして紹介します。
■日本仕様とは若干異なるモデルを紹介!
国産自動車メーカーは1960年代の終わりから1970年代初頭にかけて、本格的な海外進出を果たしました。当初は日本で生産して輸出していましたが、1980年代からは現地生産も始まり、現在は世界各国に工場を所有しているほどです。
そして海外で販売されているモデルには、日本で販売されていない海外専用車と、日本でも販売されているモデルを海外向けに改良しているケースが存在。
そこで、日本で馴染みのあるモデルでも、日本仕様と微妙に異なる海外モデルを5車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「コペン」
1.3リッターエンジンを搭載した欧州仕様の「コペン」
2002年に発売されたダイハツ初代「コペン」は、軽自動車初の電動メタルルーフを装備した2シーターオープンカーです。また、660cc直列4気筒DOHCターボという、贅沢なエンジンを搭載したことでも話題となりました。
維持費の安さからセカンドカーとしても人気となり、2012年まで販売されましたが、この初代「コペン」は欧州に輸出されました。
欧州進出初期は日本と同じく660ccエンジンのままでしたが、後に1.3リッター直列4気筒自然吸気エンジンに換装され、ボディは国内仕様と同等ですが、仕向地の法規に合致するため最小限の変更が施されました。
なお、ハンドル位置は当初右のみでしたが、後に左ハンドル仕様も設定されています。
ちなみに、スズキ「カプチーノ」も欧州に輸出された実績がありますが、こちらは右ハンドルで660ccエンジンのままでした。
●トヨタ「エコー」
日本では珍しい2ドアセダンが設定されていた「エコー」
トヨタ初代「ヴィッツ」は「スターレット」に代わる次世代のコンパクトカーとして、1999年に発売されました。当初からグローバルカーとして開発され、「ヤリス」の名で欧州進出を果たし大ヒットを記録します。
そして、ヴィッツのデビューから少し遅れて、コンポーネントを共有する派生車として、トールワゴンの「ファンカーゴ」と4ドアセダンの「プラッツ」が発売されました。
このうちプラッツは北米でも「エコー」という名で販売されており、日本では販売されなかった2ドアセダンを設定。
日本でもかつては「カローラ」などで2ドアセダンがありましたが、1980年代には消滅してしまいましたが、アメリカでは「セクレタリーカー(主に働く女性が通勤などで使うクルマ)」として、コンパクトな2ドア車のニーズがありました。
エコーの2ドアは、ヴィッツの3ドアハッチバックに短いトランクを付けたようなイメージで、あまりスタイリッシュとはいえないフォルムだったためか、販売的には成功したとはいえず2003年にラインナップから消滅。
以降はヴィッツの3ドアハッチバックが後継車になりました。
●日産「300ZX」
オーバーフェンダーが装着された北米仕様の「300ZX」
1969年に誕生した日産初代「フェアレディZ」は、北米でダットサン「240Z」の名で販売されると、安価で高性能なスポーツカーとして大ヒットしました。
その後も日産を代表するスポーツカーとして代を重ね、1983年に3代目フェアレディZが登場すると、北米では1984年に「300ZX」として発売。
外観は初代、2代目のイメージを受け継ぎながらも一新され、エンジンは従来の直列6気筒の「L型」から、新世代のV型6気筒「VG型」となります。
トップグレードは「300ZX TURBO」で、200馬力を誇る3リッターV型6気筒ターボエンジン「VG30ET型」を搭載。
外観は日本仕様よりもワイドなフロントフェンダーに、リアにはオーバーフェンダーが装着され、16インチホイールを標準装備しています。
ほかにもヘッドライトはアメリカの法規で規定サイズのヘッドライトを使用しなければならず、日本仕様では横長の2灯式でしたが、北米仕様は幅の狭いヘッドライトと補助灯を組み合わせた4灯式でした。
なお、1989年に登場した4代目以降は、日本仕様と海外仕様で基本的なボディ形状が統一されています。
■日本には無いハイブリッド仕様とは!?
●スズキ「スイフトスポーツ」
欧州では3ドアボディが設定されていた「スイフトスポーツ」
初代スズキ「スイフト」は、2000年に「カルタス」の後継車として発売。2003年のマイナーチェンジでは115馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載し、専用サスペンション、4輪ディスクブレーキを搭載しエアロパーツを装着した「スイフトスポーツ」が誕生しました。
車名を「イグニス」としてラリーをはじめモータースポーツで活躍したことで、欧州でもスイフトスポーツの名声が一気に高まります。
そして、2005年に登場した2代目スイフトスポーツでは、1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載し、2011年には3代目デビュー。
2017年に登場した現行モデルの4代目では、1.4リッター直列4気筒ターボに換装され、ボディも大型化されました。
スイフトスポーツは欧州でも販売されましたが、大きく異なるのが3代目までは3ドアが設定されていたことが挙げられます。日本では2代目以降は5ドアのみです。
また、4代目は2020年の改良で、日本には無いマイルドハイブリッド仕様となりました。発電機をモーターに切り替えエンジンをアシストするタイプで、システムはスイフトと同様なものです。
このマイルドハイブリッド仕様は日本でも展開できそうに思われますが、2020年5月の改良では実現しませんでした。
●アキュラ「インテグラ タイプR」
日本には無い前期型フロントフェイスの「インテグラ タイプR」
1993年に発売されたホンダ3代目「インテグラ」は、北米でもアキュラ「インテグラ」として販売されました。
日本仕様は発売当初、独立した丸型プロジェクター4灯式ヘッドライトのフロントフェイスでしたが、1995年のマイナーチェンジで国内仕様は横長の一体薄型ヘッドライト改められましたが、北米仕様は4灯式ヘッドライトのままで販売が続けられました。
そして、「NSXタイプR」から始まった「タイプR」を1995年からインテグラにも展開し、究極のFFスポーツモデルを目指した「インテグラ タイプR」が登場。
エンジンは最高出力200馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒を搭載。40kgもの軽量化とボディの高剛性化を両立したボディに、専用サスペンションや空力パーツを装着するなど、サーキット走行を想定して開発されました。
インテグラ タイプRは北米でもわずかな台数が販売され、フロントフェイスの違い以外にエアバッグが装着されていることなど、細かな仕様が日本と異なっています。
現在、インテグラ タイプRは希少なクルマとして、北米で異常なほど価格高騰し、程度にもよりますが日本円で600万円から700万円で取り引きされています。
※ ※ ※
日本仕様と異なる部分がある海外仕様のモデルは、ほかにも数多く存在しますが、かつて、そうした異なるパーツを使ってカスタマイズする手法がありました。
純正パーツを使うためクオリティが高く、クルマに詳しい人でないとわからないということもあり、マニアックなカスタマイズのジャンルとして定着したほどです。
いまでは、北米を中心にJDM(Japanese domestic market)が人気となり、日本仕様にこだわる海外のマニアも現れました。
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