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ワイド化されたボディでいまも人気! 22年前に登場した「ランエボV」とは

くるまのニュース / 2020年8月11日 10時10分

WRC(世界ラリー選手権)で活躍するために誕生した三菱「ランサーエボリューション(以下、ランエボ)」。コンパクトなボディに圧倒的なパワーを誇るターボエンジンと、優れた4WDを搭載するモンスターマシンは、生産が終了してもなお多くの人々が憧れる人気の高いシリーズになっています。今回は、3ナンバーボディ採用で劇的に進化した「ランエボ」の5代目となる「ランサーエボリューションV」を紹介します。

■WRCの新規定に沿ってワイドボディ化された「エボV」

 1992年の誕生以来、WRCで勝つことを命題として進化し続けた「ランサーエボリューション」。2016年、10世代目の「ランエボX」でその歴史にいったん幕を閉じましたが、国内だけでなく海外でも人気が再燃しているモンスターマシンです。

 1995年にベースとなる「ランサー」がフルモデルチェンジしたことを受け、新しいベース車両の第2世代へと移行した「ランエボ」。

 もともとWRC(世界ラリー選手権)出場へのホモロゲーション取得のため誕生した限定モデルですが、WRCが1997年に導入した新規定「WRカー」(今まで以上の改造の範囲を認めた新しい規定)へとライバルが移行するのを受けて、1998年に大幅な進化を果たした「ランエボV」が投入されました。

 ちなみにWRCでは、今までと同じ市販車ベースの「グループA」での参戦となっています。

 このエボV最大の特徴は、WRカーの規定に伴い、フロントにワイドフェンダーを、リアにはオーバーフェンダーを装着した3ナンバーボディを採用したことでしょう。

 全長4350mm×全幅1770mm×全高1415mm(GSR)という3ナンバー化によるメリットは非常に大きく、トレッドもフロントで40mm、リアで35mm拡大され、従来よりも大きなサイズのタイヤ(225/45R17)の採用や、さらに大型化したブレーキキャリパー(ブレンボ社製)が装着可能になったことで、ブレーキ性能も大幅に強化されています。

 また足まわりにも手が加えられ、フロントには倒立式ストラットを採用。「エボIV」から搭載された「AYC(アクティブヨーコントロール)」にはヘリカルLSDを組み合わせることで、トルクの配分を最適化させるチューニングが施されています。

 この足まわりの進化と連動して、おなじみの4G63型ターボエンジンは、自主規制枠の関係で最高出力こそ280psのままですが、最大トルクを38.0kgmまで増加。ほかの国産280psライバルたちを凌駕する、鋭い加速性能を実現しています。

 エボVの、ほぼフルモデルチェンジに近い大幅な進化は、ラリーやレースでの結果にも直結します。

 WRCでは、市販車ベースの「グループA」でありながら、より改造範囲の大きい「WRカー」をも退け、エースドライバーのトミー・マキネン選手は1998年を合わせ3年連続のドライバーズチャンピオンに輝いただけでなく、三菱のワークスとして悲願だったマニファクチャラーズチャンピオンにも初めて輝きました。

 またその速さはラリーだけでなくサーキットでも健在で、当時のスーパー耐久レースで最強を誇った「R33型スカイラインGT-R」をも脅かす速さを見せていました。高い旋回性能を活かして、国内のジムカーナレースでもエボVを選ぶドライバーが急増したともいわれたほどでした。

■中古市場では100万円から150万円で推移、手に入れるならいま!?

 エボVが発表されたのは1998年1月6日。同年1月26日に発売されました。

 車両価格は、GSR(ランサーGSRエボリューションV)が324万8000円、RS(ランサーRSエボリューションV)が259万8000円でした。

ランエボVのリアスタイルランエボVのリアスタイル

 第2世代へと進化して話題を集めた、先代にあたるエボIVほどではありませんが、エボVも販売的には好調で、トータルで7617台が販売されました。

 余談ですが、この数字は初代の数字に近く(初代は7628台を販売)、突如現れた強烈なインパクトを放った初代に匹敵する数字を6代目でも記録しているのですから、いかに「ランエボ」が長期にわたりファンから愛され続けているかが分かります。

 2リッターから280psを生み出す強力なエンジン、AYCをはじめとする「曲がる4WD」機構、17インチのタイヤ、制動力をアップさせるブレンボ社製キャリパー、迎角調整式リアスポイラーなど、動力性能的にも空力的にも優れたランエボらしい装備が充実しているランエボVですが、さすがに車両が古いのか流通する中古車は少なめです。

 価格も程度によってバラツキがあり、約100〜150万円といったところで推移しています。

 しかし「エボVII」や「エボVIII」が100万円を切る値段で市場に出ていることを考慮すると、若干プレミアがつき始めている印象を受けます。

 何より三菱初のマニファクチャラーズチャンピオンに輝いた、初の3ナンバー「ランエボ」ですから、あと数年も経てば「ネオクラシックカー」として大化けする可能性を秘めています。タイヤを含む消耗品さえしっかりケアすれば、まだまだ一線級の速さを体感することができそうです。

※ ※ ※

 第2世代の「ランエボ」のなかでも、進化具合がえげつないと評判だったのがエボV。自主規制により280psとなったターボエンジンは、瞬発的な速さをもたらす「鬼トルク」を手に入れています。

 とくにリアルチャンピオンズカーとして人気の高いエボV。デザインが好きな人は、中古車店でいちど試乗して、その速さを体感してみてはいかがでしょうか。

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