突然の退任! 三菱自動車 益子会長はランエボ嫌いだった? 実際どのような人物だったのか
くるまのニュース / 2020年8月7日 13時26分
三菱自動車の取締役会長 代表執行役の益子修氏が、健康上の理由により2020年8月7日付で、取締役会長と代表執行役を退任しました。益子会長とはどのような人物だったのでしょうか。
■三菱自動車、益子会長が退任。
2020年8月7日、三菱自動車の益子会長の退任が発表されました。健康上の理由となってます。
半年くらい前から「健康問題を抱えているのではありませんか」と心配する声も出ており日産ルノーとのアライアンス記者会見時も具合悪そうでした。
退任後は特別顧問に就任するということながら、院政を敷くこともなく完全退任になると思っていいでしょう。
直近の三菱自動車の業績悪化をもたらしたのは益子さんだということについていえば疑う余地がないです。
三菱自動車の社内で益子さんの大きな弱点として話に出るのは、まったくクルマに興味を持っていないことだといいます。
運転免許すら所有していないそうです。それでもメルセデス・ベンツに投げ出された三菱自動車を支えれば良い、という点で適任だったと思う。
2005年の就任当時、リコール問題もあってガタガタになっていた三菱自動車をなんとか立て直し、直後にリーマンショックに襲われます。
ホット一息ついたタイミングで東日本大地震に遭い、益子さんは出身企業である三菱商事に代表されるグループの助けも借りながら立て直します。ここまでの業績を評価すると非常に大きかった。
けれどライバル企業の多くはリーマンショックから立ち直るやクルマ本来の魅力や楽しさ、夢の訴求を始めます。
前述の通りクルマに対する興味を持たない益子さんには無理な舵取りになってきたんだと思います。
この時点で社長を譲れば素晴らしい評価を受けたことでしょう。けれど益子さんの選んだ「徹底的な自粛!」路線はまったく見当違いだった。
三菱自動車が世界規模で躍進する要因になった「ランサーエボリューション」と「パジェロ」の開発を凍結。モータースポーツも出場厳禁命令を出す。
その後「電気自動車関連なら競技に出ても良い」となり、パイクスピークなどにチャレンジするが、基本的にクルマを理解していなかったのでしょう。電気自動車も「競技禁止!」に。
引き時を誤った益子さんが社長を続けている2016年に燃費偽装問題が発覚。直接的な責任者は益子さんであり、社長になったばかりの相川さんはほぼ無関係。そのときも退任の好機だったように思う。
この時点で相川さんにバトンタッチしていたら、やはり優れた経営者という評価だった。ちなみに相川社長時代も実質的なボスは益子さんでした。
相川さんが社長就任後の株主総会でランサーエボリューションを展示しようとしたところ、益子さんは「寝た子を起こすな!」と激怒。現場を怒鳴りつけ撤去させている。
この件、三菱自動車関係者なら誰でも知っていること。相川さんが益子さんに逆らえなかったため、実質的なボスが誰か認識させることになったといわれてます。
さらに2018年、日産の資本を受け入れる時点でも引退すればよかったものの「ゴーンさんの希望で残ることにしました」。
以後、縮小均衡策を取り続け、攻めることをしない三菱自動車は急激に業績悪化していく。今や新型車の開発すら難しい状況。益子さんの引退は遅きに失した感が強い。経営状況も普通ならすでに破綻寸前です。
とはいえこれも運命。社員全員が力を合わせ、三菱グループの援助を受ければ三菱自動車の再興も可能だと思う。
また、益子さんにおかれましては1日でも早く健康を回復していただき、元気になっても口出しせず見守ってくれたらいい。益子さんと対談させていただいたが、クルマ関係を除けば素晴らしい方だという印象です。
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