「ウルス」を抜いてSUV最速!! ベントレー「ベンテイガ・スピード」誕生!
くるまのニュース / 2020年8月13日 14時50分
第2世代にモデルチェンジしたベントレー「ベンテイガ」に、最上の豪華さと最速の性能が与えられた「スピード」がラインナップされた。その実力の程をレポートしよう。
■「スピード」という称号を与えられたモデルのみに与えられる圧倒的な速さと豪華さ
2020年8月12日、ベントレー・モーターズから、SUVのベンテイガ・シリーズの最上級モデルとして新たにラインナップされる「ベンテイガ・スピード」が正式に発表された。
●アクセルを踏めば、どこからでも加速可能
ベントレーに「スピード」というサブネームが、初めて採用されたのは、2007年に発表された「コンチネンタルGT」からである。これ以降、「スピード」というサブネームが掲げられたモデルは、比類なきパフォーマンスとラグジュアリーを兼ね備えていることの証明となった。
セカンド・ジェネレーションとなるベンテイガは、フルモデルチェンジによって、そもそもその魅力を大幅に高めていたが、スピードの登場はライバル・メーカーにとってはきわめて大きな脅威となるだろう。
なぜなら、ラグジュアリーSUVのベンチマーク的存在であったベンテイガが、さらにパフォーマンスもラグジュアリーも高められたからだ。
ドアのボトム部に「Speed」というエンブレムを掲げるのみという、控えめなベンテイガ・スピードだが、その中身は大きな変化を遂げている。
そのもっとも象徴的な存在といえるのが、フロントに搭載されるエンジンだ。スタンダードなベンテイガが4リッターV型8気筒を使用するのに対して、このスピードには6リッターのW型12気筒ツインターボエンジンが搭載されている。
最高出力635ps、最大トルク900Nmを発揮するW型12気筒ツインターボのベンテイガ・スピードの0−97km/h(0−60マイル)加速は3.9秒、最高速度は306km/hである。
特筆すべきは、最大トルクの900Nmが1500−5000rpmにかけてフラットに絞り出されるという点だ。つまり、どのようなシチュエーションからでも快適な加速を楽しむことが可能になる。
もちろんベンテイガ・スピードは、ただオーバー300km/hのパフォーマンスを誇るだけのモデルではない。ギアが5速から8速にシフトされている状態では、高速道路走行などの低負荷時にアクセルペダルを戻すとトルクコンバーターが切り離される、いわゆるコースティング機能も搭載している。
さらに自動気筒休止機能も採用されており、実際に停止するのは片側バンクの6気筒すべてとなる。吸排気センサーからのインフォメーションによって、停止するバンクを切り替えることで、シリンダーと触媒コンバーターの温度の低下を最小限に抑え、二酸化炭素排出量を効率的に低減させるという仕組みになっている。
■ラグジュアリーSUVのベンチマークたる「ベンテイガ・スピード」の仕様は?
ベンテイガ・スピードの走行モードは、オンロード向けに「コンフォート」、「スポーツ」、「ベントレー」、「カスタム」の4種類が用意される。スポーツモードでは、これまでのベンテイガとは異なるスピード専用のダイナミックなチューニングが味わえるという。
ベントレー「ベンテイガ・スピード」は、ラグジュアリーSUVのベンチマーク的存在である
ベンテイガで世界初搭載した48Vの電動式アクティブ・ロール・コントロール技術「ベントレー・ダイナミックライド」も、もちろんスピードにも搭載されている。コーナリング時の安定感やシャープなターンインは、ベンテイガ・スピードの走りをさらに魅力的なものにするだろう。
ブレーキは、オプションにセラミックブレーキを用意。これは制動力が6000Nm、耐熱温度が1000度という、ベントレー最大かつ最強のブレーキとなり、さらに通常のスチール製よりも20kg以上軽量という特長を持つ。
エクステリアにも、スピードに独自のフィニッシュは数多くある。たとえばダークティントのヘッドライト、ボディ同色となるサイドスカート、前後バンパー、テールゲートスポイラー等々である。ヘッドライトと同様にダークティントのテールランプがリアビューを引き締める。
ホイールは2種類の22インチ径から選択が可能だ。
●豊富なカラバリから好きな色をチョイス
エクステリアの標準色は17色、ほかにオプションカラーとマリナーカラーが47色用意され、デュオトーンも24種類からチョイスできる。
これに対応するインテリアはレザーが15色、カラースプリット6種類、ウッドパネル8種類、テクニカルフィニッシュ2種類を用意。すべてのシートバックには標準で「Speed」の刺繍が入る(オプションでベントレーのロゴを入れることも可能)。
インフォテインメント・システムも最新鋭のものだ。高解像度のタッチスクリーンは10.9インチになった。これまでのメディアソースに加えて、ワイヤレスのApple CarPlayが標準設定されたのも話題だ。
メーターパネルもやはり高解像度スクリーンを採用。表示レイアウトは「クラッシック」、もしくは「エクスパンデッド」から選択でき、前者ではトラディショナルな丸型メーターが、後者では右側のメーターに代わって、マップとメディア情報が表示されるという。
ベントレーのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは、ベンテイガ・スピードの発表に際して、次のようにコメントしている。
「ラグジュアリーSUVのベンチマークは、新型ベンテイガによってさらに引き上げられ、それが今後のライバルの比較指標となっていきます。
今後は世界唯一のラグジュアリーハイブリッドとなる、新型ベンテイガハイブリッドの発表を数か月後に控えてはいますが、圧倒的なパフォーマンスをお求めのお客様に対しても、その期待にお応えしたいと私どもは考えております。
新型ベンテイガ・スピードは世界最速のSUVであるだけでなく、新型ベンテイガ・シリーズの最高級モデルであり、比類無き豪華さと高性能を備えた、まさに究極のベンテイガと呼ぶに相応しいクルマです」
ベンテイガ・スピードの誕生によって、高性能SUV市場はどこまで進化を続けるというのか。それが楽しみになってきた。
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