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ドラレコ毎年100万台増 「事故時録れてない…」 録画トラブルは改善されたのか

くるまのニュース / 2020年8月17日 7時10分

社会問題化する「あおり運転」の影響を受けて急増したドラレコですが、普及とともに録画トラブルも相次ぎました。現在、こうしたトラブルは改善傾向にあるのでしょうか。

■ドラレコ増加とともに相次いだ録画トラブル!現在は改善化の傾向も?

 近年、社会問題化する「あおり運転」の有効な対策方法として、ここ数年でドライブレコーダー(以下、ドラレコ)が普及しつつあります。
 
 ドラレコが急速に普及する一方で、2018年時点では「事故記録が録れていない」といった録画トラブルも相次ぎましたが、その後改善されたのでしょうか。

あおり運転や事故などの際に有効な証拠となるドラレコだが、SDカードのエラーや熱トラブルで正常に作動しない場合もあるあおり運転や事故などの際に有効な証拠となるドラレコだが、SDカードのエラーや熱トラブルで正常に作動しない場合もある

 電子情報技術産業協会が発表するドラレコ国内出荷統計によると、2017年度は約266万台、2018年度は367万台、2019年度は483万台となっており、過去3年間で100万台以上ずつ出荷数が伸びていることが分かっています。

 これについて、2018年に国民生活センターではアンケート調査を実施。18歳以上の男女2000人を対象にドラレコの使用実態について調査したところ、まず「録画した映像を確認したことがある人」は56%(1119人)、「録画した映像を確認したことがない人」は44%(881人)となりました。

 映像を確認したことがある1119人のうち、「正常に録画されていた」と答えた人が93%(1044人)、「正常に記録されていなかったことがある」と答えた人は7%(75人)にのぼり、映像を確認した人のうち、1割が録画トラブルに見舞われていることが判明しています。

 このようなトラブルが起きる大きな要因は、ドラレコに使用されているSDカードが大きく関係しています。

 ドラレコの映像はSDカードに記録されており、常時映像を残しているため、古いファイルはどんどん上書きされる仕組みです。

 また、ドラレコの仕様によって異なるものの、記録される映像は2種類のファイルに分けられます。

 ひとつ目は、常時録画30秒から1分の区切りでファイルに残し、上書きを繰り返して記録が残されるフォルダです。

 ふたつ目は、ドラレコに搭載されている衝撃感知機能に反応した一定期間の映像だけを保存する上書き禁止フォルダです。

 なお、映像データは多くの容量を必要とするため頻繁に上書きしますが、その負荷が掛かり続けた状態でいると記録エラーが発生して、記録データが消えてしまう恐れがあります。

 したがって、記録エラーを避けるためには、定型的にSDカードを初期化するほか、新しいものに交換するなど、メンテナンスが必要な場合があります。

 しかし、前述のアンケート調査で「メンテナンスの必要性について知っているか」という問いに対して、「フォーマットの必要性」が約6割、「交換の必要性」は約7割の人が「知らない」と回答しました。

 そのほかにも、耐熱処理がおこなわれてないSDカードを使用することで、夏場に高温になる車内にて、熱による記録エラーを起こす可能性も考えられます。比較的に安価なSDカードには熱処理されていないケースもあるので注意が必要です。

 また、読み込み・書き込み速度が安定しないとエラーが起こり、記録が消失することもあります。

 そのため、読み書き時のデータ転送速度が最低10MB/秒を誇る「CLASS 10(クラス10)」、「UHS Speed Class 1(UHSスピードクラス1)」といった規格のSDカードを選ぶことで記録データの消失を免れることができます。

 では、こうした過去相次ぐ録画トラブルに向けて、現在のドラレコはどのように進化を遂げているのでしょうか。

 カー用品店「オートバックス」を運営するオートバックスセブンの担当者は、次のように話します。

「近年のドラレコには、SDカードメンテンスフリー機能が付いています。これは、独自のファイルシステムにとって、SDカードのエラー発生を低減できるものです。したがって、定期的に初期化をしなくても映像が消失することはありません。

 また、後方からあおられた様子を自動で検知し、上書き禁止保存ファイルに記録を残してくれるドラレコもあります。

 これまでのドラレコは、事故を起こした際の証拠を残すために使われており、大半のものは衝撃を検知した場合のみ上書き禁止保存ファイルに記録していました。

 そのため、あおり運転のような記録は別途ファイルに残されることなく、新しい映像データに上書きされて記録を残すことができません。

 あおり運転の犯行現場をしっかりと記録するには、こうした機能を備えているドラレコの購入がおすすめです」

■直近のドラレコ販売台数は昨年度に比べて約35%減少傾向に、なぜ?

 前出の2017年度から2019年度にかけてドラレコの販売台数が年間約100万台ペースで増加していました。

 しかし、2020年に突入するとその販売台数は大幅に減少。2020年の4月から6月にかけては約70万台となり、前年同期の約108万台と比較すると30万台近くの販売台減少が見受けられるのです。

 2020年6月の厳罰化によって再びあおり運転への問題意識が高まっているなか、どうして直近の販売台数が落ち込んでいるのでしょうか。前出のオートバックスセブンの担当者は、次のように話します。

「新型コロナウイルスの影響が非常に大きいです。とくに、緊急事態宣言が発令された4月から5月にかけては、例年と比較して販売台数がマイナス40%ほどになります。

 これは、クルマを所有するユーザーの多くが遠出をしなくなったことで、ドラレコを購入する必要とする場面が少なかったことが大きな要因です」

 ただし、担当者によれば6月中旬から販売台数は徐々に持ち直していると話します。

 また、6月末にあおり運転の厳罰化が施行されたことで、各メディアで大きく取り上げられたことをきっかけに関心が高まった結果、前年を大幅に上回る販売台数を伸ばしているようです。

 そして、7月以降においても、前年を超える販売状況となっていることが分かりました。したがって、今後もドラレコの販売台数は好調に伸びしていくと予想できます。

万が一の場合に録画できているように、定期的な動作チェックは必要万が一の場合に録画できているように、定期的な動作チェックは必要

 あおり運転の社会問題化でドラレコの普及が加速した一方、「記録トラブル」が相次いでいましたが、SDカードのエラーによる記録消失を防ぐための機能が充実したことで、現在はこうしたトラブルも徐々に改善傾向にあります。

 また、あおり運転厳罰化により再び注目を集めており、今後もその需要が絶えることはないでしょう。

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