スカイラインのワゴンは意外とカッコいい!? イメージと違うスタイリッシュな車3選
くるまのニュース / 2020年8月14日 16時10分
日産「フェアレディZ」やスズキ「ジムニー」のように、車名を聞いただけでボディ形状がイメージできるクルマがあります。また、ミニやジープといったメーカーは、すべてのラインナップに共通するデザインコンセプトを採用しています。一方で、そうしたイメージとかけ離れたモデルも存在。そこで、車名やメーカー名から思い浮かぶイメージとは異なるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
■イメージと異なるけどスタイリッシュでイイ!
数あるクルマのなかには、車名を聞いただけでボディ形状が思い浮かぶようなモデルがあります。たとえば、日産「フェアレディZ」や、スズキ「ジムニー」は、ボディ形状がアイコン化しているといえます。
また、ミニやジープといったメーカーがラインナップしている車種は、基本的なデザインコンセプトが共通化されているので、クルマを見ただけでメーカー名がわかります。
一方で、そうしたイメージとかけ離れたモデルも存在。そこで、車名やメーカー名から思い浮かぶイメージとは異なるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●ボルボ「780」
ボルボの2ドアクーペというだけでも珍しい存在の「780」
現在、ボルボのラインナップに抱くイメージは、流麗なフォルムのステーションワゴンやSUVとなっていますが、かつて1980年代のボルボというと、高い安全性をアピールし、角ばったデザインで質実剛健なイメージでした。
しかし、1985年のジュネーブ国際モーターショーに出展された「780」は、そんなイメージを覆したモデルとして話題となります。
780は、セダンの「760」をベースに、それまでもボルボと交流があったイタリアのデザイン工房「ベルトーネ」が設計した2ドアクーペでした。
ベルトーネといえばランボルギーニ「ミウラ」、ランチア「ストラトス」など、数々のスーパーカーやスポーツカーのデザインを手掛けており、当時はピニンファリーナやイタルデザインと並ぶ存在です。
780はそうしたスーパーカーと比べると決して流麗なデザインのモデルではありませんでしたが、ボルボのイメージを残しつつも、均整の取れた美しいクーペのフォルムを実現。
本革とウッドをふんだんに使ったゴージャスな内装とともに、スタイリッシュな外観が高く評価されました。
なお、780は日本ではかなりレアなモデルですが、正規輸入されていたことから稀に中古車市場に出ています。
●トヨタ「クラウン ハードトップ」
アグレッシブすぎるデザインで販売は低迷してしまった4代目「クラウン」
トヨタを代表する高級車「クラウン」は、1955年に初代が誕生しました。クラウンはセダンのみとされていましたが、クラウンをベースにしたバンとピックアップトラックの「マスターライン」シリーズが存在。
1960年代から1980年代の終わり頃に販売されていたモデルでは、1車種でセダン、クーペ、ステーションワゴン、ライトバンなど、複数のボディタイプをラインナップするのが一般的で、クラウンも初代から8代目までは複数のボディタイプが設定されていました。
なかでも1967年発売の3代目から1979年発売の6代目までは、2ドアハードトップがラインナップされており、高級なパーソナルカーとして人気を誇ります。とくに印象的なスタイルだったのが、1971年に登場した4代目の2ドアハードトップです。
4代目クラウンの最大の特徴は、それまでの国産高級車とは一線を画する外観にあり、いまでは一般的なボディ同色バンパーを採用するなど斬新なデザインでした。
また、電子制御燃料噴射装置や電動リクライニングシート、アイドリングストップ機能など、当時最先端の技術を採用。
クラウン 2ドアハードトップは、セダンとは異なる角目2灯のヘッドライトを採用したフロントフェイスで、テールランプまわりのデザインも専用とされました。
また、リアサイドウインドウまわりの造形もユニークで、重厚なフロントフェイスに対し、流麗でエレガントなサイドビューを演出。伸びやかな美しいフォルムとなっています。
しかし、当時はデザインが不評で、販売は低迷。後に「クラウン史上最大の失敗」とまでいわれたほどです。
そして、発売からわずか3年後の1974年に、直線基調で重厚感のある高級車然としたデザインに一新された5代目にモデルチェンジ。以降は比較的保守的なデザインのまま代を重ねています。
いまではクラウンの2ドアクーペなど想像もできませんが、かつは日産「セドリック/グロリア」にも2ドアクーペがラインナップされており、高級クーペとして一定の需要がありました。
■スカイラインにもステーションワゴンがあった!?
●日産「スカイライン ワゴンGT」
いまでは失われてしまったハイパフォーマンスワゴンの先駆け的存在の「スカイライン ワゴンGT」
現在、セダンのみとなっている日産「スカイライン」ですが、かつては複数のボディタイプを設定しており、3代目からはステーションワゴンとライトバンを設定。ステーションワゴンは7代目まで、ライトバンは6代目までラインナップされていました。
このうち7代目スカイラインは1985年に発売され、ステーションワゴンは1986年に追加でラインナップ。
外観はセダンと同じフロントフェイスに、直線基調で伸びやかなワゴンボディとされ、大きく傾斜したリアハッチが特徴的です。
また、テールランプはスカイライン伝統の「丸テール」ではなく、角型の専用デザインとされ、全体の佇まいはラグジュアリーなイメージとなっています。
7代目から大きく変わったポイントとしてエンジンがあり、6代目までの「L型」を廃止し、6気筒モデルは新世代の「RB型」が搭載されました。
また、RB型では「スカイラインGT-R」の「S20型」以来となる直列6気筒DOHCエンジンが復活。ワゴンには「RB20ET型」ターボエンジンもラインナップされました。
トップグレードの「ワゴン GTパサージュターボ」は、このRB20ET型を搭載したモデルで、最高出力170馬力(グロス)を発揮し、ステーションワゴン界のグランツーリスモといったところです。
しかし、1989年に登場した8代目でステーションワゴンは廃止され、1996年にスカイラインとシャシを共有するステーションワゴン専用車「ステージア」が発売されました。
※ ※ ※
前出のクラウンやスカイラインだけでなく、昔はホンダ「シビック」にライトバンやステーションワゴンが設定されていたり、トヨタ「カローラ」や三菱「ランサー」にもライトバンが設定されていました。
昭和の時代にはライトバンは個人商店でマイカーとしても使われていたこともあり、各メーカーとも数多く販売していましたが、段々と需要もなくなり、生産の合理化とともに消えてしまい、現在に至ります。
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