小型ミニバンなぜ人気急落!? フリードとシエンタ共に販売減 コロナ禍でニーズ変化が要因か
くるまのニュース / 2020年8月18日 7時10分
コンパクトミニバンのホンダ「フリード」とトヨタ「シエンタ」は、最近の販売台数ランキングで上位に位置するミニバン市場で人気の2台です。しかし、直近の7月にフリードは12位となり今年一番の落ち込みをみせています。シエンタも同様に販売台数が落ち込んでいるといいますが、コンパクトミニバンに何が起こっているのでしょうか。
■コロナ禍でアウトドア需要が激減
コンパクトミニバンのホンダ「フリード」は、2020年の上半期の販売台数ランキングも7位にランクインし、依然として人気ですが、直近の7月では12位となり今年一番の落ち込みをみせています。
また、ライバルのトヨタ「シエンタ」も同様に販売台数が落ち込んでいるといいますが、コンパクトミニバンに何が起こっているのでしょうか。
フリードは、日本自動車販売協会連合会が発表する販売台数ランキングで、コンパクトカーの「フィット」と並んでホンダ車の1、2を争う人気車種です。
2020年2月にフィットがフルモデルチェンジしたことで、2月以降はホンダ車No.1をフィットに譲ることになるものの、それに続く2位をキープし、上半期は全体の販売ランキングで毎月TOP10に入ります。
フリードは、どのような部分が人気なのでしょうか。フリードの人気についてホンダ販売店の店員は次のように話します。
「フリードはホンダのなかでは人気のある車種です。ミドルサイズミニバンの『ステップワゴン』よりも価格が安いことから、多人数乗車や積載性を求める人が検討されることが多いです。
また、フリードには初期から3列目シートをなくしラゲッジスペースを特化させた2列シート5人乗りモデルも用意されています。
沢山荷物が積めて車中泊もできることから、近年のオートキャンプブームの影響もあって、キャンプやアウトドアに便利ということで、ユーザーからの人気を得ています」
フリードには、初代から2列シートの5人乗りの「フリードスパイク」モデルが用意されており、現行では「フリード+」という名前で販売されています。
近年のフリードの人気の背景には、コンパクトで乗りやすく、大人数乗車もできて便利という理由だけでなく、初期から用意されたラゲッジスペース特化型のモデルがキャンプやアウトドアブームによりユーザーのニーズとうまくマッチしたということもあるようです。
そんなフリードですが、直近の7月のランキングを見ると5302台の12位。今年初めてTOP10入りを逃し、販売台数が落ち始めているようです。この理由についてホンダ販売店のスタッフは次のように話します。
「最近は、5人乗りモデルのフリードを購入される人が減っているように感じます。
キャンプやアウトドア利用のユーザーから人気があるモデルなので、新型コロナウイルスの影響でキャンプやアウトドアに出かける方が減ったことが影響しているのかもしれません」
また、最近のキャンプやアウトドアでのクルマの利用方法に変化があることが、販売台数が落ち込んだ理由がありそうです。
キャンプ場の運営スタッフは最近の利用方法について次のように話します。
「うちはコテージも併設したキャンプ場ですが、今年は利用者の多くがコテージ利用を希望しています。
理由としては新型コロナウイルスの感染予防の為に密となるテント泊や車中泊を避けたいという声が多いです」
キャンプは屋外というイメージが強いですが、就寝時に利用するテントやクルマのなかは、むしろ狭いなかで密着した状態で一晩過ごすことになります。
そのため、感染予防対策として、テント泊や車中泊を避けようという考えから、クルマの利用の仕方が変化しているようです。
※ ※ ※
近年のオートキャンプブームで、車中泊利用に便利なクルマとしても人気を得ていたフリードですが、新型コロナウイルスの影響で、出かける機会が減ったことや車中泊利用を避ける動きが出ています。
キャンプや車中泊の変化により、直接的にフリードの販売台数が落ち込むとは考えづらいですが、フリード最大のライバルとなるトヨタ「シエンタ」でも、同様の理由で2列シート車の販売が減少しているという声もあるようです。
また、シエンタの2列シート車は2018年9月に追加された仕様ですが、導入背景について開発責任者は「アウトドアやキャンプブームによる積載性や車中泊の需要が高まったため」と説明していることから、コロナ禍によるアウトドアユーザーの減少がフリードやシエンタの販売台数に影響していることは間違いないようです。
■フリード同様にシエンタも販売台数減少? コンパクトミニバンに何が起こった?
フリードと同様に、シエンタもランキングTOP5入りを果たすほど人気なミニバンです。しかし、2020年6月のランキングでは大きく順位を落とし14位、直近の7月の販売台数ランキングでも10位となっており、人気に陰りが見え始めているのです。
どうやら、最近はコンパクトミニバン自体の人気も傾きはじめているようですが、なぜ人気が落ち込み始めたのでしょうか。この理由について前出とは別のホンダ販売店スタッフは次のように話します。
「コンパクトミニバンはコンパクトで乗りやすいクルマが良くて、人数も乗れたら便利ということで検討する人が多いです。
とくに最近は新型コロナウイルスの影響で、できるだけ最低限の人数でしか乗らないという声も増えているため、多人数で乗車する機会がますます減り、乗車人数は必要ないと感じる人が増えているのだと思います。
そのため、当店では以前にも増して軽自動車で人気の軽ハイトワゴン『N-BOX』を検討される人が増えた印象があります」
ミニバン市場で高い人気を誇るトヨタ「シエンタ」。2018年9月には2列シート車を投入し人気に拍車をかけている
また、シエンタを販売するトヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「コンパクトミニバンとして、使い勝手の良いシエンタですが、実際には3列目を使わない人や2列シート車を選んだ人では、次の乗り換え候補にシエンタが入ることはあまりない印象です。
3列目を頻繁に使う人では、シエンタよりもサイズが大きい『ノア/ヴォクシー/エスクァイア』を候補として考えます。
3列目を使わないけど居住性や積載性を求める人ではSUVを検討し、もう少し扱いやすいサイズを求める人では、コンパクトワゴンの『ルーミー/タンク』が好まれています。
ルーミー/タンクは、シエンタよりサイズが小さいながら、スライドアを搭載しつつ積載性があるので使い勝手も抜群で、価格もシエンタより安価に設定されているのもお客さまに支持される部分です。
これまで『丁度良いミニバン』として好評だったシエンタですが、価格や扱いやすさでは下のクラスとなるコンパクトワゴン、ほかの用途ではSUV、余裕のある3列を求めるならミドルサイズミニバンというように、最近ではシエンタは『中途半端なミニバン』になってしまっているのかもしれません」
※ ※ ※
新型コロナウイルスの影響で販売台数が落ち込んでいるフリードやシエンタですが、その影響によるユーザーのニーズの変化は、コンパクトミニバンの人気にも陰りをもたらしています。
いつまで続くか分からないコロナ渦で、変化するユーザーのニーズにどう応えるかがこれからのコンパクトミニバンの課題となりそうです。
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