2億円のハイパーカー、パガーニ「ウアイラ」はクルマを超えたアートだ!
くるまのニュース / 2020年8月20日 11時50分
スーパーカーのさらに上を行くハイパーカー、パガーニ「ウアイラ」とは、いったいどのようなクルマなのだろうか。パガーニを創業したホラチオ氏の来歴とともに解説しよう。
■ランボルギーニを経て、パガーニを設立
どのような事情があって自分の愛車、しかもデビュー時には世界中の話題となった限定車を売却しようとしているのかは知る由もないが、ともかくオート・オークションには頻繁に驚くべきモデルが登場し、われわれマニアの目を楽しませてくれる。
●「ゾンダ」から始まったパガーニの歴史
今回、RMサザビーズの「シフト・モントレー」オークションに出品されたのは、2014年モデルのパガーニ「ウアイラ」だ。まずはパガーニというメーカーについて簡単にヒストリーを解説しておこう。
若くしてアルゼンチンからイタリアへと渡り、ランボルギーニで契約デザイナーの職を得た、ホラチオ・パガーニが、ランボルギーニ退職後に設立したハイパーカー・メーカーがパガーニである。
パガーニはランボルギーニ在職中に、カーボンなど軽量素材の研究にも参加しており、退職後に最初に設立した会社は、正確には「モデナ・デザイン」というカーボン製品を製作するメーカーだった。その経験もまた、後のパガーニの大きなアドバンテージとなっている。
最初のモデルである「ゾンダC12」は1999年に発表されたが、その後パガーニの生まれ故郷であるアルゼンチンへと吹き降ろす風の名、ゾンダはさまざまなモデルへと進化を続けていく。
結局それは後継車となる「ウアイラ」が誕生するまで続くのだが、現在でもゾンダをパガーニ本社に持ち込み、様々なチューニングを施すカスタマーも多く、少なからず重要なビジネスとなっている。
■最高速度370キロ! 工芸品のような「ウアイラ」とは?
ゾンダの後継車、ウアイラの誕生は2010年のことだった。ケチュア語で風を意味するこの言葉は、再びアルゼンチンへと吹き込む風であるとともに、先住民族が信仰していた神の名でもあった。
●エンジンはAMG謹製V12を搭載
184万8000ドル(邦貨換算約1億9500万円)で落札されたパガーニ「ウアイラ」
ウアイラのエクステリアデザインは、まさに優秀な空気の流れをそのままシルエットとしたようなものだった。
ガルウイング式のドアを持つ特徴的なスタイリングのウアイラは、エアロダイナミクスも優れていた。前後左右にそれぞれ装備されたコンパクトなフラップは、積極的にエアロダイナミクスを活用するだけでなく、制動時にはエアブレーキとしても機能した。
後ろヒンジのカウルをオープンすると、ウアイラの心臓部たるV型12気筒エンジンが姿を現す。それはゾンダの時代と同様に、ドイツのメルセデスAMG社から供給されるエンジンだ。
パガーニと同郷のファン・マヌエル・ファンジオの助言と協力によって、メルセデスAMG製のエンジンを得たことは、パガーニにとっては大いに幸運だったことといえる。その信頼性こそがゾンダの評価、そしてウライアへの期待を大いに高めたとも考えられるからだ。
ボディはほぼ完全なフルカーボンとなる。したがって車重は1350kgしかなく、0−100km/h加速は3.2秒で、最高速は370km/hをマークする。
今回、シフト・モントレーに出品されたウアイラは、100台限定で生産されたもののなかで56番目に生産されたもの。メルセデスAMGでワンマン・ワンエンジンのコンセプトで組み上げられた6リッターV型12気筒ツインターボエンジンは730psを発揮し、XtracのオートメーテッドMTが組み合わされている。
ウアイラは大胆なデザインと華麗なエンジニアリングだけでなく、細部へ尋常ではないこだわりと作り込みを、現在の自動車産業でもっとも優れたクラフトマンシップによって実現化した、いわば工芸品もしくはアート作品のようなものである。
ちなみにこのオークションの結果は、予想落札価格は180万−200万ドル(邦貨換算約1億9000万円−2億1100万円)とされていたが、最終的には184万8000ドル(同1億9500万円)での落札となった。
走行距離はまだ5000マイル(約8000km)弱。まだまだ新車同様といってもよいコンディションだ。
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