フェラーリとランボが逆転!! 「アヴェンタSV」が「812スーパーファスト」に勝利
くるまのニュース / 2020年8月25日 19時10分
ランボルギーニは、常にフェラーリと比べられることでその存在意義をアピールしてきた。では、モダンモデルのフラッグシップである「アヴェンタドールSV」と「812スーパーファスト」は、マーケットでどのようなジャッジがなされているのだろうか。
■600台限定の「アヴェンタドールSV」の最終落札価格は?
ボナムス1793の「クエイル・モーターカー・オークション」では、フェラーリとランボルギーニのフラッグシップモデルのセールスを見ることができた。
2020年はコロナ禍の影響のため、オンラインでのオークションが主流となっている。「クエイル・モーターカー・オークション」もその例に漏れずオンラインでおこなわれたが、入札者はある意味で冷静に入札ができるという利点もある。また見る側もより正確な人気を知ることができるメリットがある。
●2017 ランボルギーニ「アヴェンタドールLP750-4 SVクーペ」
「アヴェンタドールSVJ」の登場後でも、そのスタイリングから人気の高い「アヴェンタドールSV」(C)Bonhams
先にオークションに登場したのは、ランボルギーニ「アヴェンタドールLP750-4 SV クーペ」であった。「SV(スーパーヴェローチェ)」が超高速、あるいはとても速い、を意味するイタリア語であることは、ランボルギーニのファンであれば誰もが知るところだ。
アヴェンタドールのデビューは2011年後半のことだったが、このSVの開発プロジェクトは2015年のジュネーブ・ショーでの発表を目標におこなわれた。
参考までにそれまでに販売されたアヴェンタドールは5000台以上。この成功があればこそSVは現実のものになったのである。
LP750-4 SV クーペは、600台の限定車として発表された。リアミッドに搭載される6.5リッターV型12気筒エンジンは、700psからさらに750psにまで強化され、2015年の夏には500台限定のロードスターも誕生した。
出品車は、2017年に北米向けにデリバリーを受けたモデルで、その後はほとんど走行することなく大切に保管され、途中で「ブルー・ケフェウス」(ケフェウスは星座の名)と呼ばれる、ブルーのステッチやアクセントカラー等を改め、インテリアはより美しくスポーティなものに変化している。
ちなみにこれらのオプションのプライスは、1万2000ドル(邦貨換算約130万円)であったという。
誰もがその行方を見守った落札価格は、実に41万7500ドル(ボナムス発表値4417万6459円)。出品者としても十分に納得のいく結果だっただろう。
■フェラーリは、もはやオワコン化しつつあるのだろうか?
続いてロットナンバー100で登場したのが、フェラーリのフラッグシップ、2018年の「812スーパーファスト」だ。スーパーファストの名もまた、フェラーリのファンにとっては特別な響きを持つものであり、特にアメリカではそのバリューは非常に大きい。
●2018 フェラーリ「812スーパーファスト」
フェラーリのフラッグシップである「812スーパーファスト」、しかもほぼ新車同然の個体に下された評価は厳しいものだった(C)Bonhams
812スーパーファストのデビューは2017年のジュネーブ・ショー。それから実際にデリバリーが始まるまでの期間を考えれば、今オークションの檀上にあるモデルは、相当に早い時期にデリバリーを受けたモデルと考えてよいだろう。
驚くべきはその走行距離で、オドメーターには287マイル(約462km)の数字が残されているのみだ。
フロントに搭載されるエンジンは、6.5リッターV型12気筒自然吸気。これに7速DCTを組み合わせ、アヴェンタドールが4WDであったのに対して、812スーパーファストの場合は後輪のみを駆動する。
また、最高出力はついに800psという数字に到達している。
最新のフラッグシップ・フェラーリの落札価格は、なんと31万0250ドル(ボナムス発表値3271万3577円)というものだった。
いかにアヴェンタドールSVが限定車であるとはいえ、ここまでの逆転現象が起きてよいものなのか。フェラーリのモダンモデルは、もはやスーパースポーツの世界における頂点ではなくなったというのだろうか。
アヴェンタドールSV、812スーパーファストのどちらも新車価格よりも落札価格が高くなることはなかったが、812スーパーファストのほうが値落ち感が大きいことは明らかだろう。
さまざまなことを考えさせられたリザルトだった。もしかするとマーケットは、そろそろフェラーリというブランドに飽き始めてきているのかもしれない。
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