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電子キー普及もいまだに「キーとじ込み」年間15万件発生の意外な理由とは

くるまのニュース / 2020年8月28日 9時10分

クルマの「キーとじ込み」は、電子キーの普及によって減少傾向にあるものの、いまなおJAFへ多くの救援要請が寄せられる、よくあるトラブルです。原因としては、いったいどのようなものがあるのでしょうか。また、車種ごとに気をつけるべき点はあるのでしょうか。

■子どものいたずらが原因の場合も? キーとじ込みの意外な理由

 キーレスエントリーシステムやリモコンキー、スマートキーなどの「電子キー」の普及によって、キーとじ込みのトラブルは年々、減少傾向にあります。

 しかし、2019年度にJAFが出動したロードサービスだけでも、年間約15万件のキーとじ込みが発生しています。キーとじ込みが発生するのには、意外な原因もあるようです。いったい、どのような理由でキーとじ込みが起きているのでしょうか。

 JAF出動原因の上位は近年ずっと順位がほぼ変わらず、1位がバッテリー上がり、2位がタイヤのパンク、そして3位がキーとじ込みとなっています。件数自体は減っているものの、キーのとじ込みは上位となっています。

 また、JAFにキーとじ込みを理由に救援依頼をおこなう人の半数以上が女性ドライバーというデータもあります。

 とくに多いのはトランクのロックをキーのボタンで解錠し(ドアはロックされたまま)、カギをトランク内に入れた状態でトランクのふたを閉めてしまうパターンです。

 トランクを開けて荷物を取り出すときなど荷物を両手で持つために、手に持ったカギを一瞬、トランク内に置いたという経験を持つ人もいらっしゃるかと思います。

 あとでカギを取り出すつもりが、うっかり忘れてそのままトランクを閉めると、インロック状態になってしまいます。

 実は筆者(加藤久美子)も、過去にこの方法でロックさせてしまい、JAFのお世話になった経験があります。

 女性ドライバーのキーとじ込みにはこのパターンが多いと感じるのですが、理由として考えられるのは、女性の衣服はブラウスやワンピースをはじめ、スカートやスラックスなど、ポケットがないデザインのものが多く、男性のように手から離したカギをすぐポケットにしまう、ということがやりにくいことです。

 女性は小さな子どもとクルマを使う機会も多く、手をつないでいて、右手にクルマのキー、左手に子どもの手、といった状態で子どもの手を離さないためにキーをトランク内に置いてしまい、ついうっかりということも少なくないのでしょう。

 トランクに置き忘れること以外にも、最近増えている原因があります。最近の傾向をJAF広報室に聞いてみました。

「ロードサービス部に話を聞いたことがあるのですが、『スマートキーの電池切れ』がひとつの原因としてあげられるようです。

 スマートキーが近づくとドアロックが解除されてドアを開けることができ、スマートキーを持ったままクルマから離れると自動でドアがロックされるタイプのクルマの場合に多いのですが、車内にキーを残した状態で電池切れになると、クルマ自身が『スマートキーが(クルマから)離れてしまった』と認識をしてしまうことがあり、その場合、ドアのカギをかけてしまうようです」

 車内にあるスマートキーの電池切れもインロックの原因のひとつとなっているようです。

 また、もうひとつ、車内に残された子どもやペットが誤ってキーのボタンを押してロックさせてしまう例も、一時期よりは減りましたが、現在もまだ多く発生しています。

 JAFは毎年8月に、車内に残された子どもやペットによるキーとじ込みについて統計を取っています。

 2019年の8月1日から同月31日の1か月間のデータによると、JAFが出動した「キーとじ込み」の救援のうち、子どもやペットが車内に残されたままだったケースは全国で144件(子ども:115件、ペット:29件)あったとのことです。

 JAFが現場で聞き取り調査したところ、「おもちゃの代わりにリモコンキーを子どもに持たせていたら、ロックボタンを押してしまった」「飼い主の戻りを待つペットが、車内の集中ロックスイッチを踏んで押してしまった」などの理由も少なくなかったとのことです。

 暑い時期の車内放置は熱中症で命を落とす危険もあり、またカギを持たせたままではキーとじ込みの危険も十分にあるということです。

■キーとじ込みを防ぐために出来ることは

 2020年8月19日に多くのメディアが報道した「キーとじ込み」についても、まさに「子どもがおもちゃ代わりに遊んで…」のパターンで発生しました。

 1歳の孫に「カギが欲しい」とせがまれた祖母が、孫をクルマに乗せる前にカギを渡してしまったことが理由です。

 カギを持ったままの1歳男児を後部座席に座らせてドアを閉め、祖母が運転席に向かうまでの数秒間に孫がカギを触ってドアロックボタンを押して、すべてのドアをロックさせてしまいました。

 車内の温度が急速に上がっていくなか、熱中症になることを危惧した祖母は孫が通う保育園から農機具の「くわ」を借りて、クルマの窓をたたき割って孫を救出しました。

 子どもにせがまれたからといって、おもちゃ代わりにドア開閉の操作ができるカギを渡したことには驚きますが、車内からの操作でドアロックができてしまうことも意外でした。

クルマの鍵を子どもに渡すことはキーとじ込みのリスクがあるクルマの鍵を子どもに渡すことはキーとじ込みのリスクがある

 この祖母が乗っていたクルマはダイハツ「ムーヴ」でしたが、車内のキーボタン操作でドアロックが可能なのでしょうか。

 ダイハツ工業株式会社 広報・渉外室 広報グループに聞いたところ、次のように説明します。

「こちらのムーヴもそうですが、最新のダイハツ車でも『キーレス』『キーフリー』ともに、車内からカギについているボタンを押してのロックが可能です。

 車内にのみカギがあると車外のリクエストスウィッチからはロックできませんが、車内からのキーボタン操作でロックは可能です。

 また、スマートキーがふたつあり、ひとつは車内でもうひとつを車外からロックする場合は、ロックされます」

 調べてみたところ、ムーヴ以外にも車内からのロックに制限を設けていないメーカーや車種はいくつかありました。これは、車内で休憩するときや仮眠するときなど、カギを持って後部座席からロックしたいという状況に対応するものと思われます。

 スマートキーでドアの開閉をおこなうクルマのなかには「キーとじ込み防止装置」を備えているクルマも多く、このようなクルマはスマートキーが車内の作動範囲内に置いてあると、ロックができない仕様になっています。

「カギのボタンを押して車内からロックが可能か?」については、メーカーや車種によってさまざまな仕様や設定があるため、それぞれの取り扱い説明書で確認するか、メーカーのお客様相談室に尋ねることが確実です。

 防止策としてはキーを常に身に着けて、車内やトランクにキーを置かないことはもちろんですが、スペアキーをカバンのなかに入れて持ち歩くこともおすすめします。

 なお、かつてはクルマの底部にスペアキーを貼り付ける人もいたようですが、防犯上のリスクを考えると絶対にNGです。

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