さりげなく高性能なのがカッコイイ!? スポーティなステーションワゴン5選
くるまのニュース / 2020年9月1日 6時10分
2019年9月にトヨタ「カローラツーリング」がデビューし、2020年9月にはスバル新型「レヴォーグ」の発売を控えているなど、ステーションワゴン人気の復活が予感されます。一方で、かつては高性能なステーションワゴンが多数存在。そこで、派手すぎない外観かつ高性能なオトナのためのステーションワゴンを、5車種ピックアップして紹介します。
■高性能だけど派手すぎない見た目が好印象なステーションワゴンを振り返る
国内の自動車市場で、かつてちょっとしたブームとなったのが高性能なステーションワゴンです。その発端となったのは1989年に発売されたスバル初代「レガシィツーリングワゴン」で、各メーカーがスバルに追従するように高性能なステーションワゴンを次々と発売しました。
しかし、その後はミニバン人気の高まりによって、ステーションワゴンのラインナップは激減し、現在に至ります。
そうした状況のなか、2019年9月にトヨタ「カローラツーリング」が登場し、2020年9月にはスバル新型「レヴォーグ」の発売を控えているなど、ステーションワゴン人気復活の兆しもあります。
そこで、往年の高性能ステーションワゴンを、5車種ピックアップして紹介します。
●スバル「レガシィツーリングワゴン 3.0R」
エアダクトが無いボンネットでスマートな印象の「レガシィツーリングワゴン 3.0R」
長らくステーションワゴン人気を支えてきたレガシィでしたが、2014年に6代目のデビューとともにツーリングワゴンが国内販売を終えてしまいました。
その最終モデルのひとつ前、2003年に登場した4代目レガシィは、ボディサイズが拡大され3ナンバーサイズ化されたことや、等長エキゾーストマニホールドの採用によりスバル車独特の「ボクサーサウンド」が消えたことが、大いに話題となりました。
4代目レガシィでは先代から引き続きターボモデルがメインでしたが、上質かつパワフルなモデルとして3リッター水平対向6気筒エンジンを搭載する「3.0R」が、セダン/ツーリングワゴンともに追加ラインナップ。
最高出力250馬力発揮する6気筒エンジンは、2リッター4気筒ターボエンジン搭載車とは異なるスムーズかつエレガントな走りが可能となっています。
さらに、2004年には、専用チューニングのビルシュタイン製ダンパーや、専用の外装パーツ、18インチホイールを装備する「3.0R Spec B」が登場。
後に5速ATが追加されましたが、当初は6速MTのみが組み合わされ、スバルらしく6気筒エンジンでもスポーツドライビングを重視していたのかもしれません。
●日産「ステージア 250t RS FOUR V HICAS」
ハイパワーかつプレミアム感もアップした2代目「ステージア」
1996年に発売された日産初代「ステージア」は、「R33型 スカイライン」系の主要なコンポーネンツを共用することで開発されたステーションワゴンです。
もともと、7代目スカイラインまではステーションワゴンをラインナップしていましたが、8代目(R32型)からは廃止。
ステージアの登場によって、ほぼ輸入車で占められていたLクラス・ステーションワゴン市場に、国産モデルが復活したことになります。
その後、2001年のモデルチェンジで、11代目スカイラインが採用した新FRプラットフォームを共用する2代目となり、エンジンは3リッターと2.5リッターのV型6気筒を搭載。
ステージア専用のエンジンとして、最高出力280馬力を発揮する2.5リッターV型6気筒ターボを搭載する「250t RS FOUR V」設定されるなど、初代にラインナップされた高性能モデルの「260RS」を彷彿とさせました。
グレード展開はラグジュアリーな「RX」シリーズとスポーティな「RS」シリーズ、クロスオーバーSUVのような外観の「AR-X FOUR」があり、高性能ながら特別さを誇示しない「250t RS FOUR V」と、4輪操舵システム「電動SUPER HICAS」を搭載した「250t RS FOUR V/HICAS」が最高峰に位置してしました。
なお、2004年のマイナーチェンジで2.5リッターV型6気筒ターボ車は廃止となり、3.5リッターV型6気筒自然吸気が登場しています。
●三菱「レグナム VR-4」
精悍なフロントフェイスが印象的な「レグナム VR-4」
1996年に発売された三菱「レグナム」は、「ギャラン」の派生車として登場したステーションワゴンです。
外観は8代目ギャランと同じく精悍なフロントフェイスと、伸びやかにデザインされたキャビンが特徴的で、レガシィツーリングワゴンに対抗してパワフルなエンジンを設定。
トップグレードの「VR-4」には、最高出力280馬力を発揮する2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムを組み合わせていました。
「ランサーエボリューション」シリーズと同様に、リアの駆動力配分を電気的に制御する「AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」を搭載したモデルが設定され、4輪マルチリンクサスペンションを採用するなど、ハイエンドなステーションワゴンとして高い人気を誇りました。
しかし、ステーションワゴン人気の下落から車種整理がおこなわれ、2002年に生産を終え、レグナムは1代限りで消滅しています。
■復活が望まれる2台のスポーティステーションワゴンとは!?
●トヨタ「アルテッツァ ジータ」
コンパクトなFRスポーティワゴンとして人気だった「アルテッツァ ジータ」(画像は欧州仕様)
デビュー前から話題を独占していたコンパクトFRセダンのトヨタ「アルテッツァ」が1998年に発売されると、同クラスのセダンはFFが主流となっていたとあって、その走りは高く評価されました。
そして、2001年には使い勝手の良いステーションワゴンの派生車「アルテッツァ ジータ」が追加されます。
搭載されたエンジンはセダンと異なり4気筒モデルは存在せず、2リッター直列6気筒と、アルテッツァ ジータ専用に3リッター直列6気筒設定され、どちらも自然吸気です。
最高出力は2リッターが160馬力、3リッターが220馬力を発揮し、2リッターモデルは6速MTが設定されるなどスポーティ路線で、3リッターモデルはスムーズかつトルクフルなフィーリングによりラグジュアリー路線と、ふたつのコンセプトに分けられていました。
足まわりにはセダンと同様に4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションが採用され、優れたコーナリング性能を発揮し、アルテッツァシリーズの名に恥じない、スポーティな走りは健在でした。
アルテッツァは海外ではレクサス初代「IS」として販売され、日本でも2005年にレクサスブランドが展開されると、よりコンフォートなコンセプトの新型ISが発売。
アルテッツァは廃止となり、ISにはステーションワゴンは設定されませんでした。
●ホンダ「アコードワゴン SiR」
スタイリッシュでサイズも日本の道にピッタリだった「アコードワゴン SiR」
1976年に発売されたホンダ「アコード」は、「シビック」よりも1ランク上の3ドアハッチバックとしてデビュー。
その後、セダンを追加ラインナップすると主流はセダンへ移行し、1991年からはステーションワゴンの「アコードワゴン」がラインナップされました。
初代アコードワゴンはアメリカで生産がおこなわれ、日本では輸入車として販売されました。続いて1994年に発売された2代目も同様にアメリカ製です。
そして、1997年に登場した3代目では、シリーズ初の国内生産・国内専売となり、ボディが先代よりもダウンサイジングされたことと、デザインが一新されたことで、よりシャープでスポーティな印象となっています。
1999年に追加されたスポーティグレードの「SiR」には、200馬力を誇る2.3リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載。
2リッターのセダンに対して2.3リッターエンジンを搭載したことで、ステーションワゴンらしくロングツーリングでも余裕ある走りを実現しています。
その後、アコードワゴンは5代目まで(最終モデルの車名は「アコードツアラー」)販売されましが、2013年に販売を終了。グローバルでもステーションワゴンは5代目が最後のモデルとなりました。
※ ※ ※
ステーションワゴンの魅力というと、セダンに近いドライビングプレジャーがありながら、より多くの荷物が搭載できる点が挙げられます。
また、近年のモデルではリアハッチがクーペのように傾斜していることで、スタイリッシュなフォルムとなっています。
一方で、ステージアのようないかにもステーションワゴンというフォルムも、いまとなっては逆に斬新で魅力的です。
欧州車ではまだまだ数多くのステーションワゴンがラインナップされていますが、どれもプレミアムなモデルばかりで、もう少し手が届きやすい価格帯のステーションワゴンが復活すれば、さらに普及も加速するのではないでしょうか。
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