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なぜトイレに巨大カギを設置? SA・PA内の忘れ物に効果絶大! スマホ忘れゼロに

くるまのニュース / 2020年9月4日 9時10分

高速道路のSA・PAでは、日々多くの忘れ物が発生しますが、その中でもトイレの個室内での忘れ物がもっとも多いといいます。そんななか、トイレでの忘れ物を減らす画期的なアイテムが開発され2018年に導入されましたが、現在の状況はどうなっているのでしょうか。

■忘れ物防止の巨大カギ!その効果は継続中?

 1日に数万人もの利用客が訪れる高速道路のSA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)では、毎日数多くの落とし物が発見されています。
 
 とくにトイレの個室内での忘れ物が多いといいますが、2018年にNEXCO東日本の北海道エリアに導入された施策が話題となりました。どのような施策で、どれほどの効果があったのでしょうか。

 2015年に発表されたNEXCO東日本のデータによると、年間約19000件、1日あたり50件以上にもおよぶ忘れ物・落とし物が発見されているとのことです。

 また、これらの忘れ物・落とし物を集計したところ、「1位:財布類(2832件)」、「2位:携帯電話類(2619件)」、「3位:衣類・履物類(2530件)」という結果でした。

 さらに、落とし物の種類を場所別にみてみると、トイレは「携帯電話類」、「かばん類」、「財布類」、「衣類・履物類」、「生活用品類」、駐車場は「衣類・履物類」、「鍵類、携帯電話類」、休憩所やスナックコーナーは「衣類・履物類」、「かばん類」、「生活用品類」、といった品々が目立っています。

 こうした忘れ物を防止するために、NEXCO東日本グループの東日本高速道路北海道支社では、2018年10月から「忘れ物防止トレイ」の導入を開始しました。

 上記の忘れ物防止トレイは、トイレの打掛カギと長方形のトレイが一体化しており、ドアを閉めるときに取っ手を回すと小物を置くスペースに代わる仕組みとなります。

カギを開けるときは、置いている物に気付くことができるので忘れ物を防止できるのです。

 このように、画期的なアイデアが誕生した背景について、東日本高速道路北海道支社の担当者は「トイレを利用する一連の動作で、利用者全員が最後に開けることに着目した結果、カギに荷物棚を設置することを考えた」と述べています。

 忘れ物防止トレイの寸法は170mm×90mm、耐荷重は1kg程度となっており、財布(長財布を含む)・スマホといった小物類を安定して置けるサイズに設定してあります。

 高速道路のPA・SAは大きな荷物よりも財布・スマホのみを持って移動される人が多いため、トイレの個室内で発生する小物類の忘れ物は約6割以上を占めていることもあり、こうした小物類を安定して乗せられる大きさを考慮したうえで忘れ物防止トレイが開発されました。

 実際に忘れ物防止トレイを設置した結果、その件数はどれくらい減ったのでしょうか。

 北海道支社室蘭管理事務所管内の5休憩施設において、設置前の2017年8月10日から2018年3月31日では、「携帯電話:22件」、「財布:23件」、「カギ:1件」、「その他:8件」となる合計54件でした。

 対して、設置後の2018年8月10日から2019年3月31日では、「携帯電話:0件」、「財布:0件」、「カギ:0件」、「その他:0件」と、導入前は数多くの忘れ物が発見されていたのに対し、導入後は0件という忘れ物防止トレイの効果が絶大だったことが分かります。

 では、2018年に導入を開始してから約2年が経過したいま、現在の忘れ物防止トレイの効果について、NEXCO東日本の担当者は、次のように話します。

「忘れ物防止トレイの効果は、現在も継続中でございます。

 忘れ物トレイが導入された2018年当時は、北海道内にある八雲PA(上下集約で1か所)、静狩PA(上下線)、豊浦噴火湾PA(上下線)、有珠山SA(上下線)、本輪西展望所(上り線)の8か所に加え、そのほか地域となる山陽自動車道奥屋PA(上下線)、徳島自動車道池田PA(下り線)、北陸自動車道南条SA(下り線)を含めた計12箇所に設置されておりました。

 2020年8月末時点では、これらの12箇所に加えて7箇所の設置エリアが展開され、計19箇所で導入されています」

※ ※ ※

 NEXCO東日本では忘れ物防止トレイのほかに、「忘れ物防止システム」と呼ばれる施設設備を導入しています。

 個室トイレの棚に赤外線センサーが設置されており、扉の開閉時に忘れ物に対する音声ガイダンスで注意喚起がおこなわれます。

 また、NEXCO中日本では個室トイレに入った人や物のシルエットから異変を検知するAI搭載の「アウトラインセンサー」の導入も計画されています。

 このように、トイレ周辺の忘れ物に関する対策が強化される一方、先述した「駐車場」「休憩所」「スナックコーナー」についての忘れ物・落とし物についての対策を聞いたところ、「現段階では、取り組んでおりません」(前出のNEXCO東日本)と説明しています。

 トイレの個室内で発生する忘れ物が6割以上に及んでいることから、現状でもトイレに重点を置いた忘れ物対策が取られているようです。

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