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テラノ・サーフに乗ればモテた!? ギラついてた90年代 イカす男のモテ車とは

くるまのニュース / 2020年9月4日 11時10分

1990年代は日産「テラノ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」に乗ればモテた時代がありました。最近では、マクドナルドのCMで木村拓哉さんが乗っていたことでも注目されるテラノですが、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

■テラノ&サーフ、ギラギラだったあの頃のSUV

 最近、放送されているマクドナルドのCMによって、突如脚光が当たったクルマがあります。
 
 それは、日産の初代「テラノ」です。1980年代後半に北米で誕生したモデルで、当時は“オフロードのスポーティカー”などと称されました。

 当時、テラノの好敵手であり、同じく日本や北米で人気を博したのがトヨタ「ハイラックスサーフ」です。

 テラノ(北米名:パスファインダー)もハイラックスサーフ(北米名:4ランナー)も、ある共通点がありました。それはベース車がピックアップトラックだったということです。

 これらのモデルが生まれた背景には、アメリカ独特の自動車事情がありました。

 農業大国であるアメリカでは、“ライトトラック”といわれる小型トラックが生活に欠かせない足となっています。

 農作業だけでなく、日常的な大量の買い物もこなすライトトラックは、日本でいうところの軽トラックに近いキャラクターです。

 軽トラックが日本で税制上の優遇がなされているように、アメリカではライトトラックに税制優遇が与えられていました。

 州によっては無税だったり、税が課せられても非常に低いものとなっているのです。さらに、自動車保険も優遇されており、ライトトラックは低所得な人々や若年層にとってはなくてはならないカテゴリーなのです。

 1980年代はアメリカでオートキャンプやアウトドアレジャーがブームとなった時期で、このムーブメントに合わせて、アメリカのビルダーがある1台の小型キャンピングカーを作りました。

 これはウイネベーゴ「トレッカー」というモデルで、トヨタ「ハイラックス」をベースにしていました。

 キャブとフレームだけのキャブシャーシに、ウイネベーゴが製作したFRPの後部ボディを取り付けるという、いわゆるトラックコンバージョンのキャンピングカーです。

 とくにキャンピング装備が架装されていたわけではありませんが、キャンピングカーとしては低価格なうえに、トラックでは望めない後部居住空間ができること、そしてライトトラックの税制のメリットを踏襲できることから、若年層を中心にこうしたスタイルのクルマが大流行。いくつかのビルダーが、同様な架装を手がけました。

 これがいわゆる「スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル(SUV)」の原点です。

 この後トヨタは、ハイラックスをベースにFRPシェルをかぶせた、初代N60系ハイラックスサーフを独自に発売。自動車メーカーが本格的にSUVを生産する時代が到来したのです。

 1984年には、日本でも発売を開始。当時のハイラックスサーフは4ナンバー登録で、商用車扱いでした。

 それゆえ自動車税も安く、若者にはありがたいクルマだったのです。しかし、サスペンションは4輪リーフリジッド式という、いかにもトラックというものだったため、決してスポーティといえるものではありませんでした。

 当時の日本は“デートカーブーム”に沸いており、トヨタ「ソアラ」やホンダ「プレリュード」に乗っていればモテるといわれた時代。

 しかしバブル景気にも陰りが見え始め、物質的な豊かさよりも個性的ライフスタイルが注目され始めた時期だったのです。

 そのため、アウトドアレジャーやマリンスポーツといったカルチャーが注目を集めていました。

 ハイラックスサーフの車名も当時大流行したウインドサーフィンを意識したもので、同車の屋根に長いボードを積載し、ガラスだけ開けたリアゲートからウェットスーツやライフジャケットを覗かせることが、当時の若者の憧れでした。

 ハイラックスサーフが人気になったのには、日本ならではの事情もあります。同じ時期にピックアップトラックも若者に注目されましたが、日本は雨が多いこと、また防犯上の心配があって荷台に荷物を積みっぱなしにできないという心理があり、SUVに傾くユーザーが多かったのです。

■キムタクが乗った「テラノ」はどのように誕生した?

 SUV人気に対して、日産が出した解答が1986年に発売したマクドナルドのCMに登場するテラノ(WD21型)でした。

 テラノの洗練されたデザインは、当時の自動車好きにちょっとした衝撃を与えます。

 FRPシェルは大量生産に向かないということで、前席から後部まで一体型のスチール製ボディを採用。

 このデザインはアメリカ日産の「NDI」が手がけましたが、その後の2代目ハイラックスサーフをはじめ、現在発売されているSUVに至るまで、すべてはこのテラノがなければ生まれていないかもしれません。

 発売当初は2ドアのみでしたが、1989年に4ドアを追加。マクドナルドのCMに登場したのは4ドアモデルです。

 さらにエンジンやサスペンションの構造も、SUVの定義を作っていきます。ライバルのハイラックスサーフは改良後のモデルでも前:トーションバー、後:リーフスプリングという旧態依然とした形式を使っていたのに対して、テラノは前:ダブルウィッシュボーン、後:5リンクコイルリジッドという当時では豪華な構造を採用しています。

 さらにエンジンも、発売当初は2.7リッターディーゼルのみでしたが、デビューから1年後に3リッターV型6気筒ガソリンエンジンを追加。

 このV6エンジンは140馬力を発揮し、当時のオフロード4WDのなかでは突出した動力性能を持っていました。

 さらに1988年にはディーゼルエンジンをターボ化し、こちらも燃料費が安いことから人気を博します。

 また、発売の翌年には4速ATを設定するなど、イージードライブ化にもいち早く対応。

  その後、SUV人気はスバル「レガシィ」を筆頭とするステーションワゴンへと移り、テラノが2002年、ハイラックスサーフは2009年に日本での販売を終了しました。

スタイリッシュなフォルムで人気となった「ハイラックスサーフ」(画像は北米仕様)スタイリッシュなフォルムで人気となった「ハイラックスサーフ」(画像は北米仕様)

 同じ1989年には「打倒テラノ」を掲げて、ハイラックスサーフが2代目(N130型)にモデルチェンジします。

 テラノと同じくフルスチール製のボディに変更し、発売1年後には3リッターV型6気筒ガソリンエンジンを追加し、対テラノ戦略に万全を期しました。

 性能面ではテラノに一歩譲る感のあった2代目ハイラックスサーフですが、よりアメリア的なワイルドな雰囲気を纏っていたことから、大ヒットモデルとなりました。

 ちなみにテラノは、1995年にフルモデルチェンジ。2代目R50型はどこかハイラックスサーフのような丸みを帯びたデザインとなったことで、初代よりも高性能だったのにも関わらず評価は低いものになりました。

 その後、SUV人気はスバル「レガシィ」を筆頭とするステーションワゴンへと移り、テラノが2002年、ハイラックスサーフは2009年に日本での販売を終了しました。

 しかし、両モデルの意義は大きく、前述の通り、現在のSUVの礎となって多くのセオリーを後世に受け継いでいるのです。

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