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クロカン4駆の王道を行くモデルとは!? 無骨さが魅力の4WD車3選

くるまのニュース / 2020年9月3日 16時10分

現在、国内外で高い人気を誇っているSUVですが、1990年代初頭の日本ではクロスカントリー4WD車が爆発的にヒットした「RVブーム」がありました。この頃は各メーカーからクロスカントリー4WD車が発売され、数々の名車も誕生しています。そこで、1980年代から1990年代に登場したクロスカントリー4WD車を3台ピックアップして紹介します。

■ゴツいほど人気だった頃のクロカン4駆を振り返る

 近年、日本で人気上昇中のクルマといえばSUVがあります。また、欧州では日本以上に売れており、欧州全体のシェアは4割にもなるといいます。

 現在、販売中のSUVの多くは、乗用車をベースとしたクロスオーバータイプが主流で、舗装路での走行をメインに開発されていますが、かつては本格的なクロスカントリー4WD車(以下、クロカン4駆)が数多く存在。

 とくに1990年代初頭の「RVブーム」ではクロカン4駆が爆発的にヒットし、各メーカーから次々とクロカン4駆が発売されたほどです。

 そこで、1980年代から1990年代に登場した、王道をいくクロカン4駆を3台ピックアップして紹介します。

●トヨタ「60系 ランドクルーザー」

まだラグジュアリー路線ではなく質実剛健なモデルだった「60系 ランドクルーザー」まだラグジュアリー路線ではなく質実剛健なモデルだった「60系 ランドクルーザー」

 日本が世界に誇れるクルマはいくつもありますが、そのなかでも長い歴史があり、高い信頼性によって世界中で愛されているのがトヨタ「ランドクルーザー」シリーズです。

 ランドクルーザーには大きく分けて3つのタイプがあり、「ランドクルーザープラド」を代表とする「ライトデューティ」、2014年には期間限定で日本でも販売された「ランドクルーザー70」が「ヘビーデューティ」、そして、シリーズ最高峰の「ランドクルーザー200」が属する「ステーションワゴン」となっています。

 このうちステーションワゴン系のランドクルーザー200は、いまでこそラグジュアリーなモデルとして人気ですが、かつては生粋のクロカン4駆でした。

 1980年に発売された「60系 ランドクルーザー」は、1967年に発売された「55系」の後継モデルとしてデビュー。日本では商用車のライトバンとして販売されました。

 外観は55系に比べ迫力とモダンさを兼ね備えたデザインに一新。

 内装も前席をベンチシートからセパレートに変更し、乗車定員は従来の6名から5名となり、エアコンやパワーステアリング、ファブリックシートなどを装備したことで、より乗用車に近く、個人のユーザーからも支持されました。

 発売当初に搭載されたエンジンは4.2リッター直列6気筒ガソリンと、3.4リッター直列4気筒ディーゼルを設定。1982年には4リッター直列6気筒ディーゼルが追加され、後期型ではディーゼルターボや、ガソリンエンジンには電子制御燃料噴射が採用されています。

 トランスミッションも4速MTと5速MTのみでしたが、1985年には4速ATが加わり、イージードライブ化にも対応しました。

 駆動方式は全車トランスファーを手動で切り替えるパートタイム式を採用し、デフロックも設定されるなど、高い悪路走破性を誇っています。

 その後60系は改良を繰り返し、1989年に80系へとバトンタッチ。より豪華な装備が充実し、代を重ねるごとに駆動系の電子制御化が進み、最新の200系はクロカン4駆の最高峰に君臨。

 近年は無骨でクラシカルなデザインの60系の魅力が再評価され、80系のフロントフェイスを60系にコンバートするカスタムもおこなわれています。

●日産「サファリ」

無骨なフォルムが大いに魅力の2代目「サファリ」無骨なフォルムが大いに魅力の2代目「サファリ」

 国産クロスカントリー車の先駆けだった三菱「ジープ」と並ぶ存在だったのが日産「パトロール」です。このパトロールの後継車として、1980年に初代「サファリ」が発売されました。

 初代はシンプルな装備に迫力あるボディで、プロからも信頼される本物の「ギア」として人気となります。

 そして1987年に登場した2代目では、サスペンションを初代の4輪リーフリジッドからコイルスプリングへ変更するためにラダーフレームが新設計され、オンロード走行時の操縦安定性と、普段使いの快適性が大幅に改善されました。

 ボディバリエーションは、ロングホイールベースに4ドアの「エクストラ」と「エクストラハイルーフ」、ショートホイールベース、2ドアの「ハードトップ」と、3種類が設定され、ワイドトレッド化のための張り出したフェンダーによって全車1ナンバー登録となっています。

 1988年には4速AT車が追加され、1991年には3ナンバー登録のワゴンをラインナップし、エクストラでは3列シートの7人乗りとなり、幅広いユーザーを獲得。

 また、2代目サファリは発売当初、全車ディーゼルエンジンでしたが、ワゴンにはガソリンエンジンが搭載されるなど、乗用車要素が強くなり、RVブームの頃は大型で迫力のあるボディによって高い人気を誇りました。

 その後、1997年に3代目が登場。ブームの終焉によって国内での販売が低迷したことで、2007年に3代目をもってサファリの歴史に幕が閉じられましたが、現在も海外ではパトロールの名で販売が続けられており、よりラグジュアリーなモデルとなっています。

■クロカン4駆にまさかのエアロパーツ!?

●三菱「パジェロ エボリューション」

とにかく迫力という点では抜きん出た存在だった「パジェロ エボリューション」とにかく迫力という点では抜きん出た存在だった「パジェロ エボリューション」

 先のRVブームで忘れてはいけないのが、三菱「パジェロ」です。1982年に発売された初代は、ジープに匹敵する高い悪路走破性を発揮しつつ、乗用車に近い使い勝手の良さから、新時代のクロスカントリー4WD車として高く評価されました。

 一方で、パジェロの人気を一気に高めたのが「パリ-ダカール・ラリー」への参戦で、この世界一過酷なレースで活躍したことで、パジェロのブランドイメージを確立。

 そして、1991年に登場した2代目パジェロはRVブームの火付け役ともいわれるほど、高い人気を誇りました。

 ボディは2ドアのショートと4ドアロングの2種類で、ショートにはジープや初代と同様に、後席部分と屋根がキャンバストップの「Jトップ」をラインナップ。

 1997年には、ショートボディをベースに、世界ラリー選手権で活躍する「ランサー エボリューション」と同様のイメージとした「パジェロ エボリューション」を発売します。

 パジェロ エボリューションに搭載されたエンジンは3.5リッターV型6気筒自然吸気で、最高出力280馬力を発揮。トランスミッションは5速ATと5速MTが設定され、駆動方式はパートタイム式とフルタイム式の両方の特徴を併せ持つ「スーパーセレクト4WD」を採用。

 ボディは空力特性とオフロード性能を両立するように、大型フィン付リアスポイラー、ステップ付サイドエアダムを装備し、車体の剛性アップ、アルミボンネットの採用による軽量化が図られています。

 ほかにも専用デザインのバンパーと、大きく張り出した前後フェンダーは「エボリューション」の名にふさわしい迫力ある外観を演出。

 三菱はこのパジェロ エボリューションをベースとしたマシンで、1998年のパリ-グラナダ-ダカール・ラリーの市販車改造クラスに参戦。総合で1位から3位を独占する成績を収めています。

 その後のパジェロは1999年に3代目、2006年に4代目がデビューしましたが、2019年8月をもって国内向けの生産を終了。2021年中には、海外向けの生産を終える予定です。

※ ※ ※

 クロカン4駆の源流を遡ると、軍用車にたどり着きます。どんな環境でも壊れずに高い走破性を維持するというのが、軍用車に求められる最大の特徴で、クロカン4駆はそのコンセプトを受け継いだことでいまも世界中で活躍しているのです。

 一方で、日本ではクロカン4駆が性能を100%発揮するシーンはほとんどなく、RVブームではあれだけ増えたクロカン4駆は一気に数を減らしました。

 燃費が悪い、うるさい、高速走行が得意ではない、乗り心地が悪いなど、ネガティブな要素がRVブームの終焉を早めたといいますが、それでもクロカン4駆の本物のギアとしての機能美には、いまも色褪せない魅力があります。

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