今では無くなってしまった変わり種ばかり!? おもしろいエンジン搭載車3選

くるまのニュース / 2020年9月7日 16時10分

内燃機関を搭載した自動車が誕生して130年以上経ちます。その間にさまざまなエンジンが開発されては消えましたが、なかにはユニークなエンジンも存在。そこで、いまではほとんど見られなくなった変わり種なエンジンを搭載したクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

■ユニークなエンジンを搭載したクルマを振り返る

 1886年にドイツの技術者カール・ベンツが世界で初めて完成させた、原動機付きの三輪車から自動車の歴史が始まりました。自動車が誕生してから現在まで130年以上経ちますが、その進化は目覚ましいものがあります。

 なかでも動力源は、いまではハイブリッドやEVなど多様化が進みましたが、まだまだ内燃機関が主流です。

 そこで、いまではほとんど見られなくなった変わり種なエンジンを搭載したクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「R360クーペ」

マツダ初の乗用車でヒット作となった「R360クーペ」マツダ初の乗用車でヒット作となった「R360クーペ」

 一般家庭にとってマイカーを持つことは夢のような時代だった1958年に、軽自動車の「スバル360」が発売され、夢が現実に変わりました。

 それに追従するように、マツダも1960年に初の量産4輪乗用車である「R360クーペ」を発売。スバル360よりも低価格の30万円からとすることで、一気に販売トップを狙います。

 搭載されたエンジンは、最高出力16馬力を発揮する360cc空冷4サイクルV型2気筒OHV。これは1959年に登場したオート3輪の「K360」に搭載されたものをベースに改良されたエンジンで、アルミを多用することで軽量化が図られました。

 駆動方式はエンジンをリアに搭載し、リアタイヤを駆動するRRレイアウトを採用。トランスミッションは4速MTに加え、軽自動車では初のトルクコンバーターを用いた2速ATが設定される画期的なものでした。

 ボディも曲面を活かしたユニークなデザインの2ドアセダンタイプで、一見すると2シーターに見えますが4人乗りです。しかし、リアシートは大人が快適に乗るスペースはなく、緊急用に使えるレベルでした。

 また、サイドウィンドウとリアウィンドウはアクリルを用いてボディの軽量化が図られた結果、車重はわずか380kgで、この軽量なボディにサスペンションはトレーリングアームの4輪独立懸架を採用し、快適な乗り心地を実現。

 1960年に2万3417台を生産し、軽乗用車の生産シェア64.8%にも達するほどのヒット作となりました。

 しかし、ライバルのスバル360は大人4名乗車を前提に設計されたキャビンスペースのクルマだったため、販売は巻き返されてしまい、マツダは1962年に4シーターの軽乗用車「キャロル」を発売し、R360クーペから主力を引き継ぐことになりました。

 V型2気筒エンジンはオートバイでは一般的ですが、4輪自動車では搭載された事例はほとんどなく、国産車ではR360クーペ以降は登場していません。

 現在はモーガン「3ホイラー」が、V型2気筒エンジンを搭載している唯一のクルマですが、極少数の生産に留まっています。

●フォルクスワーゲン「パサート」

ある意味、かなり贅沢なクルマだった「パサート W8 4モーション」ある意味、かなり贅沢なクルマだった「パサート W8 4モーション」

 アウディ「80」の姉妹車として1973年に登場したフォルクスワーゲン「パサート」は、5ドアハッチバックをメインとし、「ゴルフ」よりもワンランク上のクルマとして誕生。

 3代目以降は4ドアセダンとステーションワゴンのボディラインナップとなり、代を重ねるごとにボディの大型化が図られ、高級化路線へとコンセプトが変化しました。

 1996年に発売された5代目パサートでは、2001年の大幅なマイナーチェンジの際に外観デザインを大幅に変更し、同時にトップグレードの「パサート W8 4モーション」には、最高出力275馬力を発揮する4リッターW型8気筒エンジンを搭載。

 フォルクスワーゲンが独自に開発したW型エンジンは、ゴルフなどに採用した「狭角」のV型エンジンを2基組み合わせたようなレイアウトで、同じグループのベントレーにはW12気筒も存在しています。

 W型のメリットとしては、同じシリンダー数のV型よりもコンパクトなサイズとすることができ、W型8気筒の場合は一般的なV型6気筒並のサイズを実現しました。

 パサート W8 4モーションはトルクフルなエンジンによって、1750kgの車重を感じさせない余裕あるドライブフィールと、トルセンデフを採用したフルタイム4WDにより路面状況を選ばない安定した走行が特徴です。

 しかし、部品点数が多い多気筒エンジンはコスト的には不利で、フォルクスワーゲンがダウンサイジングターボを主流としたこともあり、2005年に6代目が登場すると、W型8気筒エンジンは廃止されました。

 なお、このW型8気筒エンジンはパサート以外に搭載されず、現在では非常にレアなモデルとなっています。

■F1エンジンの開発に貢献したモデルとは!?

●ホンダ「アコードインスパイア」

スタイリッシュなフォルムが印象的な「アコードインスパイア」スタイリッシュなフォルムが印象的な「アコードインスパイア」

 1976年に発売されたホンダ「アコード」は、コンパクトカーの「シビック」よりもワンランク上のセグメントのモデルとして登場。発売当社は3ドアハッチバックのみでしたが、後にセダンが追加されると、2代目以降はセダンを主軸とするモデルとなりました。

 その後、ステーションワゴンやクーペが加わるなど、ボディラインナップの多様化がおこなわれましたが、代を重ねると、ホンダを代表するミドルクラスセダンとして定着します。

 そして、1989年に登場した4代目では、アコードと「レジェンド」の間に位置する4ドアハードトップセダンの「アコードインスパイア」を、派生車として発売。

 ボディは全長4690mm×全幅1695mm×全高1355mm、ホイールベースは2805mmとロングホイールベースの伸びやかなデザインが特徴で、低く構えた高級感のあるフォルムとなっています。

 エンジンはFF車として理想的な前後重量配分とするために、フロントミッドシップに縦置きに搭載。

 2リッターと2.5リッター直列5気筒を採用したことで、アコードのスポーティ路線と異なる多気筒化による静粛性と滑らかな回転の上昇を実現。

 ほかにも内装に天然木、本革、エクセーヌなど上質な素材を惜しみなく使うことで、本物指向の上品で贅沢な味わいとなっていました。

 この直列5気筒というレイアウトのエンジンは、アウディやボルボで広く採用され、メルセデス・ベンツやトヨタも搭載しており、1990年代から2000年代はメジャーなエンジンでした。また、ホンダも「アスコット/ラファーガ」など、搭載車種を拡大。

 しかし、ミドルクラス以上のクルマではV型6気筒エンジンが主流となり、世界的にも直列5気筒エンジンは減少し、現在は採用するメーカーはありません。

 なお、ホンダの直列5気筒エンジンに採用された振動軽減のバランサーや、クランクシャフトのレイアウトは、1990年にF1へ投入された3.5リッターV型10気筒エンジンの開発に、貢献したといいます。

※ ※ ※

 2000年代から欧州車を中心に始まったダウンサイジングターボエンジンは、現在、主流となるほど普及しています。

 極端な例ではメルセデス・ベンツ「Eクラス」のエントリーグレード、「E200 アバンギャルド」には1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載しており、1.5リッターのEクラスが出るとは、ひと昔前までは考えられませんでした。

 エンジンのダウンサイジングはさまざまなメリットがありますが、なかでもコストダウンの効果が大きく、今後はメーカーとしてもさらに採用を拡大していくと予想されます。

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