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なぜポルシェは販売絶好調? コロナ禍でも前年比超え「一人勝ち」の理由

くるまのニュース / 2020年9月11日 8時10分

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自動車、とくに輸入車市場は大きなダメージを受けている。そんななか、1月から8月の累計で、前年同期比でプラス成長を続けているのがポルシェだ。上位のドイツブランドが軒並み不調ななか、なぜポルシェは右肩上がりで販売を伸ばし続けられるのだろうか。

■2020年1-8月の輸入車市場は全体でマイナス21.7% ポルシェはプラス5.6%

 2020年9月4日、日本自動車輸入組合(JAIA)より、「2020年8月度 輸入車新車登録台数」が発表された。

 その結果を見ると、外国メーカーのこの8月の登録は1万8183台で、前年同月比マイナス15.4%。1月から8月までの累計は15万1014台で、前年比マイナス21.7%。やはりコロナ禍の悪影響がありありと見える、さんざんな結果となっている。

 しかし、そんななか、前年比プラスを堅守しているのがポルシェだ。

 8月単月の発売は503台で、前年比プラス10.1%、1月から8月の累計でも4532台で、プラス5.6%となったのだ。

 日本では4月7日から5月25日まで約1か月半もの間、特措法に基づく緊急事態宣言がおこなわれ、経済活動がほぼストップしていた。それにもかかわらず、いったいなぜポルシェは好調な販売を維持できたのであろうか。

 その答えは、意外と単純なものであった。「独自の販売方法」がその理由だ。

 どういうことかといえば、ポルシェの日本での販売は、現物にあるクルマを前に「これを買う」という方法ではなく、「予約したものを買う」、つまり受注生産のようなスタイルをとっているのだ。

 そのため、予約から実際の納車までには、それなりの時間が必要となる。だいたいにおいては半年から1年ほど。つまり、2020年前半の登録車は、そのほとんどが2019年に予約されたものとなる。それはコロナ禍の前だから、当然のように、コロナ禍の影響を受けにくかったというわけだ。

 ちなみに、2020年の登録車の人気ベスト5は、1位「マカン(ベースモデル)」、2位「カイエン(ベースモデル)」、3位「911カレラ」、4位「マカンGTS」、5位「911カレラS」になっているという。

「台数は公表していませんが、上位3台は非常に僅差となっています。ちなみに718モデルレンジでのトップは『718ケイマンGT4』で、5位のカレラSと大きな差はありません」とはポルシェジャパンの広報によるコメントだ。

ポルシェのラインナップのうち、日本での人気1位はミドルサイズSUVの「マカン」だポルシェのラインナップのうち、日本での人気1位はミドルサイズSUVの「マカン」だ

 1位から3位が僅差であり、5位以下の差もあまりないというのは、どれかひとつ抜きんでて売れているのではなく、全体として、まんべんなく売れているということ。こうした売れ方もポルシェの強みといえるだろう。

 ちなみに売れ筋1位のマカンの、日本での予約販売開始は2018年12月、カイエンは2017年12月。注文から納車まで1年ほどかかると考えれば、なるほど、2020年のトップを占めるのも納得といえるだろう。

■今後ポルシェ初の市販EV「タイカン」も登場

 ポルシェ・ジャパンの販売方法が「受注生産」といえるようなものであれば、コロナ禍の影響を受けるのは、ずばり、この秋から冬にかけてといえる。この先は、いったいどうなるのであろうか。

 注目したいのは新型車の存在だ。ポルシェジャパンは、2020年2月に「718ケイマンGTS4.0/718ボクスターGTS4.0」を発表し、予約を開始。また6月にポルシェ初の市販EVとなる「タイカン」、7月に新型「ポルシェ911ターボ」、8月に新型「パナメーラ」の予約をスタートしている。

ポルシェ初の市販EVとなる「タイカン」ポルシェ初の市販EVとなる「タイカン」

 どれも注目度の高いモデルばかり。これらの売れ行きが、この先のポルシェの登録台数に影響を与えることだろう。

 しかし、意外にもポルシェジャパン広報のコメントは力強いものであった。

「タイカンの販売は順調に推移しており、45%が初めてポルシェを購入される方で、95%が現在ガソリン車のオーナーという統計が出ています。2020年内には各販売店で試乗車を配置する予定ですが、台数および納期は公表していません」とポルシェ・ジャパン広報。

 驚くのは、予約注文した半数近くの人が「初ポルシェ」というところだ。フルEVということで、これまでポルシェに興味のなかった人を呼び寄せる力となっているのだ。これはEV路線という、新しいポルシェの戦略の発展を予感させる結果といえるだろう。

 結果からいえば、ポルシェは、コロナ禍という輸入車だけでなく自動車産業全体を襲った激震にも、現状ではわずかな影響しか見せていない。

 もしかすると、ポルシェのような趣味性の高いブランドは、景気の変動にあまり大きく影響されないのかもしれない。ちなみに、「2020年8月度 輸入車新車登録台数」にもう一度目を向けると、1月から8月で前年比プラスとなったのはポルシェだけではない。ほかに「シトロエン」(プラス2.4%)、「フェラーリ」(プラス10.3%)、「キャデラック」(プラス1.3%)、「ロータス」(プラス17.7%)とある。とくに、フェラーリ、ロータスの伸長は注目すべき数字だ。

 振り返ってみれば2020年1月から8月、輸入車は全体として2割ほど減ったものの、ポルシェ、フェラーリ、ロータスという、高級スポーツカーブランドは、すべて前年よりも1割も販売を伸ばしている。

 さらにポルシェは、「初のEV」という挑戦も成功しそうな気配が濃厚だ。ポルシェの強さは恐るべきもの、としか言いようない結果だ。

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