ドライビングがスポーツだった!? アナログだけど優れたハンドリングの車3選

くるまのニュース / 2020年9月14日 16時10分

近年、クルマの安全性能は飛躍的に向上し、とくにコーナリング時の姿勢制御やブレーキ制御に電子デバイスが介入することで、安全かつスピーディになりました。一方で、ハイテク装備が充実していなかった頃でも、優れたハンドリングのモデルも存在。そこで、アナログだけどコーナリングマシンと評されたクルマを3車種ピックアップして紹介します。

■スピードだけでなくドライビングの楽しさを求めたクルマを振り返る

 コンピューターの演算速度やセンサーの性能向上によって、近年、クルマの各性能は目覚ましい進化を遂げました。なかでも、能動的な安全性能は劇的に変化したといえます。

 各種電子デバイスを搭載することで、出力やブレーキの制御に積極的に介入してタイヤのグリップを最大限に引き出し、車両の姿勢を安定させることで、安全かつスピーディなコーナリングが可能になりました。

 一方で、かつてハイテク装備が充実していない頃でも、シャシ性能を高めることで、優れたハンドリング性能を実現したクルマが存在。

 そこで、アナログだけどコーナリングマシンと評されたクルマを3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「インテグラ タイプR」

走ることに特化したストイックなモデルだった「インテグラ タイプR」走ることに特化したストイックなモデルだった「インテグラ タイプR」

 ホンダは1990年に、世界で通用するスーパースポーツカー「NSX」を発売。日本ではバブル経済という背景もあり、1000万円近い高額なクルマにもかかわらず、発売直後には3年分のバックオーダーを抱えたほどです。

 スーパーカーながら使い勝手も良く、新世代のスポーツカーとして高く評価されました。

 そして、ホンダは1992年にNSXをさらにチューニングした「NSXタイプR」を発売。サーキット走行をターゲットに開発されたため、街乗りが厳しいほどスパルタンなモデルでした。

 1995年には3代目「インテグラ」にタイプR第2弾として「インテグラ タイプR」を追加。3ドアクーペと4ドアセダンがラインナップされます。

 インテグラ タイプRはNSXと同様にエンジン内部に手が入れられ、最高出力200馬力を誇る1.8リッター直列4気筒VTECを搭載。初期のモデルは手作業によるポート加工も施されていました。

 また、ボディ各部の材料を見直し、快適装備を廃止することによって約26kgもの軽量化を実現。

 足まわりはスプリングや各ブッシュが強化された4輪ダブルウイッシュボーンで、シャシも各部の板厚アップやパフォーマンスロッドの追加などにより高剛性化が図られ、旋回性能を向上させています。

 外装には専用の前後スポイラーと赤地の「H」エンブレムを装着し、内装もレカロ製シートやMOMO製ステアリング、チタン製シフトノブなどを採用してスポーティに演出。

 1994年に登場したライバルの三菱「FTO」も優れたコーナリング性能が高く評価されていましたが、トレースコントロール機能やスリップコントロール機能などのデバイスを採用していました。

 それに対してインテグラ タイプRは昔ながらのレースカーと同様な手法で高性能化されています。

 そして、1998年のマイナーチェンジで「98スペック」と呼ばれる改良がおこなわれ、2001年には2代目インテグラ タイプRがデビュー。

 しかし、インテグラはクーペ人気の低迷から2006年に生産終了となり、この代をもってホンダのラインナップから姿を消してしまいました。

●ユーノス「ロードスター」

オープン2シータースポーツカー復活の立役者だった「ロードスター」オープン2シータースポーツカー復活の立役者だった「ロードスター」

 1989年、マツダが展開していた5つのブランドのひとつ「ユーノス」から、2シーターオープンスポーツカーの初代「ロードスター」が発売されました。

 当時、オープン2シーター車は世界的に減少傾向にあり、国内メーカーでは完全に撤退している状況だったため、久しぶりのオープンカー、しかもFRのスポーツカーとあって注目を浴びました。

 外観のデザインは往年の英国製スポーツカーをオマージュしたようなフォルムで、丸みを帯びたボディはコンパクトで軽快さが感じられました。

 シャシはロードスター専用に開発されましたが、エンジンは既存の1.6リッター直列4気筒をベースに、最高出力120馬力と決してパワフルではありませんでしたが、200万円を大きく下まわる安価な価格を実現し、手軽に乗れるスポーツカーとして国内外でヒットします。

 サスペンションはスポーツカーでは王道の4輪ダブルウイッシュボーンを採用。ベースグレードで940kgと軽量かつ高剛性な車体、ハイグリップすぎないタイヤなどの相乗効果で、だれでもファントゥドライブが味わえました。

 このロードスターのヒットは世界中のメーカーに波及し、国内のみならず欧州メーカーも次々にオープン2シーターを発売することで、1980年代に消えかかっていたオープンカー文化を再燃させました。

 現行モデルの4代目ロードスターは初代のコンセプトに原点回帰し、いまも世界中から愛されています。

■技術の日産を象徴するようなスポーティセダンとは

●日産「プリメーラ」

新たな世代のスポーティセダンとしてデビューした「プリメーラ」新たな世代のスポーティセダンとしてデビューした「プリメーラ」

 1980年代にターボエンジンが一気に普及し、日産は次々とエンジンの高性能化を進めました。しかし、エンジンパワーが向上する一方で、シャシ性能が追いついておらず、いわゆる「直線番長」と呼ばれるクルマも散見される状況でした。

 そこで、日産では『1990年までに走りにおいて世界一を狙う』というスローガンを掲げ、これを「901活動」というプロジェクトとしてスタート。

 この901活動を実現した代表的な車種として、北米市場に向けた4代目「フェアレディZ」、日本市場では「R32型 スカイラインGT-R」、そして欧州市場をターゲットとしたモデルが初代「プリメーラ」があります。

 初代プリメーラは1990年に発売された新世代のFFセダンで、欧州車に匹敵する走りの性能と、快適性、使い勝手の良さを高い次元でバランスさせることをコンセプトとしていました。

 ボディは当時としてはオーソドックスかつスタイリッシュなフォルムで、派手すぎず飽きがこない優れたデザインと評されます。

 エンジンはトップグレードに最高出力150馬力を発揮する2リッター直列4気筒を搭載。トランスミッションは5速MTおよび4速ATを設定しました。

 足まわりは前輪にマルチリンク、後輪にパラレルリンクストラットの4輪独立懸架を採用し、軽快なハンドリングと、優れた乗り心地を実現して高い評価を得ます。

 さらに、広い室内空間と大容量のトランクなど、正統派セダンにふさわしいユーティリティも兼ね備えていたことで、日欧でヒットを記録。

 その後、1995年に2代目が、2001年には3代目が、初代のスポーティセダンというコンセプトを引き継いでデビューしますが、セダン人気の低迷から2005年に生産を終了し、プリメーラの歴史に幕を閉じました。

※ ※ ※

 先進安全技術の普及によって、クルマの安全性は飛躍的に向上したといえます。実際にスバルは2016年に、同社のアイサイト搭載車による追突事故が84%減少し、歩行者事故発生率は49%減少したと発表しました。

 こうした先進安全技術の普及が実現した背景には、各メーカーやサプライヤーの努力によるコスト削減が関係しています。

 アイサイトを例に挙げると、前身の「ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)」が1999年発売の「レガシィ ランカスター」に搭載されましたが、この時は55万円高でした。

 その後、機能になりながらも大幅なコストダウンに成功し、アイサイトVer.2ではオプション価格が10万円まで下がりました。

 ドライビングにクルマが介入することを好まないユーザーもいますが、安全性については、クルマの介入は歓迎すべき事ではないでしょうか。

しかし、いくら先進技術でも万能ではありませんので、散漫な運転にならないように注意しましょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング