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輸入車は壊れやすいってホント? 修理代が国産車より高くなる理由とは

くるまのニュース / 2020年9月21日 18時10分

国産車とは違う魅力を持つ輸入車ですが、輸入車は壊れやすく、修理代も高くなりがちといわれていますが、それは本当なのでしょうか。輸入車の整備事情について、プロに聞いてみました。

 国産車にはない魅力がある輸入車に、1度は乗ってみたいと思う人も多いでしょう。

 その一方で、「輸入車は壊れやすく、修理代が高い」といわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか。

「輸入車は壊れやすいのか」という点については、半分正解だといえます。すぐに壊れることはないので「壊れやすい」といい切れるわけではありませんが、意外な部分が壊れることがあるのは事実です。

 秀自動車(栃木県宇都宮市)の整備士である高島氏は、次のようにいいます。

「輸入車が壊れやすいと思われているのは、ヨーロッパや北米と日本の事情が違うというのが原因だと考えられます。

 日本のように、信号などでストップ&ゴーを繰り返す環境は、世界的に見ても珍しいです。また昨今は日本の気候変動が激しく、昔と比べて夏には年々気温が上昇しており湿度も高いです。

 輸入車は当然ながら熱対策が施されていますが、日本の過酷な交通環境は設計段階での想定を超えているのかもしれません」

 さまざまな分野でグローバル化が進み、製品の信頼性も向上しているとはいえ、輸入車は、完全には日本の道路事情にマッチしていない、または考慮した設計になっていないのが実情だといえます。

 その点、国産車メーカーは日本の風土、道路事情を熟知しており、かつ日本人がクルマに求めるものを把握した上で設計されており、そこは国産車と輸入車の違いでしょう。

 日本とは環境が異なる輸入車では、どのような部分が壊れがちなのでしょうか。

「長距離を走ることが多い国のクルマと渋滞が多い日本のクルマでは、エンジンルームの熱対策が異なり、電装系が異常を起こして意外なところが壊れやすくなってしまうのだと思います。

 ただ、パワーウインドウのモーターやウインカー、ルームランプなどの室内灯などの電装系だけでなく、スイッチやレバーなどの樹脂製品、ドアやボンネット、エンジンに使われるガスケットやホースなどのゴム製品の劣化による故障が多いのは事実ですが、走行中にエンジンが壊れるといったトラブルは少ないようです。輸入車のエンジンの信頼性は高いといえます」(高島氏)

 その一方で、「国産車だから、細かい部品の信頼性も大丈夫」と安心できないともいえます。

「世界中でパーツのグローバル化が進んでいます。たとえば日産はルノーと提携関係を結んでいる関係で、エアコンのコンプレッサーにEU製品を採用している車種もあります。

 これは日産だけの話ではなく、すでにほかの国産メーカーもパーツだけでなく組み立てまで海外の工場でおこなうため、細かいパーツや消耗品などはできるだけ安い現地で調達するということでしょう。

 そうなると、海外で生産されている国産車でも、マイナートラブルが増える可能性は否定できません」(高島氏)

※ ※ ※

 これはクルマに限ったことではなく、我々が普段使用しているスマートフォンも海外で生産され、内蔵される精密機器も海外製です。精密機器の集合体であるクルマになれば、さらに海外のパーツに依存する率が高まるのは必然ではあります。

 ただ、国産車の場合は、前述のように日本の交通事情や気候を考慮した設計としているため、エンジンルーム内の熱対策などが適切に施されています。そのため、海外パーツでも高い信頼性を確保できているのでしょう。

■輸入車の修理代が高いのには訳がある

 輸入車で故障が発生したときに気になるのが修理代です。国産車と比較して輸入車の修理代は高いといわれていますが、どれくらい違うのでしょうか。

専用工具や知識をもったメカニックが対応するため輸入車の修理代は高くなる専用工具や知識をもったメカニックが対応するため輸入車の修理代は高くなる

 前出の整備士 高島氏は次のように説明します。

「輸入車の場合は、パーツの輸送コストが上乗せされることから、国産車と比較すると修理代が高額になってしまうケースが多いです。

 あるドイツメーカーのリアバンパーは業者価格でも10万円以上しますが、同クラスの国産車の場合は5万円もしません。パーツ単価の価格が違うということを念頭に入れておく必要があります」

 また修理費に関しては、パーツ以上にかかるのが工賃(人件費)です。国産ディーラーと輸入車ディーラーでは、工賃の基本単価も大きく違うのだそうです。

「国産メーカーと比較すると輸入車の正規ディーラーでは、基本工賃の単価が倍以上に設定されています。ただ、これには理由があって、エンジンルームのレイアウトが似ていたり基本構造が近い国産車に対し、輸入車の場合はそのクルマ独自のレイアウトを採用するために、専用の工具を使う場合もあります。

 またそのクルマの特性について知識を持ったメカニックが手がけるので、どうしても工賃が高くなってしまうのです」(高島氏)

 それでは、輸入車と長く付き合っていくためには、どう扱うといいのでしょうか。

「これは輸入車に限ったことではありませんが、ギリギリまで無理をさせないことが大切だと思います。クルマは人間の体と一緒である程度は無理もききますが、限界点を超えると一気に不具合が出やすくなります。

 たとえばハンドルを目一杯切ったロック状態でエンジンを切るとか、無理やり段差を乗り越えるとか、エアコンを強風にしたままエンジンをOFFにするといった、クルマに負荷がかかった状態にしたまま放置しないことです。

 また消耗品は定期的に交換し、ついでに調子を落としているところをチェックしてもらえば維持費も抑えられると思います」(高島氏)

※ ※ ※

 輸入車は専用パーツや専門知識を持ったメカニックによる修理に必要なため、国産車と比べるとどうしても修理代が高くなってしまうということですが、これは故障したときやパーツなどが破損した場合の話です。

 多少工賃は違うものの、オイル交換やフルード交換など、使用しているオイル類は一緒なのでそれほど変わりません。

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