先々が不安なモデルばかり!? 現行モデルのレア車5選
くるまのニュース / 2020年9月19日 6時10分
人気があって街にあふれるクルマがある一方で、さまざまな理由から販売台数が少なく、ほとんど見かけないクルマも存在。そこで、現行モデルながら滅多に見かけることのないレアなクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
■すべてのクルマが大ヒットするわけではない、現行モデルのレア車5選
自動車メーカーは、多種多様なモデルをラインナップしており、絶え間なく新型車を開発しています。1台のクルマを開発するために多額の開発費を投じ、また数年の開発期間を費やしているため、採算がとれなければ死活問題になりかねません。
そのため、メーカーは新型車を発売するにあたり、販売目標台数を決めますが、残念ながら目標を下まわってしまうモデルも存在。
そこで、さまざまな事情で販売台数が少なくなってしまっているモデルのなかから、とくにレアなクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「i-MiEV」
軽自動車から登録車に格上げされた世界初の量産EVの「i-MiEV」
三菱「i-MiEV」は、軽自動車の「i」をベースとし、2010年より個人向けに販売が開始された世界発の量産電気自動車です。
ベースとなる軽自動車の「i」は、近未来的なデザインが採用されている点も特徴で、他社には無い個性的なモデルとしてRRを採用。i-MiEVも同様にリアにモーターを搭載し、後輪を駆動しています。
また、重量のある駆動用バッテリーは前輪と後輪の間のシート下に搭載されているので、重心が低く車両の中心付近にあり、安定した走りを実現。
i-MiEVは欧州市場へOEM供給もなされ、プジョー「アイオン」やシトロエン「C-ZERO」といった派生モデルが登場しました。光岡自動車では「ライク」の名前でカスタマイズされ、これらの派生モデルは、i-MiEVとは違って、軽自動車の枠を超えた小型車サイズで展開されました。
2018年には、i-MiEVも道路運送車両の保安基準の改正に合わせ、対歩行者安全性強化のため、フロントバンパーが85mm延長されたことから軽自動車から登録車に変更になりました。
現行モデルは1グレードのみで価格は300万3000円(消費税込)、国からの補助金が16万4000円、地方自治体からの補助金もあり、東京都では30万円が支給されますが、それでも250万円ほどと高額です。
さらに、航続可能距離もカタログ値で164km(JC08モード)、実質は100km前後とあって、今後も販売増はあまり期待できません。
●日産「フーガ」
安全性能が大きく向上したものの人気はいまひとつの「フーガ」
日産「フーガ」は、同社の上級セダン「セドリック/グロリア」の後継車として2004年に誕生したモデルです。当時の日産には、さらに上級の「プレジデント」や「シーマ」などがラインナップされていましたが、高級ドライバーズカーとしてフーガは一定の人気がありました。
2009年に登場した2代目は、曲線を生かしたスタイリッシュな外観を採用し、より一層ドライバーズカーとしての色を強めています。
その後、フーガのホイールベースを延長して、シーマとしても販売されました。
しかし、発売後11年が経過した2020年現在、シーマ、フーガともに販売が継続されていますが、ライバルに対してアドバンテージが築けず販売台数は激減しています。
2019年12月にマイナーチェンジがおこなわれ、安全装備の充実が図られましたが、状況は好転したとはいえません。
このような状況なので、本来は1ランク下のモデルとはなるものの、プロパイロット2.0など先進機能を搭載し、高性能モデルもラインナップする、「スカイライン」の方が魅力的です。
●ホンダ「インサイト」
ライバルに対して価格設定の見直しが迫られる「インサイト」
初代「インサイト」は、ホンダ初の量産ハイブリッドカーとして1999年に登場しました。初代2シーターのクーペモデルで、軽量コンパクトなボディによって、当時の量産ガソリン車で世界最高燃費の35km/L(10・15モード)を達成しました。しかし、2シーターということが仇となって販売は低迷。
そこで、3年のブランクを置いて2009年に登場した2代目は、トヨタ「プリウス」に対抗できるモデルとして5ドアハッチバックスタイルを採用し、比較的安価な価格設定で登場しました。
しかし、プリウスは価格対策で旧モデルの併売もおこない、結果、2代目インサイトも大ヒットはしませんでした。
現行モデルとなる3代目インサイトは、4年間のブランクをあけて、2018年に北米市場から先行販売されました。北米では高い人気を誇るアコードとシビックの間を埋めるモデルとして投入。
スタイルはスタイリッシュなデザインが採用されたクーペセダンで、内装もワンランクアップした上質な室内空間となっています。
日本でも同年に発売されましたが、SUV人気にシフトしているなかでは、セダン市場全体の縮小もあり、当初から苦戦を強いられた状況です。
また、インサイトのベースモデルの価格は、プリウスに対して約75万円も高く、2020年4月の販売台数が315台と低迷が続いています。
そもそも主戦場がアメリカとなっているため、国内ではすっかりレア車となってしまいました。
■唯一無二の軽商用EVに活路はある!?
●三菱「ミニキャブ MiEV」
都内では今後よく見かけることになりそうな「ミニキャブ MiEV」
三菱のMiEVシリーズとしては、軽1BOXバンの「ミニキャブ MiEV」や軽トラックの「ミニキャブ MiEV トラック」もラインナップされていました。
ミニキャブ MiEVはその名のとおり、かつて販売していた軽1BOXバンの「ミニキャブ」をベースとしたEVです。
現行モデルではミニキャブ MiEV トラックは廃止となってしまい、ミニキャブ・ミーブのみを販売しています。
量産型EVが出始めた頃は、長距離移動には向かず、タウンコミュニケーターとして活躍するのではないかといわれていました。
そうしたニーズにミニキャブ MiEVは対応していますが、実際は、より大容量のバッテリーを搭載した「テスラ」や日産「リーフ」などが人気を博し、タウンコミュケーターとしての量産EVは割高感もあって、現在も普及していません。
日本郵政は2019年11月に、配達車として2020年度末までにあらたにミニキャブ MiEVを1200台導入すると発表しているので、これらの成果が他の運送業者に波及するのか注目されます。
●ダイハツ「ハイゼット キャディー」
ウェイクがベースとあってスタイリッシュな軽バンの「ハイゼット キャディー」
ダイハツ「ハイゼット キャディー」は、「ハイゼット」という名前がついているもののハイゼットベースの派生モデルではなく、軽ハイトワゴンの「ウェイク」をベースとした軽商用バンです。
スズキは軽商用バンとして「ハイゼットカーゴ」をラインナップしており、コンパクトで大量の貨物を積むことができることから、運送業や建設業などさまざまな現場で活躍しています。
一方で、ハイゼット キャディーは、ウェイクがベースなため、ハイゼットカーゴよりも積載量は劣るものの、乗り心地や安全面で有利なレイアウトとなっています。
また、デザインもウェイクそのものでカラフルなカラーリングを設定していることから、積載量にシビアではなく乗用車ライクに使いたいという、生花店やベーカリーなどが便利に使える仕様となっています。
しかし、車内は2シーターのみと割り切っており、後部はフラットフロアが採用されるなど、荷物の積載には工夫されていますが、いざという時に3人、4人と人を乗せることはできません。
また、ビジネスシーンで使うには、価格面や積載量で中途半端な状況になってしまったことで、販売は良好とはいえない状況が続いています。
※ ※ ※
レア車になっているこれらのモデルは、新しい挑戦をしたもののユーザーが欲しいものとは少し違っていたり、ニーズの変化、後継モデルが不透明なことなど、さまざまな要因が重なって販売台数が少ないまま生き残っています。
ほかの人とは違うクルマに乗りたいというユーザーには、ニーズが合えば、こういったレア車を選んで見ても、おもしろいかもしれません。
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