いま見ると妙にカッコいい!? 1980年代デビューのハッチバッククーペ3選
くるまのニュース / 2020年9月17日 16時10分
近年はSUVやミニバン、コンパクトカー、軽自動車が、各メーカーの主力商品となっており、それ以外のラインナップは縮小傾向にあります。なかでも顕著なのが3ドアハッチバッククーペで、いまでは高性能かつ高額なモデルがわずかに販売されている状況です。そこで、かつては若者の愛車として定番だったハッチバッククーペを、3車種ピックアップして紹介します。
■1980年代に途上したスタイリッシュな3ドアハッチバッククーペを振り返る
現在、各自動車メーカーの主力商品といえば、SUVやミニバン、コンパクトカー、軽自動車などで、それら以外のモデルは縮小傾向にあります。
そのなかでも、1990年代をピークに急激に数を減らしてしまったのが3ドアハッチバッククーペで、現行では高性能で高額なモデルがわずかに生き残っている状況です。
一方で、1980年代には若者が乗るクルマとして、ホンダ「シビック」やマツダ「フェミリア」などの2BOXハッチバックか、3ドアハッチバッククーペが定番で、どちらも高い人気を誇っていました。
そこで、いまでは見られなくなったコンパクトな3ドアハッチバッククーペを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「サニーRZ-1」
まさに「クサビ」そのものといったシャープなデザインの「サニーRZ-1」
日産は1966年に、マイカー時代到来に歩調を合わせるために、大衆車の「サニー」を発売。2代目からは早くもスポーティなモデルを加え、代を重ねました。
1985年に登場した6代目では、特徴に乏しかった先代からデザインを大きく変え、直線基調のシャープなデザインに一新。
当初、6代目サニーのボディバリエーションはセダンと2BOXの3ドアハッチバック、ステーションワゴンで、どれもフロントまわりのデザインは共通とされていました。
そして、1986年にスラントノーズとウエッジシェイプが強調されたデザインの、3ドアハッチバッククーペ「サニーRZ-1(アールズィー・ワン)」を追加ラインナップ。
フロントフェイスもRZ-1専用のデザインとされており、他のモデルとの差別化が図られています。
当初、搭載されたエンジンは、自然吸気とターボの1.5リッター直列4気筒SOHCで、発売から数か月遅れて、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した、スポーティグレードもラインナップされました。
RZ-1は個性的なルックスで人気となっただけでなく、NISMOバージョンを展開するなど、若いユーザーへ訴求することでサニーに対するイメージアップに貢献し、セダンや3ドアハッチバックも同時にヒットします。
1990年に7代目が登場するとボディバリエーションの整理がおこなわれ、オーソドックスなセダンのみとなり、サニーRZ-1は一代限りで生産を終えました。
●スバル「レオーネRX/II」
いかにも1980年代というフルエアロが装着された「レオーネRX/II」
意外と知られていないのが、1989年にスバル初代「レガシィ」、1992年に初代「インプレッサ」が発売された後も、1994年まで「レオーネ」(セダンとバン)が併売されていたという事実です。
レオーネは1971年にデビューし、水平対向4気筒エンジンを搭載したFFの2ドアクーペから始まり、後に、FFのメリットを活かした広い室内のセダンやステーションワゴンがラインナップし、スバルの一時代を築きました。
1984年に4ドアセダンが3代目にモデルチェンジされると直線基調のシャープな外観となり、1985年には3ドアハッチバッククーペの「レオーネクーペ」が登場。
レオーネというとセダンと「ツーリングワゴン」のイメージが強いのですが、初代から一貫してクーペをラインナップしています。
1986年には1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンと、舗装路での走行性能を重視したスバル初のフルタイム4WDシステムを搭載した「レオーネRX/II」が追加ラインナップされました。
前後駆動力配分は50:50を基本とし、低重心の水平対向エンジンと強化された専用サスペンションとの組み合わせで、高いコーナーリング性能と安定した走りを実現。
外観も車体の全周にわたってエアロパーツが装着される、いわゆる「フルエアロ」を採用することで、質実剛健なイメージが強かったレオーネを、華やかに演出していました。
しかし、前述のレガシィの登場とともに、クーペは廃止となり、RX/IIは短命に終わりました。ちなみにインプレッサにも2ドアクーペの「リトナ」が1995年に追加されましたが、すでにニーズが無く、短命におわっています。
■全車DOHCとして高性能路線となったモデルとは!?
●ホンダ「クイントインテグラ」
すべてが一新されスタイリッシュかつ高性能車に生まれ変わった「クイントインテグラ」
現在、ホンダの販売チャネルは「ホンダカーズ」に統一されていますが、かつては「クリオ」「プリモ」「ベルノ」の3チャネルを展開していました。
なかでもベルノ店は1978年に、スペシャリティカーの初代「プレリュード」の発売に合わせていち早く立ち上がった販売チャネルです。
このベルノ店から1980年に発売された「クイント」は、シビックの上位車種にあたり、欧州テイストの5ドアハッチバックボディを採用。
しかし当時、5ドアハッチバックは売れないジンクスがあり、実際にクイントの販売は低迷してしまいます。
そこで、1985年にクイントの後継車「クイントインテグラ」を発売。全車DOHCエンジン搭載した3ドアハッチバッククーペとなり、スタイリング、走りなど、全てが一新されました。
クイントインテグラの外観は、リトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズ・低ボンネットが特徴で、リアではサイドに少し回り込んだラップラウンド・リアウインドウとハイデッキを採用することでスポーティなフォルムを演出。
数か月遅れで追加された4ドアセダンと5ドアハッチバック(SOHCエンジンを設定)も基本的なフォルムは3ドアハッチバックと同様で、どれも直線基調のクーペスタイルが斬新でした。
高性能かつスタイリッシュなクイントインテグラは、同時期に発売された「シビックSi」と人気を二分し、次世代から「インテグラ」となり、ホンダのスポーティカーラインナップの中核となります。
※ ※ ※
日本の自動車市場では平成の30年間で、トレンドが目まぐるしく変化したといっていいでしょう。そのため、多くのクルマが登場すると同時に、淘汰されていったクルマもあります。
今回、紹介したクーペや2BOXの3ドアハッチバック、セダン、ステーションワゴンなど、かつて一世を風靡したモデルでも生き残っているのはわずかです。
現在はミニバンやSUVがトレンドを超えて定番となっていますが、これらも急激に淘汰される時が来るのかもしれません。
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