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フェラーリの資産価値を高める「クラシケ」とは? その仕組と申請方法

くるまのニュース / 2020年9月29日 11時50分

フェラーリやランボルギーニのクラシックカーがオークションに登場するとよく目にする「クラシケ」や「ポロストリコ」という言葉は、いったい何を意味しているのだろうか。それらの意味と申請方法を解説しよう。

■フェラーリの保護と車両売却時における車両価値をキープすることが目的

 クラシックカーに注目が集まるようになって久しい。それは投機対象としての価値が非常に高くなったからだが、その最たるブランドがフェラーリであるのは、誰もが認めるところだろう

 クラシック・フェラーリのオークションでの落札価格は、クラシックカーの市場価値のひとつの基準となっている。フェラーリ「250」シリーズは、数億円で落札されることが常であり、「250 GTO」にいたっては、史上最高落札額を更新するかもしれない期待感も伴って、世界中のミリオネアやエンスージアストの注目を集めるほどである。

 フェラーリのクラシックカーがなぜこのように高値で落札されるのか、それには理由がある。フェラーリというブランドの人気が高いことも当然あるが、フェラーリ本社がクラシック・フェラーリに与える車両認定証明書、その名も「クラシケ」の存在が大きい。

 クラシケの認定を受けた車両は、いわばフェラーリから「由緒正しい跳ね馬」であるというお墨付きをもらったに等しい。そのため、同じクルマでも、クラシケ認定の有無で、市場価値に大きな差が出てしまうのである。

 クラシケの認定を取ることは、オーナーだけにメリットがあるわけではない。申請するためにはフェラーリ正規ディーラーを通さねばならず、また250 GTOのような別格の車両になればなるほど、マラネッロのフェラーリ本社でメンテナンスを受けたというヒストリーが重要になってくる。つまり、そうした際の認定書発行や修復・整備費用がフェラーリには入ることになるのだ。

 たとえば、グッドウッド・リバイバル・ミーティングなどのイベントで出走する250 GTOは、テール トゥ ノーズ、サイド バイ サイドの全開ガチンコレースを繰り広げる。もちろんクラッシュなどのアクシデントもあるが、フェラーリ本社で修復・整備することで、その個体の価値が下がることはない。ただしその修復費用は驚くほどの価格となる。

 さらに大切なのは、フェラーリ本社スタッフとマラネッロ周辺にあるカロッツェリアの職人たちの技術を継承するという側面もある。クラシケという制度は、オーナーだけでなくフェラーリにも非常にメリットのある仕組みなのだ。

 このクラシケに似たクラシック部門を立ち上げたのが、ランボルギーニの「ポロストリコ」である。ポロストリコが発足してから、「ミウラ」をはじめとするクラシック・ランボルギーニの価値は右肩上がりで上昇している。

 では、フェラーリがクラシケと認めるのは、どのようなモデルなのだろうか。

1:車歴20年以上の市販車
2:限定生産車
3:年式を問わないすべてのレーシングカー

 上記のいずれかを満たしたモデルが、クラシケの対象となる。クラシケは、オーナーが所有する車両の保護と車両売却時における車両価値をキープすることにこそ、その目的があるのだ。

■日本にあるフェラーリも「クラシケ」申請可能、その方法とは?

 製造から20年以上のモデルとなると、すでに「328」や「テスタロッサ」もその範疇に入ることになる。

 では、日本のオーナーはどのようにして自分の愛車をクラシケに認定してもらえばよいか、その手順を簡単に説明しよう。

価値のあるクラシック・フェラーリは、本社のクラシケ部門で完全なるレストアが施される価値のあるクラシック・フェラーリは、本社のクラシケ部門で完全なるレストアが施される

●1:申請は20年の時を経てから

 クラシケ申請可能なクルマは、新車から20年以上を経過しているフェラーリ本社が認定してモデルとなる。たとえば、日本にも数多く生息している328やテスタロッサといった馴染みの深いモデルもクラシケの対象となっている。

●2:スペチアーレとレーシングカーは例外

「ラ フェラーリ」などのスペチアーレ系に「SAアペルタ」といった限定モデルは、新車購入時にすでにフェラーリ・クラシケに認定されている。余談だが、F1などのレーシングカーであっても申請が可能である。

●3:正規ディーラーから申請

 フェラーリ・クラシケ取得を希望する場合は、フェラーリ正規ディーラーを通じて申請する。基本的に申請するクルマをディーラーに持ち込むことが可能なら、制限は特にない。

●4:写真でチェック

 日本でクラシケを申請する場合は、正規ディーラー入庫後はフェラーリ本社から規定されているおよそ40カットの写真をスタッフが撮影する。同時に未実施のキャンペーン(リコールなど)がないかをチェックして写真をマラネッロ本社に送る。

●5:純正品でない場合は要交換

 送付した写真をフェラーリ本社が検証。ここで純正部品ではないと指摘があれば、オーナーとの相談の上で純正部品に交換をおこなう。見た目も中身もすべてオリジナルコンディションでなければならない。

●6:クラシケ証明書発行

 約半年から1年の時を経て、無事に申請が承認されると、フェラーリ本社から証明書とバッジが送られてくる。費用などは正規ディーラーまで要問い合わせ。

* * *

 オリジナルコンディションでフェラーリに乗っているオーナーなら、愛車がクラシケ認定を受けられる車種であれば、ぜひともクラシケ認定を取得することをおすすめしたい。

 昨今のオークションを見ても、クラシケの証明書付きか否かで、落札価格に大きな開きが生じているからである。

 過去に正規サービスセンター以外で整備された個体は、純正ではないパーツが使用されているケースも多く、それらをすべて純正パーツに戻し、さらに整備することで新車当時に匹敵するコンディションに戻した上でクラシケの承認を受けることができたら、それはその個体の価値を上げることになる。

 また、いま新車のフェラーリもこのままずっと正規サービスセンターで整備を受けてさえいれば、いつの日かクラシケの承認を受ける日が訪れるということでもある。

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