最新ジムニーに2人乗りモデルがある!? 一風変わったジムニー5選
くるまのニュース / 2020年9月24日 6時10分
2018年7月に発売された現行モデルのスズキ「ジムニー」は、20年ぶりのフルモデルチェンジということから大いに話題となりました。従来のファンに加え、新たなユーザーを獲得したことで現在もバックオーダーを抱えるほどの人気です。これまで、ジムニーには数多くのバリエーションが存在しており、なかでもユニークなモデルを5車種ピックアップして紹介します。
■とてもユニークなジムニーを紹介!
軽自動車で唯一無二の本格的クロスカントリー4WD車のスズキ「ジムニー」は、1970年に誕生しました。優れた悪路走破性を誇り、デビュー以来、林業や土木の現場などの道具として、レジャー用途や普段使いの足としても愛され続け、現行モデルは2018年7月に発売された4代目にあたります。
4代目は先代の登場から20年ぶりとなるフルモデルチェンジとあって、待ち焦がれていたファンだけでなく、優れたデザインによって新たなファンも獲得。
発売から2年以上経ったいまも、納車までに1年もかかるほどの人気ぶりです。
そんなジムニーには、これまで数多くのバリエーションが存在します。そこで、国内外で販売されたジムニーのなかから、ユニークなモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●ブラジル製「ジムニー」
国内モデルに比べ、派手に装飾されたブラジル製の先代「ジムニー」
4代目ジムニーはグローバルで販売することを想定して開発されましたが、これまでも海外でも人気があり、アジア圏や欧州、北米、南米などで派生車や現地生産車を含め、数多く販売してきました。
なかでもブラジルではスズキと提携した現地法人によって、2008年にアルコール燃料対応モデルを発売、2012年には現地生産のブラジル製ジムニーが登場しました。
3代目ジムニーをベースにしたブラジル製ジムニーは、最高出力85馬力の1.3リッター直列4気筒エンジンを搭載し、4つのバリエーションを展開。
もっともワイルドでオフロード車らしい外観の「フォレスト」は、角型オーバーフェンダーや力強いデザインのバンパー、渡河時に威力を発揮するシュノーケルに大径オフロードタイヤが装着されるなど、見た目はまるでカスタマイズされたジムニーのようです。
現在、ブラジルでは現行の「ジムニーシエラ」に相当するモデルと、先代ジムニーが併売されています。
●マルチスズキ「ジプシー」
すでに生産を終えたロングボディの「ジプシー」
スズキは1980年代初頭にインドへ進出して、現地法人のマルチスズキを設立。いまではインドを代表する自動車メーカーのひとつとなっています。
当初、マルチスズキの主力車種は軽自動車をベースにした小型車で、かつて、1998年まで販売していた2代目「ジムニー」をベースとした派生車「ジプシー」が、生産・販売されていました。
ジプシーは1リッターエンジンを搭載した登録車の「ジムニー1000」をベースに、ラダーフレームを長く伸ばし、2ドアのボディもロングかつハイルーフに変更されたワゴンタイプのボディを採用。
トラックのようにも使えるオープンボディの「ジプシー ソフトトップ」もラインナップされていました。
エンジンは1.3リッター直列4気筒を搭載し、装備は必要最低限となっており、インドでは日本円で約100万円という低価格で販売されたことでヒットを記録。
しかし、安全装備の義務化などの法改正により2019年に生産を終了し、後継車はありませんでした。
●スズキ「サムライ」
アメリカで人気を博した「サムライ」
ジムニーは2代目から本格的な海外進出を果たし、1985年にスズキ「サムライ」と名付けられ、北米や欧州に輸出が始まりました
とくにアウトドアレジャーが盛んなアメリカでは、それまでに無いコンパクトなクロスカントリー4WD車として注目され、大学生や若い世代から絶大な人気を獲得。
サムライのフレームや車体はジムニーと共通ですが、エンジンは1.3リッターを搭載し、後に「ジムニー1300」としても国内で販売され、現在のジムニーシエラの元祖といえるモデルです。
こうして高い人気を誇っていたサムライですが、1980年代の終わりに「転倒事故が多発している」と告発され、リコール騒動にまで発展。
結局、サムライに構造上の欠陥は無く、路面状況や運転方法が原因の転倒と証明されましたが、安全性に対する規制強化などがあり、1995年には北米市場から撤退してしまいました。
なおスズキは2012年に、北米市場における4輪自動車の販売から撤退しているので、4代目ジムニーは北米には上陸していませんが、一部の日本車マニアから注目される存在となっています。
■クロカン車なのに2WDや2シーターがある!?
●ジムニーL/ジムニーJ2
女性向けにファンシーなイメージとした2WDの「ジムニーJ2」
前述のとおり、3代目ジムニーは20年間も販売していたこともあり、数多くの限定車や特別仕様車が存在しました。
なかでも、とくにユニークな派生車として2WDモデルが販売されたことがあります。
先代ジムニーの2WDは2種類が販売されましたが、1台は2000年に発売された「ジムニーL」、もう1台は2001年に発売された「ジムニーJ2」で、どちらもフロントデフとトランスファーを排除して駆動方式はFRです。
ジムニーLの外観は4WDのジムニーと変わらず、一見しても見分けがつきませんでした。装備は上級グレード並に充実し、ルーフレールは装備しておらず、カラーリングは専用のパールホワイトのみ。
一方、ジムニーJ2は専用のボンネットフード、フォグランプ内蔵の専用フロントバンパー、メッシュタイプの専用フロントグリルを採用し、さらに16インチから15インチタイヤにサイズダウンしたことで、35mm車高が下げられています。
この2モデルは女性ユーザーをターゲットに販売され、とくにジムニーJ2はパステルカラーのカジュアルなカラーリングを設定していました。
どちらのモデルとも短命に終わり、現在は中古車市場でも滅多にお目にかかれません。
●ジムニー ライトコマーシャル・ヴィークル
欧州で発表された2シーターの商用「ジムニー」
現行モデルのジムニーシエラは、すでに海外で新型ジムニーとして販売され、注目されていますが、早くも欧州では2020年9月8日に、日本では販売されていない派生車が登場しました。
派生車は「ジムニー ライトコマーシャル・ヴィークル」で、その名のとおり商用車です。
室内は2シーター化され、後席部分はすべて荷室となっており、前席の後ろには格子状の金属製パーテーションが設置されています。
荷室は863リッターの大容量で、リアシートを畳んだ状態のジムニーシエラよりも33リッターほど上まわり、実用性向上のためにフラットな床を採用。
外観はジムニーシエラの廉価グレード「JL」に準じており、エンジンなどのスペックも変わりません。
欧州ではこうした2シーターの商用グレードは珍しい存在ではなく、イギリスでは税金も優遇されているため、トヨタ「ランドクルーザープラド」などでも商用モデルが設定されています。
※ ※ ※
本文中にあるとおりインドのジプシーは生産を終えていますが、どうやら5ドア版のジムニーが後継車として計画されている噂があります。
すでにネット上にはインドで撮影されたと思われる5ドアモデルのスクープ写真が出まわっていますが、信憑性は不明です。
国内ではバックオーダーを抱えている状況なため、派生車やマイナーチェンジが出るのはもう少し後になりそうですが、まだまだジムニーから目が離せません。
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