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新型車は軽やSUVばかり!? セダンやワゴンの全面刷新が減少する事情とは

くるまのニュース / 2020年9月25日 7時10分

昨今の国産車は軽自動車やコンパクトカー、SUVが売れ筋で、多くの新型モデルが登場しています。その一方で、セダンやワゴンは新型車の登場が減っているのですが、なぜ偏りが生じるのでしょうか。

■新型車が軽やSUVに偏っているのはなぜ?

 2019年以降に発売された国産車をカテゴリー別に見ると、軽自動車やコンパクトカー、SUVが多いです。

 軽自動車はダイハツ「タント」「タフト」、ホンダ「N-WGN」、スズキ「ハスラー」、コンパクトカーはトヨタ「ヤリス」、ホンダ「フィット」、SUVはトヨタ「RAV4」「ライズ」「ハリアー」「ヤリスクロス」、日産「キックス」、マツダ「CX-30」が登場しました。

 ミニバンも新型車は減りましたが、マイナーチェンジは定期的に実施されています。

 その一方で、セダンは車種数が豊富な割に新型車が減っています。

 2019年以降に発売されたセダンは、トヨタ「カローラ(セダン)」ホンダ「アコード」、マツダ「マツダ3セダン」程度です。

 貴重な5ナンバーセダンだったホンダ「グレイス」は先ごろ販売を終了し、トヨタ「マークX」もラインナップから削られました。

 ステーションワゴンは、セダン以上に車種数を減らしています。直近ではトヨタ「カローラツーリング」の発売に続いて、スバルも「レヴォーグ」の新型を披露しましたが、現在の国産ワゴンは、ホンダ「シャトル」、マツダ「マツダ6ワゴン」、継続生産型の「カローラフィールダー」を含めて5車種程度です。

 スポーツクーペでは、日産「フェアレディZ」の新型が披露されましたが、現行型の登場は2008年なのですでに12年を経過しています。

 日本には乗用車メーカーが8社ありますが、セダンを扱うのは5社、ワゴンは4社です。スポーツクーペは軽自動車を含めて意外に多く、6社が用意していますが、新型車は少ない状況です。

 なぜ近年の日本メーカーは、新型車をあまり発売しなったのでしょうか。また、セダンやワゴンの欠乏などカテゴリーにも偏りが生じている理由について、メーカーの商品企画担当者に尋ねました。

「いまは環境技術や自動運転の開発にも力を入れるため、以前に比べて車種数が減っています。とくにセダンとワゴンは、海外を含めて売れ行きが下がりました。逆にSUVは売れ筋のカテゴリーとして世界的に注目され、商品開発も活発です。そこで車種数を増やしています。いわゆる選択と集中です」

 国内と海外市場では、力の入れ方が異なる面もあるのではないでしょうか。この点も商品企画担当者に尋ねました。

「いまのグローバルに発展した日本車メーカーから見ると、国内は大切なホームグラウンドでありながら、市場の性格は特殊です。

 新車として売られるクルマの40%近くを占める軽自動車ですが、海外では販売できません。海外にも小さなクルマが中心の市場はあるのですが、衝突安全基準などの違いもあり、日本の軽自動車をそのまま海外で売るのは困難です。ミニバンも海外では少数派のカテゴリーだといえます。

 そうなると日本と海外の両方で堅調に売れるのは、コンパクトカーとコンパクト/ミドルサイズSUVだけです。とくにいまはSUVの人気が高く、日本で発売される新型車もSUVが中心になりました」

■世界的なセダン需要低迷でフルモデルチェンジできない!?

 かつてセダンは日本では一番の売れ筋カテゴリーでしたが、1990年代の中盤以降は、ミニバン/コンパクトカー/軽自動車が売れ行きを伸ばしました。

 その結果、2000年代に入ると、新車販売台数に占めるセダンの比率は20%前後に減少。2010年には10%少々に下がり、いまでは約8%です。

2020年秋にマイナーチェンジするレクサス「IS」2020年秋にマイナーチェンジするレクサス「IS」

 そしてセダンの売れ行きと商品開発が滞っているのは、国内市場だけではありません。

 たとえばレクサス「IS」は海外を中心に販売されますが、現行型を2013年に発売しながら、2020年秋に実施されるのはフルモデルチェンジではなくマイナーチェンジです。これはセダンの需要が下がったためです。

 近年はプラットフォームなどの開発能力が高まり、マイナーチェンジでも以前に比べて走行安定性や乗り心地を大きく進化させられます。それでもフルモデルチェンジでないと商品力の向上には限界があります。

 販売の低下を理由にフルモデルチェンジを先送りすると新鮮味が乏しくなり、ますます販売が落ち込む悪循環に陥ります。

 とくにISのような上級セダンでは、最先端のクルマ造りをしているという話題性も大切な魅力ですから、6年以上を経過したらフルモデルチェンジをなるべく早く実施すべきでしょう。

 それが無理な場合はマイナーチェンジになりますが、走行安定性、乗り心地、安全装備などに加えて、燃費を向上させることも大切です。マイナーチェンジでは、エンジンの完全な刷新と燃費の大幅な向上は難しいのです。

※ ※ ※

 昨今は、セダンやワゴンの売れ行きが海外でも落ち込み、先進技術の開発負担も加わって新車投入が滞っていますが、直近では変化も見られます。

 前述の通りワゴンのレヴォーグ、スポーツクーペのフェアレディZやトヨタ「86」/スバル「BRZ」がフルモデルチェンジを予定しているからです。

 硬直化していたカテゴリーに、新しい動きが見られるようになりました。この勢いを今後も持続して欲しいものです。

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