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世界で最も醜いクルマ!? 時代の先を行き過ぎた「ざんねんなイタフラ車」3選

くるまのニュース / 2020年9月24日 14時50分

日本だけでなく、アメリカやドイツ、さらに中国や韓国など、世界中にさまざまな自動車メーカーが存在する。グローバルな時代、それらは世界中で販売されているが、必ずその自動車メーカーが存在する国の特徴があるもの。デザインに優れたモデルが多いイタリア・フランス(イタフラ)車だが、じつは攻めすぎて失敗したクルマもある。そんなイタフラ車で、セールス的には成功しなかったミニバンを3車種見てみよう。

■デザインに優れたイタフラ車だが、攻めすぎて失敗したモデルも存在

 クルマを生産する自動車メーカーは、世界各地に存在する。

 しかし面白いもので、同じようなクルマを作っても、そこには必ずといっていいほど、その自動車メーカーの属する国の特徴を見てとることができるのだ。

 日本のクルマは、やはり几帳面な国民性もあってか、良品廉価なものになる。合理主義のドイツのクルマは、やはり技術を重要視しているのがわかる。また、広大な国土があり、さまざまな人種がひしめきあうアメリカのクルマは、どこか大らかな余裕があり、誰もが分かりやすいストレートな主張がこめられている。

 そんな中で、とくにデザイン面に秀でているのが、イタリアとフランスのクルマだろう。イタリアには、フェラーリやランボルギーニというエキゾチックなデザインを誇るスーパーカーブランドが存在する。フランスには、奇抜さという点で誰にも追従を許さないシトロエンがある。

 そうした特異なブランドを生み出せることができたのは、イタリアとフランスという国に住む人々の趣味嗜好という国民性という土壌があったからだ。

 たとえば、廉価なコンパクトカーのデザインに注目してほしい。現在の、イタリアを代表するコンパクトカーはフィアット「500」だろう。1950年代に生産された旧型モデルの姿を大胆に現代に復活させたフィアット500のデザインは、誰もが好感を持って眺め、そして、いつまでたっても古びることはない。

 そのフィアット500に誕生は、今を遡ること14年も前となる2007年なのだ。それでもセールスはいまも堅調。その理由は、優れたデザインにあることは誰の目にも明らかだ。

 一方、フランス車でもオーセンティックなポジションのブランドがある。それがプジョーだ。

 しかし、最新のコンパクトカー208のデザインが保守的だと思う人は少ないだろう。フロントバンパーに配したLEDのライトは、牙のように見える。室内に目をやれば、ステアリングの小ささに、誰もが驚くだろう。つまり、イタリアもフランスも大衆が利用するコンパクトカーから、デザインが優れたものになっているのだ。

 しかし、“諸刃の剣”が危険というように、デザインに力を入れるほど、攻めすぎてしまう危険も大きくなるもの。ほんの過去10~20年を振り返るだけでも、イタリアとフランスには、ちょっと攻めすぎたデザインのクルマが数多く世に送り出されている。

 今回は、そんなイタリア&フランスメーカーから登場し、販売的には失敗に終わった3台のミニバンを紹介しよう。

●フィアット「ムルティプラ」(FIAT MULTIPLA)

フィアット「ムルティプラ」。3人がけ×2列の6シーターモデルだったフィアット「ムルティプラ」。3人がけ×2列の6シーターモデルだった

 フィアット「ムルティプラ」は、1950年代に人気を集めた初代モデルを1998年に復活させたMPV(多人数乗車)モデルだ。日本でも2003年に発売された。

 このモデルの特徴は、そのルックスにある。全長は4mほどなのに、全幅が1875mmもあったのだ。しかも、ウエストラインは普通の乗用車のようであるのに、キャビンが上に伸びている。つまりグラスエリアが非常に広い。フロントマスクもどこか奇妙だった。

 その特異なスタイルから、「世界でもっとも醜いクルマ」などと評された。そして、もちろん日本でのセールスもさっぱり。まったく売れなかったのだ。

 ただし、妙に幅の広い車体にはちゃんとした理由があった。6人乗車を2人掛けシート×3列ではなく、3人掛けシート×2列で実現していたのだ。

 そのため2人から4人で利用するときは、3列シート車よりも一人に広いスペースが提供されることになる。また、頭上空間が広いことの有効性と快適性は、日本の軽自動車でも証明されている。意外と、パッケージングは悪くないクルマであったのだ。

 ボンネットを高くした後期型は、もう少しましに見えたが、逆にインパクトは弱かった。「醜い」と称されたが、「世界一」ともいわれたことで、歴史に残る話題のクルマになったともいえるだろう。これも攻めたデザインの功績(?)だ。

■プジョーの「00」を持つ4ケタ数字のモデルはここからはじまった

●プジョー「1007」(PEUGEOT 1007)

プジョー「1007」。両側電動スライドドアを装備していたプジョー「1007」。両側電動スライドドアを装備していた

 プジョー「1007」は、2002年にパリモーターショーでデビュー。2004年より生産開始された、両側スライドドアを持つBセグメントのコンパクトカーだ。日本でも2006年から発売されている。

 変わっているのは、MPVではなく、4人乗りの3ドア・ハッチバックであることだ。

 つまり、左右2枚のドアが電動スライドドアで、後ろにハッチゲートが付いている。全長は3.8mほどで、コンパクトカーといっていいサイズ感だ。

 日本にも、ポルテというスライドドアを備えるコンパクトカーが存在しているが、ポルテの場合は、助手席側だけがスライドドアで、運転席側は普通のドアであった。

 もちろん、両側がスライドドアである1007は、後席のアクセスは抜群に良かった。しかし、運転席に乗り込むのに、いちいちスライドドアを開け閉めするのは、正直、面倒くさい。やはりというか、当然のようにセールスは不調に終わっている。

 1007は、プジョーではじめて4ケタ数字の車名を持つモデルだった。コンパクトクラスに、かつてない価値を提供するという崇高な思想に基づいて登場したが、結果としては失敗に終わった。だが真ん中に00が付く4ケタ数字の車名は、後に「2008」「3008」「5008」と、SUVに命名。プジョーのラインナップ拡充に寄与している。

●ルノー「アヴァンタイム」(RENAULT AVANTIME)

ルノー「アヴァンタイム」ルノー「アヴァンタイム」

 最後に紹介するのはルノーの「アヴァンタイム」だ。

 1999年のジュネーブショーでプロトタイプが発表され、2001年より生産を開始。日本では2002年より発売されている。

 このモデルの特徴は、全長4.6mを超えるミニバンのように見えつつも、その実、3ドアのクーペであったことだ。そのためドアは長大で、狭い駐車場では乗り降りに苦労した。

 FFのプラットフォームに3リッターのV型6気筒エンジンを搭載。意外と走りも良かったという。しかし、日本での販売価格は500万円。つまり高級車としての販売であったのだ。

 室内は高級な本革をたっぷりと使用したゴージャスなシートや、広いグラスエリアに加え巨大なサンルーフも装備、開放感に満ちた、いままでにないコンセプトのモデルだった。

 もちろん、そんなに攻めすぎた高級車を買う人は稀有。日本だけでなく世界でも販売は不調で、デビューからわずか2年後の2003年には生産終了になったという。

 攻めに攻めたデザインだったが、やりすぎてしまい短命に終わり、歴史に名を遺すクルマとなっている。

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