かつてヒットしたのに生き残れず!? 消えた王道ステーションワゴン5選

くるまのニュース / 2020年9月25日 6時10分

SUVに取って代わられたことで、日本だけでなくアメリカでも減少の一途をたどっているのがステーションワゴンです。トヨタは「カローラツーリング」を発売し、スバルは新型「レヴォーグ」の発売が予定されていますが、劇的に人気が回復する兆しは見えてきません。そこで、かつて販売されていた王道のステーションワゴンを、5車種ピックアップして紹介します。

■いかにもステーションワゴンといえるモデルを振り返る

 1990年代の始め、ちょっとしたブームとなったステーションワゴン。各メーカーが次々に新型ステーションワゴンを発売するなど、隆盛を誇っていました。

 しかし、近年はSUV人気の上昇で、ステーションワゴンのラインナップは激減。

 2019年9月にトヨタ「カローラツーリング」が登場し、2020年11月にはスバル新型「レヴォーグ」が発売予定ですが、減少傾向に歯止めはかかっていません。

 そこで、ヒットした王道のステーションワゴンを、5車種ピックアップして紹介します。

●スバル「レガシィ ツーリングワゴン」

一世を風靡したのに生き残れなかった5代目「レガシィ ツーリングワゴン」一世を風靡したのに生き残れなかった5代目「レガシィ ツーリングワゴン」

 1980年代の終わり頃、スバルの経営状態は悪化していましたが、1989年に発売されたスバル「レガシィ」によって救われました。

 旧態然としていた「レオーネ」に代わる新世代のステーションワゴン/セダンとしてデビューしたレガシィは大ヒットを記録。

 とくにフルタイム4WDによる道を選ばない走行性能の高さと、オールラウンダーなステーションワゴンの「レガシィ ツーリングワゴン」の存在は、他メーカーにも大きな影響を及ぼし、次々と高性能なステーションワゴンが登場したほどです。

 その後も同様なコンセプトで代を重ねると、レガシィ ツーリングワゴンはスバルの定番車種として、盤石の地位を築きます。

 2009年に登場した5代目では北米市場に主眼を置いたことで、ボディの大型化を図り、室内の広さを強調。

 パワーユニットも進化し、2012年には2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した「2.0GT DIT」が登場します。最高出力は300馬力を誇り、初代からの伝統であるスポーティさに磨きをかけました。

 しかし、レヴォーグの登場によって、レガシィ ツーリングワゴンは2014年に国内販売を終了。一時代を築いたレガシィですが、2020年7月にはセダンの「B4」も国内販売を終了し、現在は「レガシィ アウトバック」のみとなりました。

●三菱「レグナム」

革新的メカニズムとスタイリッシュなフォルムが印象的な「レグナム」革新的メカニズムとスタイリッシュなフォルムが印象的な「レグナム」

 三菱「レグナム」は、1996年にセダンの「ギャラン」をベースとしたステーションワゴンとして登場。

 外観は8代目ギャランと同じ意匠の精悍なフロントフェイスと、伸びやかにデザインされたキャビンが特徴的です。

 トップグレードの「VR-4」には、最高出力280馬力を発揮する2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムを組み合わせ、まさにレガシィに対抗するモデルとして開発されました。

 また、世界初となる量産ガソリン直噴エンジンをギャランとともに搭載するなど、技術的にも三菱の意欲作です。

 駆動系にはリアの駆動力配分を電子制御する「AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」を搭載したモデルが設定され、足まわりには4輪マルチリンクサスペンションを採用するなど、走りも充実したステーションワゴンとして高い人気を誇りました。

 しかし、三菱の経営状態の悪化とステーションワゴン人気の下落から、レグナムは2002年に生産を終了。後継車は無く、一代限りで消えてしまいました。

●トヨタ「クラウンエステート」

シリーズ最後となった高級ステーションワゴンの「クラウンエステート」シリーズ最後となった高級ステーションワゴンの「クラウンエステート」

 日本を代表するセダンのトヨタ「クラウン」は、1955年に誕生しました。そして、1962年に登場した2代目からステーションワゴンをラインナップします。

 昭和の頃は1車種で複数のボディタイプを設定するのが一般的で、クラウンも4ドアセダンだけでなく、2ドアクーペやステーションワゴン、ライトバンなどが販売され、あらゆるニーズに応えていました。

 その後、ステーションワゴンは1991年発売の9代目まで設定され、1999年には派生車として「クラウンエステート」に車名を変えて登場。

 商用バンとは決別し、プラットフォームは11代目クラウンと共通化され、高級ステーションワゴンとして一新されています。

 先代まであった格納式3列目シートは採用されず5名乗りとし、バリエーションは標準的な「ロイヤルシリーズ」と、スポーティな「アスリートシリーズ」を用意。

 エンジンは2.5リッター、2.5リッターターボ、3リッターの3種で、すべて直列6気筒となり、上質な走りと優れた静粛性を実現しています。

 国内では数少ない高級かつ大型ステーションワゴンとして一定の需要がありましたが、やはりステーションワゴン人気の低迷から販売台数は徐々に低下し、2007年に生産を終了。シリーズ最後のステーションワゴンとなりました。

■ヒットした初代を超えられなかった日産の大型モデルとは

●日産「ステージア」

初代を超えられなかったが王道のワゴンとして支持された2代目「ステージア」初代を超えられなかったが王道のワゴンとして支持された2代目「ステージア」

 前述のクラウンと同様で、日産も7代目「スカイライン」までステーションワゴンをラインナップしていました。

 8代目(R32型)からは廃止されましたが、日産はボルボ「850エステート」のヒットの影響もあり、1996年にステーションワゴン専用モデルの初代「ステージア」を発売。

 R33型スカイラインと主要なコンポーネンツを共用することで開発されたことで、スカイラインGT-Rのエンジンやドライブトレインが異色された「ステージア260RS」が登場するなど、スポーティな走りが堪能できるステーションワゴンとしてヒットしました。

 その後、2001年に、11代目のV35型スカイラインが採用した新FRプラットフォームを共用する2代目となり、エンジンは2.5リッターと3リッターのV型6気筒を搭載。

 また、ステージア専用のエンジンとして、最高出力280馬力を発揮する2.5リッターV型6気筒ターボを搭載する「250t RS FOUR V」設定されるなど、初代の260RSを彷彿とさせました。

 グレード展開はラグジュアリーな「RX」シリーズとスポーティな「RS」シリーズ、クロスオーバーSUVのような外観の「AR-X FOUR」を設定。

 外観は初代よりも全体的にやわらかなラインによって構成されるボディで、大きな車体を有効に使った伸びやかなフォルムです。また、いかにもステーションワゴンというような、リアハッチ部分をストンと切り落としたサイドビューが印象的です。

 2代目ステージアは、よりプレミアムな大型ステーションワゴンへと進化しましたが、初代ほどの人気を獲得できず、2007年に生産を終了。後継車はありませんでした。

●ホンダ「アコードツアラー」

ヨーロピアンテイストのデザインが特徴的な「アコードツアラー」ヨーロピアンテイストのデザインが特徴的な「アコードツアラー」

 1976年に誕生したホンダ初代「アコード」は、発売当初は3ドアハッチバックのみでしたが、すぐにセダンが追加され、3代目ではステーションワゴンタイプの3ドアハッチバック「アコードエアロデッキ」が登場。

 そして、4代目では1991年にシリーズ初のステーションワゴン「アコードワゴン」が追加されました。このアコードワゴンはアメリカホンダで生産される輸入車で、好景気という背景とワゴンブームに乗り、人気となります。

 その後もアコードワゴンは代を重ね、2008年には車名を「アコードツアラー」とした5代目が登場。

 外観は欧州のステーションワゴンに通じるスタイリッシュなフォルムで、実際に北米仕様ではなく欧州仕様と共通のボディでした。

 搭載されたエンジンは全グレードが2.4リッター直列4気筒で、最高出力206馬力を発揮。5速ATが組み合わされ、上質でスポーティなステーションワゴンに仕立てられています。

 2011年のマイナーチェンジでは、2リッターエンジン搭載車が追加されるとともに、2.4リッターエンジン搭載車には、高い運動性能と快適性を両立した「タイプS」が加わります。

 タイプSは専用セッティングのサスペンションや、フロントブレーキディスクが17インチ化され、外観も専用デザインのフロントグリルやヘッドライト、空力性能に優れたフロントスポイラーやサイドシルガーニッシュなどが採用され、見た目も走りもグレードアップされました。

 しかし、アコードツアラーが登場した時点で、すでにステーションワゴンの人気は下落していたため、販売は好調とはいえず、2013年に国内モデルの生産を終了。

 この代をもって、アコードのステーションワゴンは消滅してしまいました。

※ ※ ※

 現在、人気のSUVはクロスオーバータイプが主流のため、ステーションワゴンでも実用性の面はほとんど変わりません。

 したがって、今後ステーションワゴン復権の可能性はゼロではありませんが、一旦ラインナップが縮小されてしまったことで、国産車では選択肢が少ないのが実情です。

 1車種でも大ヒットすることになればラインナップの拡充も期待できますが、現実的にはかなり難しい状況です。

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