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庶民の足がスポーツカーに変貌!? 大衆車ベースの高性能車5選

くるまのニュース / 2020年9月28日 6時10分

昭和の時代は、いわゆる一般庶民クルマのことを「大衆車」と呼んでいました。その代表的な存在としてトヨタ「カローラ」や日産「サニー」が挙げられます。こうした大衆車も1980年代になると高性能化が進み、なかにはスポーツカー顔負けのモデルも存在。そこで、ベーシックカーの高性能グレードを5車種ピックアップして紹介します。

■1980年代に次々と登場した高性能なベーシックカーを振り返る

 いまではあまり耳にすることはありませんが、かつて一般庶民のためのクルマを「大衆車」と呼んでいました。昭和の時代では、大衆車の代表といえばトヨタ「カローラ」や日産「サニー」が挙げられます。

 現在は大衆車というカテゴリーは存在しませんが、しいて挙げるなら軽自動車やミニバン、コンパクトカーといったところです。

 1970年代にマイカーが急速に普及し、1980年代には大衆車でも高性能化が進み、なかにはスポーツカー並かそれ以上の性能のモデルも誕生。

 そこで、1980年代にデビューしたベーシックカーの高性能グレードを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「マーチスーパーターボ」

操縦性はまさにじゃじゃ馬だった「マーチスーパーターボ」操縦性はまさにじゃじゃ馬だった「マーチスーパーターボ」

 日産は1970年代に、世界的な流れからコンパクトカーのFF化を進め、「チェリー」や後継車の「パルサー」を発売しました。

 一方、ライバルに対抗して、グローバルで展開できるさらに小型のベーシックカーの開発に着手。そして1982年に発売されたのが次世代コンパクトカー「マーチ」です。

 デザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手掛け、装飾は最低限に抑えながら機能的な造形を実現し、安価なベーシックカーとして国内外でヒットしました。

 1985年にはターボ時代の到来から、最高出力85馬力(グロス)を発揮する1リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「マーチ ターボ」をラインナップ。

 また、1988年にモータースポーツベース車両の「マーチ R」を発売し、排気量を987ccから930ccにダウンサイジングし、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類の過給機が装着された、日本初のツインチャージャーエンジンを搭載。最高出力は110馬力(グロス)を誇りました。

 低回転域ではスーパーチャージャーによる過給で、高回転域ではターボチャージャーの過給も加わることで、全域で高性能化を達成する、当時としてはまさに競技用といえるエンジンです。

 そして、1989年にはマーチRと同じエンジンを搭載し、普段使いできるように装備を加えた「マーチ スーパーターボ」が登場。ハイパワーなFF車ですがパワーステアリングは装着されず、ドライブフィールはかなり過激でした。

 ベーシックなマーチが57馬力(グロス)でしたから、スーパーターボは2倍近い出力を発揮していたことで、シャシ性能が追いついていなかったのが、いかにも昭和の高性能車です。

●マツダ「ファミリアGT-X」

国産車で初となるフルタイム4WDを採用した「ファミリア GT-X」国産車で初となるフルタイム4WDを採用した「ファミリア GT-X」

 1963年に発売されたマツダ初代「ファミリア」は、カローラやサニーに対抗するために開発された、同社初の小型乗用車です。

 その後もマツダの主力車種として代を重ね、1985年に6代目がデビュー。外観は大ヒットした5代目のイメージを踏襲しながら、角を丸めることでよりスマートな印象となっています。

 この6代目ファミリアには日本初のフルタイム4WD車の「ファミリア 1600GT-X」がラインナップされました。

 最高出力140馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、ハイパワーなターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせは、2リッターターボ車に迫る動力性能と評されます。

 4WDシステムはプラネタリーギア方式のセンターデフを採用し、センターコンソールにあるデフロックスイッチで前後輪の駆動配分を固定することも可能でした。

 また、圧搾エアーによって悪路を想定した2段階の車高調整機能が装備されるなど、国内外のラリーで好成績を収めたことがイメージアップにつながり、GT-Xは高い人気を誇りました。

●三菱「ミラージュ サイボーグ」

高性能なDOHCターボエンジンを搭載した「ミラージュ サイボーグ」高性能なDOHCターボエンジンを搭載した「ミラージュ サイボーグ」

 1978年に発売された三菱の次世代コンパクトカー「ミラージュ」は、FFレイアウトを生かした広い室内と、欧州テイストのスタイリッシュな外観でヒット車となりました。

 そして1982年には他社に先駆けてターボエンジンを搭載。最高出力105馬力を発揮する、1.4リッター直列4気筒ターボエンジンの「ミラージュIIターボ」の登場をきっかけに、コンパクトカーのパワー競争が勃発することになります。

 そして、1987年にモデルチェンジされた3代目では、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4G61型」にターボを装着し、最高出力145馬力を誇るスポーティモデル「サイボーグ 16V-T」が登場。

 1989年のマイナーチェンジで160馬力までパワーアップされ、ハイパワー2WD/4WD車として高い人気を誇りました。

 ちなみに、4代目以降のミラージュは、高性能グレードが自然吸気エンジンにシフトされたため、過激なモデルはこの3代目限りです。

■ハチロクだけじゃない!? FFカローラにも高性能モデルあり

●ホンダ「シビックSiR」

1.6リッターNAエンジン車で最強を誇った「シビックSiR」1.6リッターNAエンジン車で最強を誇った「シビックSiR」

 1972年に誕生したホンダ「シビック」はFF新時代を象徴するコンパクトカーで、同社が本格的なグローバル企業となるきっかけとなったモデルです。

 車名の「CIVIC」は日本語で「市民の」と訳されることから、まさに大衆車として開発されました。

 1983年に登場した3代目では1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「Si」グレードが追加され、レースで活躍することで、シビック=スポーティというイメージを確立。

 そして、1987年に発売された4代目では、当時、1.6リッター自然吸気エンジン最強のDOHC VTECエンジンを搭載した「SiR」が加わります。

 SiRのエンジンは「インテグラ」から移植された「B16A型」で、最高出力160馬力(ネット)を発揮。

 シャシも一新され、足まわりには4輪ダブルウイッシュボーンを採用するなど、優れた動力性能と運動性能を発揮し、シビックはスポーツコンパクト・ジャンルの頂点に君臨しました。

●トヨタ「カローラGT」

シリーズ初のFFモデルにも高性能な「カローラ 1600GT」を設定シリーズ初のFFモデルにも高性能な「カローラ 1600GT」を設定

 カローラの高性能モデルといえば、1972年に誕生した「カローラレビン」が始まりで、1983年にはシリーズ最後のFRモデル「AE86型 カローラレビン」が発売されました。

 一方で、レビンだけでなくカローラセダンなどにも高性能なエンジンを搭載した「GT」グレードも存在。

 AE86型と同時にデビューしたFFのセダンにもGTグレードがあり、1994年に3ドアハッチバックの「カローラFX」と同時にセダンの「1600GT」がデビュー。

 エンジンは横置き専用となる1.6リッター直列4気筒DOHC「4A-GELU型」で、最高出力130馬力(グロス)を発揮。高回転を得意とするスポーツユニットとして、いまも名機として語り継がれる存在です。

 1600GTの外観はベーシックなグレードとほとんど変わっておらず、唯一「GT」と「TWIN CAM16」のエンブレムによって、高性能さを控えめにアピールする、硬派なモデルでした。

※ ※ ※

 2020年2月に発売されたトヨタのベーシックカー「ヤリス」には、1.6リッターから272馬力を発揮する4WDのモンスターマシン「GRヤリス」がラインナップされ、まさに現代の大衆車ベースの高性能モデルです。

 ただし、車名はヤリスでも中身は別物といっていいモデルで、ほぼすべてが新設計されています。

 また、同時期にデビューしたホンダ4代目「フィット」には高性能モデルはラインナップされておらず、先代まであったMT仕様もありません。

 フィットでスポーティグレードの需要は無いというのは理解できますが、手軽にスポーツドライビングが楽しめるグレードが廃止されてしまったのは、寂しいところです。

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