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デカすぎて売れなかったモデルがある!? ホンダの歴代ミニバン5選

くるまのニュース / 2020年9月29日 6時10分

2020年秋、ホンダ新型「オデッセイ」が登場します。初代オデッセイのヒットによって、ホンダは業績が回復した経緯もあり、ホンダにとって特別なモデルといえます。そこで、ホンダの歴代ミニバンのなかから印象的なモデル5車種をピックアップして紹介します。

■オデッセイによってホンダは救われた!?

 2020年9月28日に、ホンダは同年秋に発売予定の新型「オデッセイ」のティザーサイト第2弾を公開しました。マイナーチェンジによりフロントフェイスが刷新され、先進安全技術のアップデートや使い勝手が向上する便利機能の追加がおこなわれる予定です。

 現行モデルは5代目にあたり、シリーズ初となるリアスライドドアの装備は大いに話題となりました。また、装備の充実を図ったことで高級化を果たしています。

 新型オデッセイのティザーサイト公開によって、ホンダのミニバンに注目が集まっていますが、そこでホンダの歴代ミニバンのなかから印象的なモデル5車種をピックアップして紹介します。

●オデッセイ

革新的なミニバンとして大ヒットを記録した初代「オデッセイ」革新的なミニバンとして大ヒットを記録した初代「オデッセイ」

 1980年代には1BOXバンをベースとしたワゴンが、多人数乗車できるクルマの定番でした。そして、1990年代になると現在に通じるミニバンが登場しますが、FR駆動のモデルが主流で、室内の広さは特筆するほどではありませんでした。

 そうしたなか1994年にホンダ初代オデッセイが発売。乗用車のシャシをベースにFFを採用したことで、低床の広い室内を実現し、6人乗りもしくは7人乗りの3列シートのミニバンとして大ヒットを記録します。

 ボディは海外での展開も想定していたことから3ナンバー専用サイズのステーションワゴンタイプで、前傾するボンネットからルーフに至るラインが、他のミニバンにはない斬新なフォルムを実現。

 発売当初に設定されたエンジンは2.2リッター直列4気筒のみで、トランスミッションは4速ATを設定し、コラムシフトを採用したことにより前席から後席へのウォークスルーが可能となっています。

 また、後部ドアは1BOXバンのイメージと決別する意味でヒンジドアとなっており、電動スライドドアの普及以前だったことと、セダンなどからの乗り換えでも違和感はなく、ユーザーからも好意的に受け入れられました。

 オデッセイのヒットを受け、他社も同様なFFミニバンを開発して追従し、現在に至るミニバン市場を形成しました。

 ちなみに、オデッセイという車名は、1970年代に北米で発売された1人乗りの4輪バギー(ATV)で使われていた名前です。

●ステップワゴン

戦略的な価格と広い室内がヒットにつながった初代「ステップワゴン」戦略的な価格と広い室内がヒットにつながった初代「ステップワゴン」

 ホンダは初代オデッセイのヒットに続き、さらに次の一手として、1996年に初代「ステップワゴン」を発売しました。

 ステップワゴンはオデッセイよりも小型の5ナンバーサイズに収めながらも、FFのメリットを生かして広い室内空間を実現。

 2列シート5人乗りと3列シート8人乗りをラインナップし、後部ドアも片面のみのスライドドアを採用するなど、小さな子どもやお年寄りがいるファミリー層をターゲットとしていました。

 搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒のみで、トランスミッションもコラムシフトの4速ATのみとされています。

 価格は3列シート車が179万8000円(東京価格:消費税含まず)からと、オデッセイよりもかなり安価な設定となっていたことで大ヒットを記録。

 財務状況が悪化して、三菱による買収の噂もあったホンダですが、オデッセイとステップワゴンの連続大ヒットによって救われました。

 現行モデルのステップワゴンは2015年に発売された5代目になりますが、原則5ナンバーサイズを維持し、スクエアなフォルムとするなど、初代のコンセプトを受け継いでいます。

●ストリーム

スポーティなミニバンという新ジャンルに挑戦した初代「ストリーム」スポーティなミニバンという新ジャンルに挑戦した初代「ストリーム」

 オデッセイ、ステップワゴンのヒットによって、ホンダはさらにミニバンラインナップの拡充を図り、2000年に「ストリーム」を発売しました。

 全長4550mm×全幅1695mm×全高1590mm(2WD)のコンパクトなボディは、狭い道が多い都市部の住宅地でも取り回しがよく、底床・低全高としたことでスポーティな走りを実現。

 エンジンは新開発の2リッター直列4気筒DOHC i-VTECをトップグレードに搭載。最高出力153馬力を発揮し、クラス初の5速ATが組み合わされ、優れた動力性能を誇りました。

 ユーザーには新たなジャンルのミニバンとして受け入れられ、発売からわずか10か月で10万台以上を販売するヒット作になりました。

 ところが、2003年にコンセプトやボディサイズが同じミニバン、トヨタ「ウィッシュ」が登場すると、スポーティミニバン市場のシェアを奪い、ホンダは2003年9月にストリームをマイナーチェンジしてテコ入れを図りましたが、トヨタの販売力にはかないませんでした。

 2006年に2代目ストリームが登場し、よりスポーティな外観と走りで人気を盛り返しましたが、後部ヒンジドアのミニバンのニーズは低下していったため販売は低迷。

 ストリームは2014年に生産を終了し、実質的な後継車は2015年発売の「ジェイド」ですが、こちらも2020年7月に生産を終えています。

■対極的な小型ミニバンと大型ミニバンとは!?

●モビリオ

約4mのボディで3列シートを実現したコンパクトミニバン「モビリオ」約4mのボディで3列シートを実現したコンパクトミニバン「モビリオ」

 ホンダは2001年に次世代のコンパクトカーとして初代「フィット」を発売。ガソリンタンクを前席下に配置する「センタータンクレイアウト」を採用したことで、クラストップレベルの広い室内空間を実現し、大ヒットしました。

 この初代フィットのプラットフォームを使って、さまざまな派生車が誕生していますが、そのなかの1台が2001年末に発売されたコンパクトミニバンの「モビリオ」です。

 外観は背の高いキャビンが特徴的で、ステップワゴンの全長を詰めたようなイメージです。

 後部ドアは両面スライドドアとし、全長わずか4055mmのショートボディながらも、全グレードが3列シートの7人乗りを実現した、優れたパッケージングとなっています。

 ただし、3列目シートのスペースは狭く、あくまでも非常時での使用を想定しており、大人がくつろげる空間ではありませんが、高い室内高と多彩なシートアレンジによって、使い勝手の良さに定評がありました。

 2008年、同様にフィットをベースにした「フリード」とバトンタッチするかたちで、モビリオの生産を終了。

 なお、2002年にモビリオをベースに若年層をターゲットとして開発された、2列シートのトールワゴン「モビリオスパイク」が登場しており、こちらも「フリードスパイク」、現行モデルでは「フリード+(プラス)」へ受け継がれています。

●ラグレイト

巨大すぎるボディは日本で厳しかった「ラグレイト」巨大すぎるボディは日本で厳しかった「ラグレイト」

 初代オデッセイは北米でもヒットしましたが、ホンダはより現地のニーズにマッチしたモデルとして、1998年に北米専用モデルのオデッセイを発売。

 カナダにある工場で生産され、日本でも1999年に「ラグレイト」として輸入販売を開始。

 外観は国内仕様のオデッセイに準じたフォルムですが、後部ドアを両側電動スライドドアとなっており、後席の乗降性を高めています。

 また、ボディサイズは全長5105mm×全幅1935mm×全高1740mmと、国内のオデッセイよりもふたまわりほど大きく、全グレードが7人乗りということもあり、ゆとりある室内空間を実現しています。

 搭載されたエンジンはアメリカの工場で生産された、205馬力を誇る3.5リッターV型6気筒VTECのみとされ、トランスミッションは4速ATのみです。

 当時はトヨタ「グランドハイエース」や、日産「エルグランド」など、高級ミニバンのジャンルが確立されようとしており、ホンダも参戦したかたちですが、さすがにラグレイトは大きすぎて販売は低迷。

 2004年に日本の道路事情にもマッチした大型ミニバン「エリシオン」の発売によって、ラグレイトの生産を終了。

 現在も北米では国内仕様と異なるオデッセイを販売していますが、ボディサイズは全長5212mm×全幅1994mm×全高1735mmと、さらに巨大になっています。

※ ※ ※

 初代オデッセイの登場は衝撃的な出来事でしたが、1982年に、いまのミニバンと同様なコンセプトをすでに確立していたクルマとして、日産初代「プレーリー」があります。

 プレーリーは3列シートに両面スライドドア、さらにセンターピラーレスを採用するなど、革新的なクルマとしてデビュー。

 しかし、非力なエンジンとボディ剛性の弱さなどが露呈したことで販売は低迷してしまいました。

 当時の技術的な限界からプレーリーの評価は低くなってしまいましたが、いまから約40年も前に開発されたことは、偉業だったといえるのではないでしょうか。

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