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背の高いキャンピングカーは横転しやすい!? 安全に運転するためのポイントとは

くるまのニュース / 2020年10月4日 18時10分

最近需要が高まっているキャンピングカーですが、横転事故のニュースを目にすることが増えています。背の高いキャンピングカーは、横転しやすいのでしょうか。

■キャンピングカーはなぜ横転しやすいのか?

 アウトドアやキャンプがブームとなり、キャンピングカーの需要が増えています。

 一般社団法人日本RV協会が発行した「キャンピングカー白書2020」によると、国内キャンピングカーの保有台数は、2019年は11万9400台にのぼるといいます。2017年が10万6200台、2018年が11万2500台ですから、毎年順調に増加しています。

 さらに最近ではオートキャンプブームで、レンタカーでキャンピングカーを利用するドライバーも増えています。

 そんななか、キャンピングカーの横転事故のニュースも目にするようになりました。

 キャンピングカーは車高が高いので、そうしたニュースを目にして、「横転しやすいのかもしれない」と思う人もいるでしょう。しかし、実際はどうなのでしょうか。

 キャンピングカーの主流である、トラックをベースに荷台部分をキャビンスペースに架装する、「キャブコン」を製造・販売するバンテック株式会社広報課の露木伸也氏に聞いてみました。

「タイヤのバーストでキャンピングカーが横転してしまうことはまれにあるのですが、横転のおもな原因は、クルマの操作ミスで縁石などに当たった反動などによるものです。これはキャンピングカーに限ったことでなく、普通車の場合でもよくある事故原因といえます。

 とはいえ、キャンピングカーは3トンを超えるので、挙動がより強めに出てしまう傾向がどうしてもあります。それなりにスピードも出てしまうので、普通車の感覚で走ると制御不能になる場合が十分考えられます」

 キャンピングカーは重心が高く、横風の影響も受けやすいです。3トンを超える車重のキャブコンを動かすエンジンは、2リッターガソリンや3リッターディーゼルを搭載することが多いのですが、トルクが大きく車体が重くても快適に走行することができる半面、アクセルを踏めば簡単に時速100キロを超えます。

 つまり、キャンピングカーが横転しやすいのではなく、重い車体なのに普通車と同じ感覚で走ってしまうことが、事故につながる大きな原因となっているということなのです。

 露木氏は、普通車とは違う、キャンピングカーならではの注意すべき4つのポイントがあるといいます。

「まずタイヤの空気圧です。普通車は200kPaとか230kPaですが、キャブコンのベース車両であるトヨタ『カムロード』は600kPaです。パンクした場合、普通車だとプシュっと空気が抜けてくれますが、キャンピングカーは普通車の3倍の圧力がかかっていますから、バーンとタイヤが弾けてハンドルを取られてしまいます。そのため、空気圧のチェックはもちろんのこと、目視による外観チェックも必須です。

 さらにキャンピングカーの場合は限定的な用途で使われる場合が多く、タイヤの山がなかなかなくならないので、交換のタイミングがわかりにくいということもあります。しかし、停めているだけでもタイヤは劣化することから、3年に1回の交換を推奨しています」

 タイヤは見た目では交換時期が分かりにくいため、5年間変えずに使用していたケースもあったとのことです。そうなると走行中にクラックが入って破裂してしまう危険もあるそうです。

■キャンピングカーを運転するときの注意点とは

 キャンピングカーが横転しやすい原因のひとつに横風があるといいます。

「横風ですが、これは受けるので気をつけてくださいというしかありません。ただし、横風を受けただけで横転することはありません。横風を受けたときに、慌ててハンドルを切ったためにふらついてしまうのです。

 のんびり走っていると、片手ハンドルで運転しがちですが、まっすぐ前を見てハンドルをしっかり持って運転するのが基本です。スピードが出ていて横風に煽られたときには、結構な勢いで持っていかれますから、湾岸の高速やトンネルの出口などの風が強い場所では減速が必要です。

 さらに、大型車に抜かれるときなど、逆に大型車のほうに吸い込まれていくようになることがあります。そこで吸い込まれたほうに向いてしまうと、余計にバランスを崩してふらつきます。目線も重要で、常に前を見ることが大切です。高速道路では風を受けることを意識して、とにかくスピードを落として運転してほしいです」(露木氏)

キャンピングカーキャンピングカー

 そして、キャンピングカーのように重心が高いクルマは、カーブでハンドルを切ったとき、ハンドルを切った方向とは反対側に遠心力がかかります。そこで転倒という恐怖感からハンドル操作を誤ってしまう危険性もあるそうです。

「それも結局はスピードありきだと思います。重量があって重心が高いので、カーブではワンテンポ遅れてロールが始まります。普通車の感覚で切り足すとロールが倍になって、曲がる方向と反対側にハンドルを戻さなくてはならないこともあります。しかし、スピードを出さなければそんなことにはなりません」(露木氏)

 最後に、普通車と大きく違う形状ゆえの死角にも注意が必要と、露木氏は教えてくれました。

「横転事故には直接関係はありませんが、死角をカバーすることも重要です。ただ弊社のキャンピングカーは、ミラーが前に3つあって、サイドミラーは縦に長いので後輪近くも見えますし、フロントアンダーミラーで見えにくい低いポールなどが前にあっても全部見えます。

 バックミラーの代わりにバックモニターも付いているので、ミラーやモニターをしっかり確認すれば、かなりの死角はカバーできます。ただし、左右とも後方45度より外側は見えないので、そこだけはしっかり目視で確認しないといけません」

 このほか、レンタカーとしてキャンピングカーを借りるときに注意したいのが高さだそうです。ガード下などは高さ制限の表記が出ているので気づきやすいのですが、狭い道での民家の軒や看板には注意が必要です。

 通常の目線より上の範囲は目に入りにくいので、余計に気をつけてほしいということです。

※ ※ ※

 大型のタイプを除き、多くのキャンピングカーは普通免許で運転できます。慣れるまではサイズに注意が必要ですが、実用的な全長5m×全幅2mというサイズのキャンピングカーも多く、走り出すとすぐに慣れるといいます。

 キャンピングカーを運転する際は、その快適性を存分に楽しむためにも、スピードの出しすぎをはじめ、キャンピングカーの特性をしっかり意識して、安全な運転を心がけたいものです。

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