寒い時期の厄介事 フロントガラスが凍結した時どうする? 正しい解氷方法とは
くるまのニュース / 2020年12月27日 7時30分
秋から冬に掛けて早朝は氷点下まで冷え込むことがあります。このとき、クルマに乗ろうとすると、ガラスが凍っていたという経験はありませんか。フロントガラスが凍結した際の注意点や、正しい解氷方法を紹介します。
■フロントガラスの凍結に熱湯はNG!正しい解氷方法とは
寒い冬の朝、降雪地域などでいざクルマに乗ろうとしたとき、フロントガラスが凍っていたという経験をした方は多いのではないでしょうか。
凍結したフロントガラスに間違った対処をしてしまうと、ひび割れなどの破損や、凍結を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
凍結しているものを即座に溶かす方法として、熱いお湯をかければ氷は溶けるイメージがありますが、これは絶対にNGな行動です。
フロントガラスは、事故などの衝撃で割れた場合でも飛散しないよう、複数の素材を使用した「合わせガラス」となっています。
素材ごとに熱膨張率が異なるため、熱湯をかけたときに急激な温度変化によってひび割れてしまう可能性があるために危険です。
ひび割れを起こしてしまうと、修理可能な飛び石などの小さな傷とは違い、交換する以外の処置方法がないため、高額な出費を伴うリスクがあります。フロントガラスに熱湯をかけるのは絶対にやめましょう。
また、気温が氷点下にまで冷え込んだ場合は、熱湯をかけた瞬間は溶けたとしても、またすぐに凍ってさらに厚い氷の層となり、悪循環を引き起こしてしまう可能性もあります。
では、どのような対処方法が安全で効果的なのでしょうか。
確実に氷を取ることができる方法としては、スクレーパーでガリガリと氷を削っていく方法があげられます。
ただし、金属製のものや硬いプラスチック製のものはフロントガラスを傷つけてしまう可能性があるので、カー用品店などでクルマに負担をかけない素材のものを選ぶといいでしょう。
しかし、フロントガラス表面は湾曲していることが多いため、一気に削ることは難しく、何度も往復させて削る必要があります。凍結具合によっては氷を削り落とすのが大変で時間がかかったり、削り落とすことが出来ないこともあります。
そこで、より手軽に凍結を解決することが出来るのが、解氷スプレーです。一般的に、解氷スプレーにはエタノールなどの揮発性の高いアルコールが使用されており、その凝固点は-114.5℃とかなり低い温度のため、エタノールそのものが凍ることはありません。
カー用品店やネットショップなどで購入することができ、安いものであれば1本300円前後から購入できます。
また、燃料用のエタノールと水を適切な比率で混ぜてスプレーボトルに入れれば自作することも可能です。材料は、100円ショップやドラッグストアなどで揃えられます。
ほかにも、事前にエンジンをかけて車内を温めておくのも有効です。車内の温度で凍結したフロントガラスを溶かすことができるだけでなく、すでに車内が温まっているので、乗車時も寒くなく快適に乗ることができるというメリットもあります。
もし、寒い日にわざわざクルマのエンジンをかけるためだけに行き来するのは億劫というのであれば、離れた場所からでもリモコンを使用してエンジンを始動することができるリモコンエンジンスターターを導入するのもいいでしょう。
リモコンエンジンスターターは、メーカー純正のほか、後付可能な社外品も販売されています。最近では、スマートフォンアプリと連動して車内温度の確認や、エンジン始動時間の指定、音声による始動などが可能な商品も用意されています。
■凍結を予防する対策方法は?
フロントガラスの凍結時の対策方法を紹介しましたが、やはり寒い中凍結の対処作業をするのは大変です。なるべく手間も時間もなくすためにも、事前に凍結を予防したいものです。
では、凍結を予防するにはどうすれば良いのでしょうか。
一番効果的なのは、ガレージなど「屋根がある場所」に駐車しておくことです。なぜなら、このフロントガラスが凍る現象には「放射冷却」が関係しているためです。
夜間は、放射冷却によって地面の熱が電磁波として上空に出ていくのですが、雲があれば熱が逃げ切らずにガラスは凍りません。しかし、上空に雲が無ければそのまま熱が放出されて気温が下がり、ガラスが凍りやすくなります。
ガレージなど屋根がある場所に駐車すれば霜が降りにくくなるため、効果的な対策方法といえるのです。しかし、そういった駐車スペースは誰もが簡単に用意できるものでもありません。
そこで、誰でもできて効果的な対策が、凍結防止のカバーを利用することです。クルマから降りた際にカバーをかけておくだけなので、簡単にできる対策方法です。もちろん、カバーの上に霜や氷が付着することはありますが、多くの場合、その下のフロントガラスの凍結は防ぐことができます。
凍結している場合にはスクレーパーで削り取るのが有効
なお、カバーの代わりに使用していない毛布やシーツ、バスタオルなどでも代用はできますが、飛ばされない用に固定するのが手間になったり、場合によっては水分を含んだ布ごとガラスやボディに張り付いてしまう可能性があります。また、ボディに傷がつきやすくもなるため、あまりオススメはできません。
凍結防止用のカバーは、サイドミラーに引っかけるタイプやドアに挟むタイプ、フックをタイヤに引っかける、磁石で固定するなどさまざまなタイプがあるので、自分のクルマにあわせて使いやすいタイプを選ぶといいでしょう。
※ ※ ※
JAFがおこなった実験においても、「窓の凍結防止には、ガラスにカバーをかけることがもっとも有効」ということが分かっています。
また、「撥水剤を塗布しておけば、スクレーパーで霜が落としやすい」「寒冷地で駐車する際には、ワイパーゴムが凍結して窓に張り付くことがあるので、ワイパーを立てておく」などの方法も凍結対策として有効なようです。
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