ワゴンなのにトラックみたいなモデルがあった!? ユニークすぎるボディの車5選

くるまのニュース / 2020年10月2日 6時10分

クルマの開発で、重要な要素のひとつは外観のデザインです。そのため十分な時間とプロセスを経て外観のデザインを完成させます。そうしてデザインされたクルマのなかには、面白い外観のモデルも存在。そこで、非常にユニークなデザインのモデル5車種をピックアップして紹介します。

■こんなのもう出ない!? ユニークなクルマを振り返る

 クルマの外観は、価格や性能以上に販売を左右する重要な要素です。そのため、各メーカーは国内外で優秀なデザイナーを雇い、時には外部のデザイン会社へ委託し、長い時間と多くのプロセスを経て、デザインを完成させます。

 また、クルマのデザインにはメーカー独自のコンセプトがあったり、その時代の流行も影響しますが、近年は精悍なフロントフェイスに流麗なフォルムといったデザインがトレンドです。

 一方で、かつてはかなりユニークなデザインのモデルも存在。そこで、面白いボディのクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●日産「マイクラC+C」

欧州仕様「マーチ」に匹敵する走りの良さが評価された「マイクラC+C」欧州仕様「マーチ」に匹敵する走りの良さが評価された「マイクラC+C」

 日産を代表するコンパクトカー「マーチ」は、1982年に初代が発売されました。デザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手掛け、世界戦略車として「マイクラ」の名で欧州でも販売され、人気を博してきました。

 そして、2002年には3代目が登場。2代目までのオーソドックスな2BOXスタイルから、3つの円を組み合わせたようなサイドビューのフォルムに変貌しました。

 この3代目をベースにしたオープンカーの派生車が、2005年に欧州で発売された「マイクラC+C」で、ドイツの名門コーチビルダー(架装メーカー)であるカルマンと共同開発した、格納式ガラスルーフが特徴の4人乗りクーペカブリオレです。

 日本でも2007年モデルから英国工場で生産する輸入車として1500台が限定販売されました。約22秒でフルオープンが可能な電動ガラスルーフは、手軽にオープンエアモータリングが楽しめるとして話題となります。

 基本的なコンポーネンツは3代目マーチですが、エンジンは国内仕様のマーチには設定されていない1.6リッター直列4気筒DOHCが搭載され、欧州仕様のサスペンションと相まって走りが高く評価されました。

 フルオープンの状態ではコンパクトなオープンカーとして洗練された外観ですが、クローズド状態ではルーフの格納場所となるトランクリッドのラインとルーフラインのつながりが、非常にユニークな造形となっています。

 現在も100万円未満の価格帯で中古車が流通しており、欧州テイストの走りが楽しめるオープンカーとして、かなりお買い得かもしれません。

●スズキ「X-90」

コンセプトカーをほぼそのまま市販した「X-90」コンセプトカーをほぼそのまま市販した「X-90」

 1993年に開催された第30回東京モーターショーのスズキブースに、「X-90」というユニークなボディのコンセプトカーが展示され、来場者から注目を集めました。

 そして、2年後の1995年に市販化されることになり、車名はそのままX-90で、同社のSUVである初代「エスクード」のラダーフレームに、Tバールーフの2シーターボディを架装するかたちで製作。

 ボディ形状はボンネット、キャビン、トランクとも、丸みを帯びた2ドアセダンのようなスタイルで、エスクードがベースということもあり、スズキではSUVに分類されていました。

 搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒のみで、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。駆動方式はパートタイム式4WDを採用しています。

 X-90は海外でも話題になり、欧州にも輸出されましたが、日本では使い勝手が悪い2シーターSUVのニーズがなく、発売からわずか2年ほどで販売を終了。

 コンセプトカーが好評だった割に販売は低迷したことから、いまではかなりレアなモデルです。

●トヨタ「bB オープンデッキ」

アイデアと遊び心満載の「bB オープンデッキ」はエンブレムも「OD」アイデアと遊び心満載の「bB オープンデッキ」はエンブレムも「OD」

 トヨタは2000年に、初代「ヴィッツ」のプラットフォームをベースにした小型トールワゴンの「bB」を発売。

 アメリカの若者には安いバンを改造して乗る文化があり、それをヒントにbBは開発され、実際に北米でもサイオンブランドから「xB」の名で販売されました。

 日本では1995年に発売されたホンダ「S‐MX」のヒットもあり、同種のbBも使い勝手の良さから人気となります。

 そして2001年には、キャビン後部上半分を切り取り、ピックアップトラックのような荷台を持つ「bB オープンデッキ」を追加ラインアップ。

 トランク部分はまさに荷台になっていますが、登録は商用車ではなく乗用車の5ナンバーでした。

 内装ではキャビンと荷台を隔てるドアを開けると、室内と荷台を一体化することができ、多彩なシートアレンジも可能で、さまざまな用途に対応。

 また、右側はワンドアで、左側は前開きのリアドアを備えた観音開きとなっており、センターピラーレスの広い開口部から乗降性も良好でした。

 しかし、セールスは好調といえず、オープンデッキは2003年に販売を終了。その後2005年に2代目bBがデビューしますが、オープンデッキはラインナップされませんでした。

■面白ボディの2台の軽トラックとは!?

●ダイハツ「ミゼットII」

名車「ミゼット」を現代風にアレンジした「ミゼットII」名車「ミゼット」を現代風にアレンジした「ミゼットII」

 高度成長期に突入していた1957年に誕生した3輪軽トラックのダイハツ「ミゼット」は、個人商店の荷物の運搬で活躍し、大ヒットしました。

 その後、一般的な4輪軽トラックや軽バンが主流となりミゼットの役目は終了しますが、ダイハツは1996年にミゼットのコンセプトを受け継いだ軽トラックの「ミゼットII」を発売。

 ミゼットIIは軽自動車規格のサイズよりも小さいボディで設計され、市街地での機動性を重視し、装備も必要最低限とするなど、ミゼットのシンプルさを継承していました。

 外観で特徴的なのがフロントフェイスで、スペアタイヤを搭載するフロント部に丸目2灯を配置。

 内装では、1シーターのひとり乗り(後に2人乗りも登場)で、右側の窓だけが開閉可能となっており、メーターはスピードメーターと燃料計のみとされ、パワーステアリングやエアコンも無く快適装備はヒーターだけです。

 価格は46万9000円(消費税含まず)からと安価に設定されていましたが、生産工程の多くはハンドメイドだったといいます。

 斬新なコンセプトが話題となったミゼットIIですが、機動力の高さというメリットよりも積載量の少なさというデメリットが目立ったためか、2001年に生産を終了。

 乗用モデルも検討されたようですが、お蔵入りしてしまいました。

●ホンダ「ライフ ピックアップ」

軽トラックとしての評価はイマイチだった「ライフピックアップ」軽トラックとしての評価はイマイチだった「ライフピックアップ」

 ホンダは1963年に、初の4輪自動車である軽トラックの「T360」を発売。その後スポーツカーの「Sシリーズ」を発売しますが、本格的な量産メーカーとして認められたのは1967年発売の「N360」からで、大ヒットを記録します。

 そして、1970年にN360にかわる新世代の軽自動車、初代「ライフ」を発売。

 さらに多くのニーズに対応するため、1972年にはライフのプラットフォームやエンジンを使った、セミキャブオーバー型軽バンの「ライフステップバン」を発売し、1973年には軽トラックの「ライフピックアップ」が発売されました。

 ライフステップバンは直線基調のボクシーな外観にFF駆動だったことから、現在の軽ハイトワゴンの元祖といえるモデルで、低いフロア高によって使い勝手の良い軽バンでした。

 軽トラックであるライフピックアップは、ライフステップバンのボディを使ってリアは荷台に変えられたユニークなデザインのモデルで、軽自動車では唯一のFFトラックです。

 しかし、ライフステップバンの特徴だった底床は、ライフピックアップでは荷物の積み下ろしには低過ぎたことに加え、荷台の長さが短いことから積載性は良好とはいえず、販売は低迷。

 発売からわずか1年後の1974年に、ライフステップバンとともに生産を終了。販売台数が少ないことから、いまでは激レアなモデルです。

※ ※ ※

 今回紹介した5台のようにユニークなデザインのモデルは、近年見られなくなってしまいました。

 話題性はあっても売れなければ意味が無いということは理解できますが、こうした遊び心満載のクルマが少なくなってしまったのは、寂しいところです。

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