台風接近時の運転は要注意! 豪雨や暴風時に走行するときの対処法とは
くるまのニュース / 2020年10月9日 11時10分
最近は、突然の豪雨や暴風などが近年は発生しやすくなっており、クルマを運転しているときに悪天候に遭遇する可能性が高くなっています。走行中に突然の悪天候に遭遇した場合の注意点や対処法などを、JAFに聞いてみました。
■豪雨では視界の悪化、突風はハンドル操作に注意が必要
10月に入って過ごしやすい季節になりましたが、例年この時期は台風シーズンでもあり、さらに秋雨前線などの影響もあって突然の豪雨や暴風に見舞われることもあります。
ここ最近の台風は、猛烈な勢力を保ちながら上陸する確率が高まっています。
1991年からの統計によると、強い勢力を保ったまま上陸した台風は10月に多く、そのなかでも風速33m/s以上の「強い台風」、44m/s以上の「非常に強い台風」や54m/s以上の「猛烈な台風」は9月や10月に集中して発生しています。
また竜巻や突風が突如発生するケースも増えているようですが、風速50m/s以上になると、クルマなどはかんたんに吹き飛んでしまい、巻き込まれると甚大な被害に遭う可能性が高いかが想像できます。
クルマを運転中に台風やゲリラ豪雨などの悪天候に遭遇した場合、どのようなことに注意して走行すればよいのでしょうか。
日本自動車連盟(JAF)東京支部の高木孝氏に注意点や対処法を聞いてみました。
「高速道路などで突然の豪雨に見舞われた場合、とくに意識していただきたいのは視界がぐっと悪くなるということです。これは自分の視界だけでなく、周囲から自分のクルマの存在が認知されにくくなるということでもあります。
雨天の視界確保ではワイパーを使用することも大切ですが、じつはヘッドライトの点灯も重要な役割を果たしています。視界の確保だけでなく、ほかの車から自車の存在を認知しやすくさせ、事故防止にも役立つことから、ヘッドライトを点灯させてください」
また、ゲリラ豪雨は狭いエリア内で激しい雨が降るだけでなく、激しい突風が発生し、ハンドルが取られてふらつくなど危険な状況になる可能性もあります。
暴風や突風が起きやすいのは、高速道路ではトンネルの出口付近や橋の上、防音壁の切れ目、一般道では海に近い道路などといわれていますので、迂回路を事前に検討しておくといいかもしれません。
「とくにトンネルの出口付近や橋の上、防音壁の切れ目などは突風の要注意ポイントです。突風でハンドルが取られないように、両方の手のひらでハンドルを軽く前に押すように握ると安定しやすいです。もちろんハンドル操作は必要最低限にすることも重要です」(高木氏)
■豪雨のときに起きるハイドロプレーニング現象とは?
急な豪雨のときに注意したいのが、タイヤのグリップ力の低下です。タイヤはハガキ1枚程度の接地面でクルマを支えており、豪雨によって路面の摩擦係数が著しく低下すると、グリップ力も大幅に落ちてしまいます。
ハイドロプレーニング現象が起きるとブレーキが効かなくなる
「路面が乾いているときと同じ感覚でブレーキを踏んでも、ウェット路面は思ったように減速できないものなのです。
また豪雨の場合は、路面の排水能力を超えた降水量になることも多く、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。この現象が起きるとタイヤが水の上を滑走するような状態になり、ブレーキが効かずクルマがコントロールできなくなってしまいます」(高木氏)
突然の豪雨に遭遇した場合は、安全な速度までスピードを落とすことが大切なのだと高木氏はいいます。
「高速道路などで豪雨に遭遇した場合は、車間距離をいつも以上に広めに取った上で、十分に速度を落とした運転を心がけていただければと思います。ゲリラ豪雨の場合は、安全な場所でクルマを停車させ、雨雲が過ぎ去るのをやり過ごすというのも安全な対処法のひとつだといえます。
豪雨や暴風のなかでの走行は肉体的にはさほど疲れを感じなくても、精神的な疲労は蓄積しているかもしれません。パーキングエリアやサービスエリアを上手に活用して、十分な休憩を取っていただきたいです。
また、周囲のクルマからの水はねにも注意が必要です。ただでさえ視界不良な状態ですので、対向車の動向にも気をつけながら走行してください」(高木氏)
※ ※ ※
台風が近づいていることがわかれば、外出を控えるなどの対策が取れますが、突発的な悪天候の場合、安全な場所に停車して悪天候をやり過ごすことが対処法といえそうです。
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