霧でもないのにクルマの「フォグランプ」点灯は違反? 「うっかり違反」防ぐポイントとは
くるまのニュース / 2020年10月9日 9時10分
クルマの「フォグランプ」は、その正式名称である「前部霧灯」の通り、霧などの悪天候時に自車の視認性を高めるために設置されている装備です。しかし、悪天候でなくても夜間にフォグランプを使用するユーザーは多いですが、使用にあたってはどのようなルールがあるのでしょうか。
■クルマのフォグランプ使用のルールとは
クルマのボディ前方に装着される「フォグランプ」は、霧などの悪天候時に自車の視認性を高めるために設置される装備です。しかし、なかには悪天候でなくても夜間にフォグランプを使用するユーザーも存在しますが、使用にあたってはどのようなルールがあるのでしょうか。
まず、正式名称を「前部霧灯」とするフォグランプについて、道路運送車両法の保安基準第33条の2には以下の記載があります。
「前部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の前方を照らす照度を増加させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」
つまり、霧や雨、降雪時などに視界を確保するために使用すべきで、他車の走行を妨げてはならないものです。
なお、色は白色または淡黄色、かつすべて同一の色を使用することと定められています。かつては淡黄色を使用するクルマが多く存在しましたが、最近ではLEDライトが広まった影響で白色が多くなっています。
悪天候時は使用すべきとのフォグランプですが、夜間にフォグランプを付けて走行するクルマを多く見かけます。
では、悪天候時以外のフォグランプの使用には、どのような決まりがあるのでしょうか。
まず、道路交通法第五十二条には以下の記載があります。
「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする」
つまり、夜間には前照灯(ヘッドライト)、車幅灯(スモールランプ・ポジションランプ)、その他灯火を点灯すべきとのことです。
しかし、フォグランプはその他灯火に含まれないとされているため、ヘッドライトを点灯せずスモールランプとフォグランプのみでの走行は違反行為となります。自分が感じる明るさの度合いに関わらず、ヘッドライトの点灯が必要ということです。
無灯火走行で取り締まりを受けると、違反点数1点と反則金6000円(普通車)の罰則が適用されます。
また、首都圏の警察署の交通課職員は以下のように話します。
「夜間のライト点灯については、暗い場所では注意する人が多いものの、夜でも明るい都心部では気が緩みがちです。
街灯の多い場所では、周りの光に埋もれてクルマの視認性が下がるという危険があります。明るいから大丈夫だろうではなく、明るいからこそ危ないという意識も持つようにしましょう」
夜でも明るい都心部では、ドライバー自身は視界が確保できているため、無灯火に気が付かないケースもあります。周囲のクルマや歩行者からは自車は見えにくくなることがあることを忘れずに、夜間はライト管理をしっかりおこないましょう。
※ ※ ※
フォグランプは前方を照らす装備ですが、後方には正式名称を「後部霧灯」とするリアフォグランプがあります。欧州仕様車にはよく見られ、国内では降雪の多い地域で販売される寒冷地仕様車に装備されています。
リアフォグランプの使用についても、注意が必要です。道路運送車両の保安基準の第37条の2に以下の記載があります。
「後部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の後方にある他の交通からの視認性を向上させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」
つまり、雪や霧がひどくない通常時には使用を控えなければなりません。なんとなくかっこいいからとむやみに点灯するのではなく、きちんとルールを守って使用しましょう。
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