せっかく作ったのに一代限り!? 残念ボディの車3選
くるまのニュース / 2020年10月9日 16時10分
昭和の時代、国産車では1車種で複数のボディタイプを設定するのが一般的でした。しかし、平成になるとボディタイプは減少し、1種類だけになったクルマも数多くあります。一方で、複数のボディタイプを設定したにもかかわらず一代限りで廃止となったクルマも存在。そこで、残念なボディタイプのモデルを3車種ピックアップして紹介します。
■つくってみたものの、売れずに一代で消滅したモデルを振り返る
昭和の時代のクルマでは、1車種で複数のボディタイプをラインナップすることが一般的でした。たとえばトヨタ「クラウン」はセダン、2ドアクーペ、ステーションワゴン、ライトバン、ピックアップトラックが設定されていた頃があります。
しかし、平成になるとボディタイプは減少し、セダン専用、ステーションワゴン専用、クーペ専用と、ボディタイプがひとつしかないモデルの方が多くなります。
一方、せっかくボディタイプを増やしたにもかかわらず、一代限りで廃止したモデルも存在。そこで、残念な結果となったボディタイプのモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「インプレッサ リトナ」
いまでは偉大の珍車として知られる「インプレッサ リトナ」
スバルは1989年に、次世代のセダン/ステーションワゴンとして初代「レガシィ」を発売し、大ヒットしました。
そこで、さらにラインナップ拡大を図り、1992年にはレガシィよりもコンパクトなモデルの「インプレッサ」が誕生。
発売当初は4ドアセダンとステーションワゴンのふたつのボディタイプで展開し、高性能グレードの「WRX」が設定され話題となり、ヒット作となります。
そして、1995年に新たなラインナップとして、2ドアクーペの「インプレッサ リトナ」を発売。
インプレッサの2ドアクーペは、もともと海外専用モデルとして販売されていましたが、ラインナップ拡充のため日本でも展開されました。
しかし、すでに2ドアクーペのニーズは減少傾向にあったことと、インプレッサは高性能なセダンとステーションワゴンというイメージが定着していたためか、販売は低迷。
1996年のマイナーチェンジでリトナは廃止されてしまいますが、代わりにリトナをベースとした高性能モデルの「WRX Type R STi」が登場しました。
1997年から世界ラリー選手権を戦うクルマが「WRカー」に移行すると、スバルはリトナをベースにラリーカーを仕立て、3年連続のマニュファクチャラーズ(メーカー)チャンピオンを獲得。
このWRカーのレプリカモデルとして、1998年に400台限定の2ドアクーペ「22B STiバージョン」が発売されると、500万円と高額ながらすぐに完売。
その後、2000年に第2世代が登場した以降は、インプレッサに2ドアクーペは設定されていません。
●スズキ「SX4セダン」
世にも珍しいSUVベースのセダン「SX4セダン」
現在、スズキのラインナップのなかで登録車のSUVは、「ジムニーシエラ」を筆頭に「クロスビー」、「エスクード」、そして「SX4 S-CROSS(エスクロス)」があります。
このSX4 S-CROSSは2代目で、初代は2006年に「SX4」の車名で発売されました。
SX4は欧州や北米でも販売するグローバルカーとして開発されたショートワゴンタイプのSUVです。このSX4をベースに、派生車として2007年に「SX4セダン」を発売。
SUVをベースとしたセダンを販売する事例は非常に珍しいですが、SX4の欧州テイストのデザインを生かしたセダンに仕立てられていました。
SX4セダンは、広い室内空間とクラストップレベルとなる515リッターの大容量トランクルームが特徴で、優れたユーティリティをアピール。
エンジンは1.5リッター直列4気筒で、組み合わされるトランスミッションは4速ATのみ。駆動方式はSX4という名を冠していながらもFFの2WDのみでした。
販売期間は比較的長く2014年まで販売されましたが、次世代のSX4 S-CROSSではセダンが設定されず、一代限りで消滅してしまいました。
いまでは中古車市場でも滅多に流通しない、激レアな1台です。
■ジンクスを証明してしまったスカイラインとは!?
●日産「スカイライン ハッチバック」
歴代のなかでもとくに異色のモデルだった「スカイライン ハッチバック」
現在、日産「スカイライン」はセダンのみとなっていますが、かつてはセダン以外に2ドアクーペやステーションワゴン、ライトバンをラインナップしていました。
そして、1981年に登場した6代目では、5代目から引き続きセダンと2ドアクーペ、ライトバンが設定されたことに加え、スカイライン初の試みとして5ドアハッチバックが登場。
5ドアハッチバックのボディはリアシート部分まで4ドアセダンとドアも共通でしたが、トランク部分がルーフエンドからテールエンドに向かって傾斜するハッチバックとなっており、4ドアセダンの居住性とハッチバックの利便性を併せ持つことが最大の特徴でした。
しかし、スカイラインのイメージとは異なったためか、販売は低迷。実際にセダンやクーペと比べると、かなり違和感のあるデザインといえます。
当時の国内市場では「5ドアハッチバックは売れない」というジンクスがあり、まさにスカイラインハッチバックは、そのジンクスを証明したことになります。
1985年に発売された7代目スカイラインでは5ドアハッチバックが廃止され、ステーションワゴンが復活し、8代目からはセダンと2ドアクーペだけに整理されました。
※ ※ ※
近年は、売れるボディタイプと売れないボディタイプの差が明確になっています。そのため、セダンやクーペ、ステーションワゴンは激減してしまいました。
これも時代の流れとして仕方のないことですが、クラウンのクーペや、スカイラインのステーションワゴンなど、仮に現行モデルでラインナップされていたら、かなり魅力的に感じてしまうのではないでしょうか。
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