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増加する「道の駅」 なぜ東京は1つだけ? 120以上の北海道と異なる事情

くるまのニュース / 2020年10月10日 9時30分

日本全国に点在する「道の駅」は、観光拠点としても地域の情報発信基地としても人気です。年々、道の駅が増えているのには、どのような理由があるのでしょうか。

■年々増加する「道の駅」いまでは全国1180か所が登録

 ドライブに出かけたとき、「道の駅」に立ち寄ることがあります。最近では観光地に向かう前の休憩はもちろん、道の駅自体がドライブの目的地として人気があるようです。

 1991年に試験的に実施され、1993年に正式に運用がスタートしました。制度がスタートした当初は103か所でしたが、2020年7月時点では全国に1180か所が国土交通省に登録されています。

 とくに、1990年代後半から2000年代前半の「直売所ブーム」をきっかけに、その数が激増したといわれています。

 急速に数を増やす道の駅とは、どのようなものなのでしょうか。

 道の駅は、国土交通省(当時は建設省)が提唱したもので、道路利用者向けの「休憩」機能、施設利用者や周辺地域の住民のための「情報発信」、施設を核として地域の町同士が連携する「地域の連携」という3つの目的があります。

 これらの目的を踏まえて、民間企業が作る商業施設ではなく、自治体が主体となって作った公共事業のひとつとされています。

 何より注目されたのが、直売所による地域の経済効果です。主だった観光資源を持たない地方の自治体にとって、道の駅は地域活性化・地方創生の起爆剤として期待され、行政主導で数が増えたという側面があるのです。

※ ※ ※

 道の駅として登録するためには、いくつかの条件があります。

 24時間無料で利用できる十分な台数が停められる駐車場と清潔なトイレ、子育て応援施設(ベビーコーナーなど)の常設に加え、道路情報や地域の観光情報、緊急医療情報などの情報発信機能と、地元の人が利用できる文化共用施設や観光レクリエーション機能などが併設されている必要があります。

 とくに重要なのは、十分な台数が停められる駐車場や併設される文化共用施設のための敷地の確保です。

 近隣住民にも迷惑がかからず、かつ施設を建設できる広さを確保できる敷地は、都心部や観光名所が多い地域では難しく、そのため全国の道の駅の約8割が中山間地域に設置されています。

 47都道府県のなかで、道の駅がもっとも多いのは北海道の128か所、もっとも少ないのは東京都・八王子にある「八王子滝山」の1か所のみとなっています。

 東京に道の駅が少ないということは、地価も高く十分な敷地を確保しにくい東京ならではの事情があるのでしょう。

 また、東京に隣接する神奈川県の道の駅は4か所とやはり少ないのですが、こちらは横浜や湘南の海といった観光スポットがあり、道の駅がなくても地域の経済が活性化しているということもひとつの要因だといえます。

■複合施設として期待される道の駅の現状と今後

 最近の道の駅は、以前からある地元の名産品を販売するだけにとどまらず、新しいメニューや商品の開発が進み、そこでしか買えないオリジナル商品などによって地域の認知度と利用率を上げる役割も果たしています。

 そんななか、利用者に注目され、盛り上がりを見せているのが、複合レジャー施設型の道の駅です。

玉ねぎが名物「道の駅 うずしお」玉ねぎが名物「道の駅 うずしお」

 敷地内には地産の直売所はもちろんのこと、複数のレストランや物販の専門店といった「購買施設」、手ぶらでバーベキューが楽しめたり、温泉があったり、広々としたドッグランなどが併設され、訪れた人たちが1日中施設内で楽しめる「体験型施設」が、非常に人気を集めています。

 なかには宿泊施設まで併設するところや、キャンプ場やオートキャンプ場を完備しているところもあります。

 また、海に近いエリアでは遊覧船が運航されていたり、併設されたヘリポートから遊覧飛行が楽しめる道の駅まであります。

 手軽にアウトドア気分が楽しめ、レジャー施設が利用できる道の駅は、さらに充実していくものと予想されます。

※ ※ ※

 国土交通省サイトには、今後の道の駅の方向性についての目標が記載されています。

 ひとつめは「全国道の駅連絡会」という組織を法人化させ、個々に独立した道の駅間のネットワークを強化することで、情報の共有化や観光・産業の機能を発展させる連携をおこない、地域活性化や地方創生の拠点を目指すというものです。

 もとから地元の経済活性化や情報発信を意識した作りになっている道の駅だけに、連携するメリットがどれだけあるかは未知数な部分もありますが、ふたつめに掲げる目標である「防災拠点としての機能強化」と連動することで、大きな意味を持ちそうです。

 昨今頻発している自然災害に対する避難先や警察や消防と連携する拠点として、全国の約43%の道の駅が防災計画に組み込まれており、「BCP(事業継続計画)」と呼ばれる災害時に地元企業の損害を最小限に抑え、継続や復旧のための計画にも組み込むべきだという考えがあります。

 また少子高齢化が進む今後に考慮して、病院や役場機能、子育て応援施設などを併設するアイデアも出ているようです。

 地域の経済活動(収益)を生み出しつつ、より多くの地元の人にも活用してもらえるようにしようというのが、今後の道の駅の目標となっていくようです。

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