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なぜスポーツカー続々登場!? 量販は狙えないモデルでも メーカーが注力する狙いとは

くるまのニュース / 2020年10月15日 7時10分

現在の国産スポーツカーは、復活組や新規組のスポーツカーが出てくるなど、スポーツカー市場が盛り上がりを見せているように見えます。しかし、スポーツカーは量販に向かないため、経営的観点からすると注力するには難しいジャンルです。それでも最近のメーカーがスポーツカーを投入する狙いとはなんなのでしょうか。

■なぜ量販に向かないスポーツカーにメーカーは注力?

 近年の日本市場では、「スポーツカー人気」が再燃しているといいます。直近では、ホンダ「シビックタイプR」のマイナーチェンジモデルが2020年10月9日に発売され、大きな話題を集めているほか、9月16日には日産が次期型「フェアレディZ」のプロトタイプをお披露目するなど、国産スポーツカーへの関心が高まっているのです。
 
 では、約30年前に国産スポーツカーの黄金期を迎え、その後は低迷していたといえるスポーツカー市場。最近になって続々と国産スポーツカーが復活していますが、なぜ多くの販売台数を見込めないスポーツカーにメーカーが注力するのでしょうか。

 前述のシビックタイプRは、今回のマイナーチェンジで前後バンパーをよりスポーティーさを際立たせたデザインにするとともに、エンジンの冷却性能を向上させるなど、サーキット走行性能をさらに追求しています。

 11月30日にはリミテッドエディションという台数限定モデルを発売。鈴鹿サーキットではFF車のタイムを更新しました。

 2020年9月にはトヨタがラリーで勝つために開発したとされる「GRヤリス」を発売し、同月16日には前述のフェアレディZプロトタイプがお披露目され、2021年末までに登場予定。

 スバル「BRZ」は次期型モデルを今秋に北米でお披露目するといい、共同開発車となるトヨタ「86」も近々フルモデルチェンジすることが予想出来ます。

 さらに、トヨタはGRブランドにおいて、販売価格が1億円以上とも噂される「GRスーパースポーツ(仮称)」の投入を予定するなど、量販が見込めないスポーツカーながら各メーカーが注力しているのです。 

 かつて1980年代から1990年代は国産スポーツカーが黄金期を迎えていましたが、2000年の排出ガス規制後に軒並み国産スポーツカーが姿を消した後は、若年層の意識変化もあり、スポーツカーのイメージは「ダサい」や「使い勝手悪い」といったマイナスなものが多くなりました。

 しかし、2020年6月現在では各社のホームページ上で「スポーツカー」や「スポーツ」に分類されているモデルが多くなっています。

 前述のモデルを含めるとトヨタは、86やGRヤリスをはじめ、「スープラ」「コペンGRスポーツ(ダイハツ含む)」など、ホンダはシビックタイプRに加えて「S660」「NSX」、日産はフェアレディZと「GT-R」をラインナップ。

 スバルは前述のBRZ、マツダは「ロードスター」、スズキは「アルトワークス」、「スイフトスポーツ」などを販売してています。

 上記のラインナップを見ると、かつての国産スポーツカーとは異なる販売展開だということが分かります。

 例えば、ダイハツのコペンは、本来ダイハツが開発・製造・販売をおこっていましたが、2019年1月の東京オートサロン2019にて、コペンGRスポーツをお披露目。その後、ダイハツとトヨタのGRブランドの両社で販売する新たな販売方法を展開しました。

 また、販売だけでなく開発方法にも変化が見られ、トヨタのスープラはBMW「Z4」、86はBRZとプラットフォームを共有する共同開発車となり、かつて各社が独自で開発していた時代と異なっています。

 さらには、GT-RやNSX、スープラ、アルトワークスなどは、かつて日本市場で販売されていたものの、一度市場から姿を消したにも関わらず復活したモデルです。

 このように、新しい販売・開発をおこなってでも、スポーツカーに注力する背景について、国産自動車メーカーの担当者は次のように話します。

「スポーツカーの開発に注力する1番の要因は、各メーカーのブランディングとしての役割が大きいです。

 実際に多くの台数を見込めるモデルと違い、スポーツカーはそこまで売れるものではありません。とくに、日本においては 時代の変化によりクルマにお金を掛ける人が減少しました。

 しかし、グローバルで考えると何かの競技に参戦し、結果を残しているメーカーのクルマが売れる傾向にあるのは、今も昔もそれほど変わっていません。

 また、東南アジアや北米では、1990年代の国産スポーツカーが人気を博しています。その影響もあり、現在販売している日本メーカーのスポーツカーも一定の人気を得ているので、ブランディングと一定数の販売台数が見込める限りは継続されます。

 あとは、メーカーで開発に携わる者は少なからずそのメーカーのスポーツカーが好きだったということもあり、再度スポーツカーを盛り上げたいという、中の人の想いも影響しているのかもしれません」

■ 今後のスポーツカーはどうなる? EV化も考えられるのか

 スポーツカー人気が再燃してきた昨今ですが、今後の国産スポーツカーはどうなっていくのでしょうか。

 前述のフェアレディZプロトタイプは、初代S30型のシルエットやフロント&リアの特徴的な造形をモチーフに魅力的なデザインに仕上がっています。

 リアのデザインは、Z32などいくつかの歴代Zが持つテールランプからインスピレーションを得たデザインテーマを現代風にアレンジ。

 ボディサイズが全長4382mm×全幅1850mm×全高1310mm、タイヤサイズは前255/40R19、後285/35R19です。

 パワートレインは、V型6気筒ツインターボエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせることが公表されていますが、噂では「スカイライン」の最強モデル「400R」に搭載される、405馬力の「VR30DDTT型」エンジンを採用するといわれています。

 一方で、トヨタのGRブランドは、開発中のハイパーカー「GRスーパースポーツ(仮称)」を、WEC世界耐久選手権2019-2020シーズンの第7戦となるル・マン24時間レースの決勝前にサルト・サーキットでデモ走行させました。

 このGRスーパースポーツは、WEC参戦の意義を具現化し「TS050 HYBRID」の魅力を可能な限りダイレクトかつ扱いやすくしたスーパースポーツカーを世に出したいという想いから開発がスタート。

 パワートレインは、V型6気筒ツインターボエンジンやトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)を搭載し、システム最高出力は1000馬力を発揮。

 GRは、高効率のEVシステムと希薄燃焼エンジンの組み合わせにより、究極のパワーと環境性能を両立した、次世代のスーパースポーツカーを目指すとしています。

 2018年の発表当初には、「市販開始の時期は2020年以降、価格は1億円を超えるのではないか?」と噂されていました。

 ル・マンの場でお披露目されたプロトタイプは、開発が継続されていることをアピールしており、近い将来に発売されることが期待されます。

GRが開発中のハイパーカー「GRスーパースポーツ(仮称)」のオープン仕様GRが開発中のハイパーカー「GRスーパースポーツ(仮称)」のオープン仕様

 また、ホンダは2016年8月に2代目となるNSXを発表。パワートレインは3.5リッターV型6気筒エンジンにホンダ独自の3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載したスーパースポーツを市場に投入しています。

 このように、かつてのスポーツカーはガソリン車を基本としていましたが、今後は電動化が定番となることが予想され、高性能と環境性能を両立した次世代スポーツカーの登場が期待されます。

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