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アウディ「e-tronスポーツバック」上陸! プレミアムEVの静粛性を日本の道で味わった

くるまのニュース / 2020年10月13日 19時10分

アウディとしては日本市場初導入となる電気自動車「e-tron Sportback(eトロン スポーツバック)」。9月17日に日本上陸を果たしたが、さっそくこのモデルを試乗する機会に恵まれた。全長は4900mm、車両価格が1300万円超というプレミアムSUVだが、実際に乗ってみてどうだったのか。

■Cd値はなんと0.25! フル充電で405km走行可能なピュアEV

 アウディから本格的な電気自動車「e-tron Sportback(eトロン スポーツバック)」が日本でも発売になった。

 欧州では2019年3月に発表、発売が開始され、ワールドワイドでは2019年にすでに2万7000台を販売、2020年1月から6月は1万7700台が売れている。

 日本での価格は1327万円(バーチャルエクステリアミラー仕様は1346万円)という高級車にも関わらず、これだけの数が売れているということは、立ち上がりの販売台数としては上出来だろう。ちなみに、税制によってEVが優遇されているノルウェーの2020年上半期の販売実績ではe-tronスポーツバックがトップになったという。

 e-tronスポーツバックは、レンジエクステンダー(発電機用のエンジン)を搭載しない電気自動車、つまりBEV(バッテリーEV)である。駆動用のモーターは前後にある。つまりクワトロ(4WD)だ。リチウムイオンバッテリーの容量は95kWhとたっぷり。一般家庭の約1週間分の電気を貯められる。これでWLTCモード燃費で405km走ることができる。

 2個のモーターを合わせた出力は通常時265kW、ブーストモード時は300kWを発揮する。最大トルクは561Nmだが、ブーストモード時は664Nmに上がる。走行中低負荷のときには後輪駆動だけになる。そのときの最大出力は165kWになり、航続距離を伸ばすことに貢献する。

 後輪駆動から4輪駆動への切り替えも含めた前後アクスルのトルク配分は、わずか30ミリ秒という瞬時におこなうことができる。これもクワトロドライブシステムに40年の歴史を持つアウディならではの技術だという。

 充電は、AC200V(8kW)かCHAdeMO(チャデモ。50kW)が可能。充電口はフロントフェンダーにあり、右側は200V、左側はCHAdeMOでそれぞれ専用になっている。充電口のフタのすぐ上にある黒い部分を押すことで開閉する。

 それでは早速、アウディ「e-tronスポーツバック 55 quattro 1st edition」に試乗しよう。

 全長4900mm×全幅1935mm×全高1615mm、ホイールベースは2930mmというサイズは、クルマに近づくと大きく感じる。

 エクステリアデザインはすぐにアウディとわかる。オクタゴン(八角形)のシングルフレームグリルであったり、ヘッドライトの形状、全体に角を落として丸味のある感じなどがアウディらしい。クーペスタイルだが、リアはハッチバックになっていて、スポーツバックという名前に合っている。

 フロントグリルの開口部が一部に限定されているところはEVらしいところだろう。水平基調のDRL(デイタイムランニングライト)もe-tron特有のデザインになっている。ドアの下部には黒の帯が入っているが、これはバッテリーを強調しているらしい。左右のLEDテールランプをつなぐ赤いライトストリップが入り、流行に遅れていない。

 バーチャルエクステリアミラーは、外のカメラで撮ったものを室内のモニターに映し出す、ドアミラーが進化したものだ。

 モニターにOLEDを使うことは映像のレスポンスを早くすることができるから、ミラーの代用とするモニターには有効である。ただしこのモニターの位置が少し低い。つい普段のクセが出て、見てしまうところは外のカメラだったりする。横方向の動きはさほど問題なくできるが、ミラーを見るために視線を下に向けるのは難しい。

バーチャルエクステリアミラーの映像はここに映るバーチャルエクステリアミラーの映像はここに映る

 ただしこのミラーの角度調整の仕方は簡単でやりやすい。画面にタッチしながら上下左右に動かすことができるからだ。助手席側のミラー位置もドライバー側のモニターでできる。ちょっと残念なのは、そのとき押すドアミラーの形をしたピクトグラムが、左ハンドルの助手用の絵だったことだ。

■力強い走りなのに静粛性は非常に高い

 では、実際に走り出してみよう。

アウディ「e-tronスポーツバック」の走りアウディ「e-tronスポーツバック」の走り

 走行音は静かだ。数あるEVのなかでも静かな部類に入る。力強い走りなのに静かだから、これだけでも非日常を味わえる。窓ガラスが合わせの防音仕様になっているし、エアロダイナミクスには力を注いでいる効果もあるだろう。なんせCd値が0.25というから凄い。

 シングルフレームグリルも開閉式になっていて、それを閉じたときには空気抵抗が減る。また床下を流れる空気もコントロールしようとしている。床下ボードにはゴルフボールのようなディンプルを設けて空気抵抗を低減している。もちろん、ドアミラーに比べて外に出ている部分が小さいバーチャルエクステリアミラーも、大きく貢献している。

 EVだから、アクセルオフでは回生ブレーキでエネルギーを回収する。デフォルトは通常のエンジン+ATと同じ程度。ただし回生の強さはハンドルの裏に付いたパドルで調整できる。左を引くと回生を強く、右を引くと回生を弱くする。回生度合いを調整できるのは、ドライビングの幅を広げてくれる。ただし家族やお客さまを乗せたときには、回生を弱めにして運転したほうが良いだろう。

 ブレーキペダルを踏んでも、回生によって制動力をコントロールしている。0.3G以上になるようにブレーキペダルを踏めばパッドとローターの摩擦で制動するというが、そんな急ブレーキでもない限り、通常のドライビングの90%は機械的なブレーキは使わず、回生ブレーキでエネルギーを回収するという。それにしては、ブレーキキャリパーはポルシェに負けないくらいのものが付いている。ほとんどのオーナーはそれを使わずに終わるのだろう。ちょっともったいない気もする。

 これからアウディのe-tronは、バリエーションが増えていくようだ。

 いまはe-tronスポーツバック55 Sラインをベースにした限定のファーストエディションだけだが、2021年にはSUVのe-tron 50/e-tronスポーツバック50、e-tron55/e-tronスポーツバック55の通常ライン、そして近い将来、スーパースポーツカーのe-tron GTなども出てきそうだ。

 アウディは2025年までに販売台数の4割(30車種)を電動化モデルにし、うちEVは20車種にする計画だ。そのために2024年までに120億ユーロの先行投資をし、4つの電気自動車用のプラットフォームを用意するという。

 今回の「e-tronスポーツバック」はその始まりだ。CASEの時代の先頭を切る勢いをアウディに感じ、これから出るモデルも楽しみになる。

アウディ「e-tronスポーツバック」。スポーツバックらしくリアが傾斜する4ドアクーペSUVスタイルアウディ「e-tronスポーツバック」。スポーツバックらしくリアが傾斜する4ドアクーペSUVスタイル

e-tron Sportback 55quattro 1st editionバーチャルエクステリアミラー仕様車

・車両本体価格(消費税込):1346万円
・全長:4900mm
・全幅:1935mm
・全高:1615mm
・ホイールベース:2930mm
・車両重量:2560kg
・電動機最高出力:300kW
・電動機最大トルク:664Nm
・駆動方式:4WD
・変速機:1速固定式
・一充電走行距離(WLTCモード):405km
・サスペンション前/後:ウイッシュボーン/ウイッシュボーン
・ブレーキ前/後:ディスク/ディスク
・タイヤサイズ:265/45R21

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