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スタッドレスとオールシーズンタイヤはどう違う? この冬に選ぶべきタイヤは

くるまのニュース / 2020年10月11日 8時30分

10月。そろそろ冬の準備としてタイヤ交換の時期となってきたが、近年では、一年中履き続けられると評判の「オールシーズンタイヤ」も、多くのメーカーから登場している。冬用タイヤの定番、スタッドレスタイヤとの違いはどこにあるのか。

■ここ数年で各タイヤメーカーから続々登場したオールシーズンタイヤ

 10月というこの季節は、ウインターシーズンに向けてタイヤの交換の時期になる。北海道などの降雪地域では、早ければ10月の末から雪が降り出すこともあるため、早めに冬用タイヤへの交換をおこないたいところだ。

 冬用のタイヤといえば、やはりスタッドレスタイヤが主流だが、最近ではカー用品店やタイヤ専門店の店頭で、オールシーズンタイヤが並んでいるのを見かけるようになった。

 スタッドレスタイヤとは、冬用タイヤのひとつだ。

 1980年代までは、降雪地域では冬にはスパイクタイヤを装着するのが主流だった。ただしスパイクがアスファルトを削る粉じんが問題となり、1991年には一部の地域などを除き使用が禁止された。

 そのスパイクタイヤに打ち込まれている金属の鋲(スタッド)がなくても、冬の道を走ることができるように開発されたタイヤが、すなわち「スタッドレスタイヤ」ということになる。

 このタイヤはおもに、凍結した路面や雪道での走行を想定しているため、降雪の多い地域では冬のマストアイテムといえるだろう。

 一方、首都圏でも雪が積もり、高速道路で「冬用タイヤ規制」がおこなわれている光景を見る機会がある。

 この場合、夏用タイヤであればチェーンを装着する必要があるが、スタッドレスタイヤなどの許可されたタイヤであれば通行することが可能だ。

 また一般道でも、積雪や道路の凍結がありそうな場合、夏用タイヤでの走行は事故の原因になるため、クルマでの外出を諦めてしまうドライバーも多いのではないだろうか。

 しかし、こうした場合を除けば、首都圏をはじめとした非降雪地域で積雪に見舞われるのは、多くても年に数回だろう。そのためだけにスタッドレスタイヤに履き替えるのは時間も手間もかかる。とくにマンションなどに住んでいる人であればタイヤの保管場所にも困るはずだ。

降雪地域に住む人や、ウインタースポーツを趣味としている人は、毎年この時期にスタッドレスタイヤへの履き替えをおこなっている降雪地域に住む人や、ウインタースポーツを趣味としている人は、毎年この時期にスタッドレスタイヤへの履き替えをおこなっている

 最近、「オールシーズンタイヤ」という言葉を目にする機会が増えてきた。別名は「フォーシーズンタイヤ」で、その名のとおり「春夏秋冬」一年を通し、どのシーズンにおいても走行できるタイヤ、ということになる。

 いままでは、グッドイヤーやミシュランなど、海外のブランドがオールシーズンタイヤを日本市場で販売していたが、2019-2020年シーズンからは、ダンロップやトーヨータイヤ、横浜ゴムという国産タイヤブランドも続々と日本で展開を始め、これからやってくる2020-2021年シーズンでは、ブリヂストンをのぞくほとんどの大手タイヤブランドから選ぶことができるようになった。

■降雪地域にはスタッドレス、非降雪地域にはオールシーズン、という考えは間違い

 では、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤにはどんな違いがあるのだろうか。

横浜ゴムの冬用タイヤ。右がスタッドレスタイヤ「アイスガード6 iG60」、左がオールシーズンタイヤ「ブルーアース4S AW21」横浜ゴムの冬用タイヤ。右がスタッドレスタイヤ「アイスガード6 iG60」、左がオールシーズンタイヤ「ブルーアース4S AW21」

 日本で早くからオールシーズンタイヤ「ベクター・フォーシーズンズ」を展開し、またスタッドレスタイヤ「アイスナビ7」も販売している日本グッドイヤーに聞いてみた。

──オールシーズンタイヤは、どのような特徴があるのか。

 名前が示すとおり、四季を通じて一年中履けるタイヤです。ウェット路であっても、ドライ路面であっても、雪道であっても走ることが可能です。ただし路面が凍結しているアイスバーンでは、スタッドレスタイヤに比べると性能は劣ります。

 オールシーズンタイヤのライフ性能はどうなのか気にする方が多いと思いますが、ほぼ夏用タイヤと同じくらいと考えていただいて間違いありません。

──オールシーズンタイヤは、どのような人におすすめなのか。

 とくに、東京や大阪など大都市圏に住んでいる方、そして非降雪地域にお住いの方です。年に数回の雪が降るような地域で、わざわざそのためにスタッドレスタイヤに履き代えることや、チェーンを巻くことが面倒であるとか、あるいは、運転することを諦めてしまうような方に向けて、オールシーズンタイヤを推奨しています。

※ ※ ※

 ミシュランも、スタッドレスタイヤに加えて2018年の春からオールシーズンタイヤを国内市場に本格導入した。オールシーズンタイヤおよびスタッドレスタイヤに対する考え方を日本ミシュランタイヤの担当者に聞いた。

──非降雪地域でスタッドレスタイヤを選択した場合に、気をつける点はあるか。

 お客様それぞれの運転環境や使用方法、各メーカーの特徴もあるので一概にはいえませんが、一般的にスタッドレスタイヤは、氷上や雪上において最大のパフォーマンスを発揮するよう、コンパウンドやサイプなどが設計されているため、剛性面やドライ/ウエット路面での性能では夏タイヤに及ばない場合もあります。

 そのため、とくに氷上・雪上以外での走行が多いと予想される非降雪地域においては、そのようなタイヤの特徴の違いをよく認識していただき、安全マージンを多くとった運転を心がけて頂ければと思います。

──オールシーズンタイヤに対する注意点を教えて下さい。

 ミシュランのオールシーズンタイヤも、アイス性能までカバーするようなパーフェクトなタイヤではありませんが、現代の気候や使用状況にあったユーザー様にはご満足いただけるよう性能を向上させた製品となっています。

 まずはお客様ご自身の使用状況をよく整理したうえで、安全性を第一に考え、必要であればスタッドレスタイヤも選択肢に入れつつ、最適なタイヤ選択をしていただくうえでこのオールシーズンタイヤも選択肢のひとつとして考慮頂ければと考えています。

※ ※ ※

 春夏秋のドライ・ウエット路面、そして冬のスノー路面まで、四季を通して走行することが可能なオールシーズンタイヤだが、凍結した道路のアイス路面では、思った以上に止まらない、と考えておいたほうがいいだろう。スタッドレスタイヤは、これまでいかにアイス路面で短い距離で止まれるかを追求し、進化し続けてきたという長い歴史がある。

 都内など非降雪地域でも、一度雪が降ってしまうと、除雪がされない裏道では何日もアイスバーンになるところが多くある。そうした場所では、やはりスタッドレスタイヤを装着していないと、安心安全のウインタードライブは難しい。

「降雪地域はスタッドレス、非降雪地域はオールシーズン」という安易な決めつけではなく、自分の住む街の道路環境やライフスタイルを考えて、冬用タイヤを選ぶのがよいだろう。

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