じつは羊の皮を被った狼だった!? 見た目を裏切る日産の高性能車5選

くるまのニュース / 2020年10月14日 6時10分

スポーツカーに代表される高性能なエンジンを搭載するモデルは、外観も見るからに速そうです。一方で、おとなしそうな外観ながらハイパワーなモデルもあり、なかでも、かつての日産車には意外な高性能車が数多く存在。そこで、王道ではない日産の高性能モデルを5車種ピックアップして紹介します。

■なぜか高性能なエンジンを搭載した日産車を振り返る

 高性能なエンジンを搭載し、運動性能が高められたスポーツカーは、見た目にも速そうな外観デザインとなっているのが一般的です。

 一方で、おとなしめな外観ながら高性能なエンジンを搭載したモデルも存在。なかでも、かつての日産車には、そんな意外な高性能モデルが、数多くラインナップされていました。

 そこで、王道ではない日産の高性能モデルを5車種ピックアップして紹介します。

●アベニール GT4

前置きインタークーラーがかっこいい「アベニール GT4」前置きインタークーラーがかっこいい「アベニール GT4」

 現在、日産のラインナップからステーションワゴンは消滅してしまいましたが、かつては複数のステーションワゴンを同時にラインナップしていました。

 そのなかの1台「アベニール」は、1990年に発売。初代は比較的オーソドックスなスタイルのワゴンでしたが、1998年に発売された2代目では、よりスタイリッシュなデザインに変わります。

 2代目アベニールには、「S15型 シルビア」などに搭載され、名機といわれた「SR20DET型」エンジンと、フルタイム4WDシステム「アテーサ」を組み合わせて搭載した、高性能モデルの「アベニール GT4」がラインナップされていました。

 2リッター直列4気筒ターボのSR20DET型エンジンは最高出力230馬力を誇り、インタークーラーが前置きで、バンパーの奥に見えるのが控えめに高性能さを主張。

 ステーションワゴンに高性能エンジンとフルタイム4WDという組み合わせは「ステージア」がありましたが、アベニール GT4は意外性があり、存在も知る人ぞ知るというモデルでした。

 しかし、販売状況は良好とはいえず、2002年にアベニール GT4は廃止となり、2005年にはアベニール自体も「ウイングロード」に統合されて消滅。

 ウイングロードには高性能なターボモデルは設定されなかったため、アベニール GT4はいまとなっては貴重なモデルです。

●エクストレイル GT

最強のSR型エンジンを搭載した初代「エクストレイル GT」(画像はスタンダードモデル)最強のSR型エンジンを搭載した初代「エクストレイル GT」(画像はスタンダードモデル)

 スノーボードやサーフィンといったアウトドアスポーツを楽しむ若者をターゲットに開発された初代「エクストレイル」は、都会派のユーザーも満足させるミドルサイズのSUVで、日本国内だけでなく海外でもヒットしました。

 そして2001年には、専用のフロントバンパーと大型フロントグリルを装着し、2リッター直列4気筒ターボ「SR20VET型」エンジンを搭載する「エクストレイル GT」が、日本国内専用車として追加ラインナップ。

 最高出力は280馬力を誇り、このパワーを路面に伝えるために、LOCKモードが選択できる電子制御カップリングを用いた、可変トルク型の4WDシステム「オールモード4×4」を採用。

 トランスミッションは4速ATのみでしたが、アクセルを踏み込んでターボの過給が始まると、豪快な加速を披露しました。

 なお、2007年に登場した2代目以降は高性能モデルが無く、SR20VET型エンジンも初代エクストレイル以外には搭載されませんでした。

●ローレル 25クラブSターボ/25メダリストVターボ

シックな外観のセダンながら280馬力を誇った「ローレル」シックな外観のセダンながら280馬力を誇った「ローレル」

 1968年に誕生した初代「ローレル」は、「ブルーバード」や「スカイライン」とコンセプトが異なる、ハイオーナーカーとしてデビュー。

 2代目以降はスカイラインと主要なコンポーネンツを共有しながらも、独自の路線で進化しました。

 1997年に発売された8代目ローレルは、ラグジュアリーな「メダリスト」系とスポーティな「クラブS」系の2タイプがあり、どちらも高性能グレードの「25クラブSターボ/25メダリストVターボ」をラインナップ。

 搭載されたエンジンは2.5リッター直列6気筒ターボ「RB25DET型」で、1998年モデルでは最高出力280馬力を発揮し、スカイラインほどの派手さはなく、それでいてパワフルなエンジンを搭載するギャップが印象的なモデルでした。

 いまでは貴重な直列6気筒エンジンのFR車ながら、中古車はスカイラインほど価格高騰していないので、シックな高性能セダンが欲しいという人には狙い目かもしれません。

■高性能な自然吸気エンジンを搭載した2台のセダンとは

●スカイライン オーテックバージョン

過激すぎない性能の自然吸気エンジンを搭載した「スカイライン オーテックバージョン」過激すぎない性能の自然吸気エンジンを搭載した「スカイライン オーテックバージョン」

 1989年に登場した日産8代目「R32型 スカイライン」は、16年ぶりに「スカイラインGT-R」の復活が大いに話題となった記念すべきモデルです。

 R32型 スカイラインGT-Rは、市販車をベースに仕立てたマシンで戦うツーリングカーレースに参戦するために開発されたモデルで、280馬力を誇る直列6気筒ツインターボの「RB26DETT型」エンジンと、可変トルク型の4WDシステム「アテーサE-TS」が搭載され、「全日本ツーリングカー選手権」では無敵を誇りました。

 この高性能なスカイラインGT-Rのコンポーネンツを流用して、1992年にオーテックジャパンが「スカイライン オーテックバージョン」を発売。

 ボディは2ドアクーペのスカイラインGT-Rとは異なる4ドアセダンで、スタンダードな「GT系」と同じ5ナンバーサイズです。

 外観はフロントに専用デザインのエアロフォルムバンパーが装着されるに留まり、派手なエアロパーツは装着されていません。

 エンジンはRB26DETT型から2機のターボチャージャーを外して2.6リッター直列6気筒自然吸気に作り変えられた「RB26DE型」で、最高出力は220馬力を発揮。

 インテーク/エキゾーストマニホールド、カムシャフト、ピストン、ECUなどが、オーテックジャパンが開発した専用品に変更せれています。

 パワーは控えめながら、6連スロットルが装着された大排気量自然吸気エンジンならではの鋭いアクセルレスポンスに、スムーズな吹け上がりとリニアな出力特性を実現。

 駆動方式はアテーサE-TSを継承した4WDとされ、足まわりには専用チューニングされたサスペンションと、スカイラインGT-Rのブレーキシステムを採用しています。

 なお、スカイライン オーテックバージョンは、余裕のあるロングドライブを楽しむというコンセプトで開発されたため、トランスミッションは4速ATのみの設定とされました。

 現在は中古市場に出ることも滅多になく、もし市場に出ればかなり高額な価格となることが見込まれます。

●サニー VZ-R

地味めなセダンながら高回転型エンジンを搭載した「サニー VZ-R」地味めなセダンながら高回転型エンジンを搭載した「サニー VZ-R」

 日産は1966年に、マイカー時代到来に先駆け、初代「サニー」を発売しました。このモデルは同社を代表する大衆車として、日本におけるマイカーの普及に貢献。

 2代目以降は高性能グレードが設定され、モータースポーツでも活躍し、サニーは安価なスポーツモデルとしても支持されるようになります。

 そして代を重ね、1998年に発売された9代目には、短い期間だけ高性能グレードの「VZ-R」がラインナップされていました。

 VZ-Rのエンジンは、最高出力175馬力を7800rpmで発揮する高回転型ユニットである、1.6リッター直列4気筒DOHCの「SR16VE型」を搭載。組み合わされたトランスミッションは5速MTのみです。

 外観はベーシックグレードとほとんど変わりなく、VZ-Rの識別方法はリアのエンブレムと、195/55R15のワイドタイヤくらいでした。

 2000年のマイナーチェンジで大幅なグレードの整理がおこなわれ、VZ-Rは廃止。わずか2年の販売だったため、いまでは非常に希少なモデルです。

 その後、2004年にこの9代目をもってサニーは生産を終了して、38年という長い歴史に幕を閉じました。

※ ※ ※

 今回、紹介したなかの1台であるエクストレイルは、いまも人気のSUVです。しかし、前述のとおり高性能モデルはラインナップしていません。

 そもそも、国産SUVには過激な性能のモデルは無くなってしまいました。

 むしろ、ハイブリッド車などのエコカーが国産SUVの主流となりつつあり、燃費が良く、実用上で十分なパワーがあればよいということでしょう。

 高性能なSUVを求めるなら輸入車という選択になりますが、国内メーカーもがんばってほしいところです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング