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変わりたくても変われない!? 過去の束縛から逃げられない車5選

くるまのニュース / 2020年10月15日 6時10分

新型車を開発する際に欠かせないのがコンセプトです。明確なコンセプトが決まっていなければ、技術者やデザイナーは同じゴールに向かって進むことができません。一方で、コンセプトがあまりにも強すぎて、モデルチェンジしても容易に変化できないクルマも存在。そんな、過去の束縛から逃げられないモデルを5車種ピックアップして紹介します。

■コンセプトが強すぎるクルマとは!?

 どのクルマも開発の初期に明確なコンセプトを設定します。コンセプトが決まれば、技術者やデザイナーは同じゴールに向かって突き進むことができるからです。

 一方で、歴史のあるクルマでは、過去のコンセプトがあまりにも強すぎて、変わろうと思っても変わることができないモデルも存在。

 そんな過去の束縛から逃げられないモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「GT-R」

誕生から13年を迎えるも、いまだに世界トップクラスの性能を誇る「GT-R」誕生から13年を迎えるも、いまだに世界トップクラスの性能を誇る「GT-R」

 日産は1969年に、市販車をベースに戦うツーリングカーレースで勝つことを目的とした特別なモデル、初代「スカイラインGT-R」を発売しました。

 ベースは3代目スカイラインの4ドアセダンで、160馬力を発揮する2リッター直列6気筒4バルブDOHCエンジンを搭載。レースでは49連勝を飾るなど、いまでは伝説的なクルマです。

 1973年には2代目が登場しますが排出ガス規制などを理由に短命に終わり、それから16年後の1989年にスカイラインGT-Rが復活を果たします。

 新時代のスカイラインGT-Rも、高性能なエンジンと先進の4WDシステムを搭載することで、レースでは無敵の快進撃を続けました。

 しかし、2002年に生産を終了。スカイラインGT-Rの系譜は、再び途絶えてしまいます。

 そして、2007年に車名を「GT-R」としたスーパースポーツモデルを発売。480馬力という国産車では類まれな高性能エンジンに、トランスアクスルを採用した4WDシステムを搭載し、スーパーカーを凌駕するほどの走行性能を実現しました。

 新生GT-Rは高性能エンジンに優れた4WDシステムと、スカイラインGT-Rの構成を受け継ぎましたが、性能的には比べものにならないほど進化しています。

 すでに発売から13年経とうとしていますが、次世代モデルが出るならば、GT-Rというブランドを受け継ぐ以上は、世界が驚くような性能向上が必須です。

●ポルシェ「911」

性能、知名度ともいまも世界第一級のスポーツカー「911」性能、知名度ともいまも世界第一級のスポーツカー「911」

 世界でもっとも有名なスポーツカーといえば、ポルシェ「911」でしょう。初代は1964年に誕生し、盛り上がったフロントフェンダーの前端に丸形ヘッドライトを配置したフロントフェイス、フロントウインドウからテールエンドにかけて緩やかなカーブを描くフォルム、空冷水平対向6気筒エンジンをリアに搭載してリアタイヤを駆動するRRの採用など、明確なコンセプトのもと設計されました。

 その後、代を重ねてもデザインやメカニズムは初代から普遍でしたが、1997年に登場した5代目では、水冷エンジンを搭載するという、大きな転換期を迎えます。

 しかし、全体のフォルムや水平対向6気筒エンジン、RR駆動を基本とすることなどは変わっていません。

 現行モデルは2018年に発売された8代目にあたり、ボディサイズの拡大やターボエンジンを標準化していますが、やはりコンセプトは初代から継承されています。

 内装でも伝統的な5連メーターを液晶モニターで再現するなど、旧来のオーナーには見慣れた景色を演出。

 もはや911はすべてがアイコン化しており、変わることが許されない代表的なモデルではないでしょうか。

●トヨタ「プリウス」

常に燃費性能でトップに君臨する「プリウス」常に燃費性能でトップに君臨する「プリウス」

 1997年にトヨタは、量産世界初となるハイブリッド車の初代「プリウス」を発売しました。エンジンとモーターを組み合わせたパワートレインによって、当時、ガソリン車では世界一となる驚異的な28km/L(10・15モード)という低燃費を実現。

 プリウスの登場によって各メーカーからも続々とハイブリッド車が登場し、爆発的に普及しました。

 その後、プリウスを超える低燃費車が登場しますがすぐに巻き返し、常に低燃費ナンバー1に君臨。

 現行モデルは2015年に発売された4代目で、発売当初はJC08モードで40.8km/L(Eグレード)と、他車を圧倒する低燃費を実現し、2018年のマイナーチェンジで先進安全装備の標準装備化の影響で39km/Lとなりましたが、それでも引き続き燃費トップをキープしています。

 これまで改良が重ねられてきましたが、初代からシステム構成は大きく変わっておらず、動力性能を向上させながらこの燃費を達成しているのは、驚き以外ありません。

 いまのところ次世代モデルの噂はありませんが、プリウスは燃費性能でトップにいることが運命付けられているため、今後もすごい燃費を実現することでしょう。

■最新モデルもやっぱり変わらなかった!?

●スズキ「ジムニー」

軽自動車で唯一無二の高い悪路走破性を誇る「ジムニー」軽自動車で唯一無二の高い悪路走破性を誇る「ジムニー」

 軽自動車初の本格的なクロスカントリー4WD車として、1970年にスズキ初代「ジムニー」が誕生しました。

 強固なラダーフレームにボディを架装する構造で、サスペンションはストロークが長く頑丈なリジッドアクスルを前後に取り付け、シンプルな構造のパートタイム4WDを採用するという、クロカン車の教科書的なモデルです。

 エンジンは当初360ccの2サイクル空冷2気筒を搭載し、出力はわずか25馬力でしたが2サイクルエンジンならではの低回転から絞り出す太いトルクと、車重600kgと軽量な車体が相まって、高い悪路走破性を実現。

 その後、ジムニーは代を重ね、リーフスプリングからコイルスプリングに変わり、エンジンも4サイクルになりますが、基本的な構造は変わっていません。

 2018年には20年ぶりのフルモデルチェンジをおこない、現行モデルの4代目が登場しました。原点回帰したようなクラシカルなフォルムとなり、電子デバイスも追加されましたが、ラダーフレームにリジッドアクスル、手動で切り替えるパートタイム4WDを継承しています。

 現在、ジムニーはライバル不在の状況で、次のモデルはかなり先になると思われますが、コンセプトは変わらないでしょう。

●日産「フェアレディZ」

12年ぶりに発表された日本を代表するスポーツカーの新型「フェアレディZ プロトタイプ」12年ぶりに発表された日本を代表するスポーツカーの新型「フェアレディZ プロトタイプ」

 1969年、日産はアメリカ市場をターゲットとした新世代の2シーターFRスポーツカー、初代「フェアレディZ」を発売しました。

 それまで英国調のオープカーだったダットサン「フェアレディ」に対し、クローズドボディの流麗な2ドアハッチバッククーペに生まれ変わり、エンジンもパワフルな直列6気筒を全車に搭載。

 アメリカではダットサン「240Z」の名で発売されると安価で高性能なスポーツカーとして、大ヒットを記録しました。

 そして、フェアレディZは代を重ね、ボディサイズの拡大やV型6気筒エンジンやターボエンジンを搭載しますが、外観のイメージは初代から継承され、6気筒エンジンを搭載するFRスポーツカーというキャラクターも変わっていません。

 2020年9月に、7代目となる新型フェアレディZ プロトタイプが発表されると、ボディ形状や部分的なデザインは歴代フェアレディZのエッセンスが織り込まれ、エンジンはV型6気筒ツインターボを搭載するなど、これまでのコンセプトを受け継いでいます。

 フェアレディZは世界中にファンがいることから、911と同様に、もはや変わることは許されないモデルです。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種は、良い意味で過去に束縛されているモデルばかりで、実際にどのモデルも人気があり、変わらないことを是とするオーナーに愛されています。

 一方で、時代の変化から初期のコンセプトから大きく変わってしまったモデルも存在します。

 変わる、変わらないはどちらも正しいことなのですが、コンセプトがブレないモデルというのは、それだけでも魅力的に見えてしまうのではないでしょうか。

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